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人形師のお話

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真面目な話。
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#郷土玩具

全国放送のテレビの力を数字でお見せします

全国放送のテレビの力を数字でお見せします

一週間前、テレビ朝日の「博士ちゃん」という番組にて、当工房のモマ笛が紹介されました。

土曜日の19時からという時間帯で、とても良い番組ということもあり、多くの方に視聴いただいたようです。

全国放送は本当にありがたい反面、注意すべき点が一つだけあります。

それは放送による反響を和らげる緩衝材が必要だということです。

上記のグラフが放送直後の工房のネットストアへのアクセスです。

(ちょっと見

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津屋崎人形のごん太が本の表紙です

津屋崎人形のごん太が本の表紙です

津屋崎人形のごん太が表紙の「郷土玩具ざんまい」が淡交社より出版されました。
著者は福岡にある郷土玩具店「山響屋」店主の瀬川さんです。

歴史のある郷土玩具から新進気鋭の作家の作品まで、現代の文化にも親しむ瀬川さんの視点から紹介する本となっております。

年末年始に穏やかな郷土玩具の世界にゆっくりと浸かっていただけたらと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

転売YEAR

転売YEAR

マスクやユニクロの限定品まで、なんでも転売される世の中である。

転売について思うことがある。

私は人形づくりをして、自店舗で販売もしている。

ここ2〜3年、うちの人形がテレビやネットニュースで話題になったりした。すると販売した人形が何倍かの値段で転売されているを目の当たりにしてきた。(これは意識せずとも教えてくれる人がいる)

その度に、「仕方ないことだ、それだけ有名になったってことだ」と自

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教育現場における、伝統工芸や郷土玩具の可能性

教育現場における、伝統工芸や郷土玩具の可能性

当初感じた違和感私は、毎年1回、地元の中学校に出向き、3年生に人形の絵付け体験授業をしている。
最初に絵付けの方法を教えて、後は自由にやってもらうというもの。

ベーシックな塗り方は説明するものの、自由を大前提にしているため、出来上がる作品は様々だ。私も美術の先生も生徒の手助けはしないため、自力で塗ることになる。 

数年前、初めて授業に出た際、すごく違和感を感じた。
ちょっとでも塗りが難しいと感

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古民家の可能性は測りしれない。

古民家の可能性は測りしれない。

最近は古民家が改築されたカフェやレストランが増えたなぁという印象を受ける。

新品なおしゃれなカフェがたくさんあるのに、なぜ古民家のカフェが流行るのか。

それは古民家カフェがおしゃれと安心感という、相反しそうな2点をうまく両立させているからだ。

個人的にこの2点の両立はすごくいいと思う。

まず、これからの少子高齢化の中で、古民家カフェは、高齢層も若年層も取り込む可能性がある。さらに外国人観光

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そもそも郷土玩具て何なの?な話

そもそも郷土玩具て何なの?な話

こんばんは、今日は郷土玩具についてのお話だ。イメージとしては、こけしやダルマ、招き猫なんかがある。実家に一個はあるイメージだ。

早速、Wikipediaで定義を調べると、以下のようにある。

①稲垣武雄は、行事や祭礼で授与、販売される玩具であり、観賞に耐えうるもので、方尺を逸しない大きさのものを郷土玩具と定義した。

②山田徳兵衛は、地方で考案、生産された、その地方の特色を持つ玩具を郷土玩具と定

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エルメスに学ぶ、価格の考え方#2

エルメスに学ぶ、価格の考え方#2

前回では、私がエルメスの職人に直接質問したことと、いただいた返答について説明した。
ここでは、それを自分の仕事に置き換えて、考えたことをお話しする。

その後、ジワジワと私が考えたことは
「ウチの人形、もう少し値上げすべきかもなぁ」ということだ。

一例として、トップの写真にしている、鳥の笛の人形を見ていだきたい。
モマ笛という、ふくろうの笛で、後ろに吹き口があり、吹くとホーと音がする。
当然しっ

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エルメスに学ぶ、価格の考え方#1

エルメスに学ぶ、価格の考え方#1

平成29年に「エルメスのてしごと」展というイベントが博多駅で行われた。

これはエルメスの様々なジャンルの職人の手仕事を目の前で見学しつつ、職人に質問などもできるというイベントだ。

もちろん私は、超高級エルメス一味など保有したことないし、今後も保有する予定(予算)はない。

しかし、世界有数の高付加価値ブランドのものづくりが直接見れて、質問もできるという機会は、滅多とない。

実際見に行って数年

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君の名は、僕の名は、

君の名は、僕の名は、

私は福岡県に住む29歳のおとこです。240年ほど続く津屋崎人形(つやざきにんぎょう)という人形屋で、長男として生まれました。

この人形は土人形で、見た目は素朴にした博多人形などをイメージしていただければ良いかと思います。

私の小さい頃は、人形屋の仕事はうまくいっておらず、その大変さを目の当たりしてきました
(母が夜中のパートを頑張ってくれて生活していました)。

なので、私は人形師以外の仕事を

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