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【雲の中の富士山を登った時の話・2日目②】暗闇の中の救世主

こんにちは! 雲の中の富士山を登った月見里です!

今までの記事は、こちらのマガジンにまとめてありますので、ぜひご覧ください!


前回、朝1時30分に起きて、3時に宿を出たところからです!


いざ外へ


いざ外に出てみますと……

若干小雨が降っていて、辺りは真っ暗です。

あるいは、「降っている」というよりは、漂っているというほうが正しいかもしれません。

こんなに真っ暗闇なのは初めての経験でした。しかし、風の流れや音で、とてつもなく広い空間が暗闇の中に広がっているのがわかりました。


ヘッドライトを点けて、スマホで撮ってみますと……

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こんな有様です。一寸先は闇、という言葉がリアルです。まるで光量が足りていません。漂う雨粒に遮られ、地面すらまともに照らすことが叶いませんでした。

これでは危なすぎる! と思いましたが、昨日のヘッドライトの機能を思い出しました。

広範囲を照らす機能と、光を絞る機能です。

試しに、私はスイッチを押すと、光が一点に集中し、強く照らされました。

すると……

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足先だけではありますが、しっかりと見えるようになりました!

ちなみに下の四角の影はスマホです!

そのため、心細いですが、一点集中の一閃の光を頼りに進むこととなりました。

周りには誰もいませんでした。いれば、私と同じようにライトが見えるはずですので。


それにしても、想像以上に真っ暗です。月の光もなく、真っ暗闇が取り囲んでいます。虫の鳴き声も、人の気配も、何もありませんでした。風の音ばかりでした。

そもそも、登ろうと思っても、どこに行けばいいかすらわかりませんでした。足元までは照らせても、遠くは照らせないのです。宿を出て右に行けばいいのか、左に行けばいいのか。その先、どの方向に行けばいいのか、道が全くわかりませんでした。

一歩間違えれば、この高さから落ちてしまいえます。死の恐怖を感じざるを得ませんでした。



とりあえず動く


しかし、立ち止まっていても状況は変わらず寒いままなので、記憶を頼りにそれらしい方向へ行ってみることにしました。

左手側がトイレだったので、右手側が登る道なのだと思われます。こんなことなら、昨日のうちにある程度ルートを確かめておけばよかったとわずかに後悔しました……。

しかし、それと同時に、あの時見た一瞬の絶景を思い出して、やる気を出しました。

目を凝らすと、どうやら道が二手に分かれていて、遠くにはブルドーザーの回転灯が見えました。どちらかが、ブルドーザーのための道で、もう片方が人の通る道なのか。あるいは、ブルドーザーの道も人の道も同じ道で、もう一方の道は宿のゴミ捨て場とか、ほかの用途の道なのかもしれません。先が見えないと、全くそれがわからないのです。

崖に向かって歩いているのかもしれないと思うと、体が竦みました。



救世主


そうして私が右往左往していると、遠くから二つの光が見えました。

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それが遠いのか近いのかは、まったくわかりませんでしたが、動いていて、こちらに向けられた光であることは確かでした。

そちらの方へ歩いて行くと、その光は強まって、やがて二人の人が見えました。


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「君、山頂行くのかい?」

反射板を肩に巻いた、警備員さんのような恰好をした人たちでした。

そうだと答えると、

「じゃあ誘導するからついてきて」

と頼もしいことを言ってくれました!

聞けば、私のような迷える子羊が危険な目に合わないようにするための、富士山山頂の誘導員さんだそうでした!!

ありがたいことこの上ないです! 山梨県の職員なのかボランティアなのかわかりませんが、とにかく助かりました!!

こうして、二人の誘導員に導かれながら私は登っていきました。


斜面というよりは、岩場にひたすら足をかけていかないと登れないロッククライミングの状態でした。そのうえ、暗いから昨日よりもさらに怖いのです。文字通り一寸先は闇なので、足を踏み外したら転げ落ちるような気がしました。荷物を置いてこれてよかったと思いました。

首をこまめに振って、狭いライトで次の足場を探して、登っていく。前方を見て誘導員についていく。それでいっぱいいっぱいになっていましたが、ある程度すると余裕ができて、ふと後ろを振り返りました。

すると、私の後ろに、いくつもの光の玉が線上にうねうねと浮かびあがっていました!

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どうやらみんな、出始めをうかがっていたようで、私と誘導員さんが先頭になって列を成しているようです。

たしかにガイドなしでこれを登るのは恐ろしいですが、先頭に立っているというプレッシャーが乗っかりました。



 今回は以上となります。

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