#note
「はたらく」の先には、物語がある。
「はたらく」との最初の出会いは、小学生の頃、休日の実家にあった。
父は小さな設計会社に勤めていた。会社は実家からほど近い場所にあり、地元の企業や団体に設計機器を卸していた。
母は専業主婦だった。料理が上手で、本をよく読んでいた。実家には小説から哲学書まで、たくさんの本があった。
ある日、休日出勤していた父が、お昼を食べるために家に戻ってきた。学校が休みで手持ち無沙汰だった自分も、一緒に母のつ
「ごめんなさい」と、恋人に精一杯の置き手紙を書いた
目がふたつあるくらいでは、出てくる涙に耐えられない。
「少しだけ、時間をください」
いいことと、わるいことがあるとしたら、どちらかというと後者をわたしは覚えている。楽園と瘡蓋。濡れた前髪を整えながら一歩、また一歩と前進する。染み付いた生き方や考え方は、そんな簡単には変えられない。
なぜだろうか。
洗いたてのような太陽の光と、歌声のような雨音。どちらかというと後者を覚えている。靴の底からしみ
止まった時間と透明な回転扉
自分の中に止まった時間がある。
生きることに必死だったが、どこにも向かえなかった時間。精一杯もがいたが、少しも動けなかった時間。
希望はなかったが、絶望しないように必死だったときの記録と記憶。
***
二年前のある日、有楽町線の電車に乗っていた。当時通っていたカウンセリングルームの帰りか散歩の帰りか、よく覚えていないが、めずらしく外出した日だった。
自分の気持ちがわからなくなってから、し
これからの「生き方」の話をしよう
ずっと前から「生き方」というものに興味がありました。
高校生のときから答えのない問いをずっと考えていて、「どんな風に生きたいか」と聞かれたら、「明日死んでもいいように生きたい」と答えられるようになりたいと思っていました。
自分は当時その言葉の意味を以下のように捉えていました。
でも最近になって、「違う意味なのかもしれない」と思うようになりました。
その言葉の意味は、もっと生々しくて、不完全