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「得意・不得意」という考え方

💠1、苦手は誰が作ってる?


塾生たちに「苦手な教科は何?」と質問すると

大抵は数学、国語、英語のどれかになります。


苦手になった理由を聞くと・・・

「授業についていけない」

「テストで得点できない」

「勉強する意味が分からない」

・・・という回答が多いんですね。

確かに、そういった事情があったら苦手になるのも無理はないと

思うかもしれませんが、私は別の見方をしています。


よくよく考えてみると、勉強で苦手を作ってるのは 学校です。


もしも一斉授業をやらずに個別指導を行うなら

授業についていけなくなることもありませんし、

テストを実施しなければ、悪い点も取らなくて済みます。

(実際に定期テストを課さない学校がありますので、

高校・大学入試の模擬試験を除き、

学校独自のテストをやる意味がないと私は思っています)


勉強する意味が分からない子には、なぜ勉強する必要があるのかを

時間をかけて説明し理解させれば良いはずです。


勉強に関して言えば、苦手の根本を作り出してるのは

大人側の問題だということをお分かりいただけるでしょうか。


💠2、「苦手」と「不得意」


苦手意識を持ってしまうと、それを不得意だとも思うようにもなります。


例えば、歌うのが苦手だと思って歌わずにいると

それを不得意なもの(自信がないもの)と思い込んでしまいます。

スポーツが苦手だと思うと、あえて自分から

スポーツをやろうとは思いませんので

ずっとやらずにいたら、不得意だと思うようになります。


勉強も同じで、苦手意識を持った子供は

自分から勉強をやろうとしませんので

まったく勉強せずにいると

自分は頭が悪いから、勉強は不得意だと思うようになります。


このように苦手意識が生まれると

「自信がないもの」=「不得意」として扱うようになります。


多くの人たちは「苦手」と「不得意」を同じものとして感じ取っていますが

実際には異なるものなのです。


💠3、他人と比較してしまう


猿が蛇を見たら、猿は驚いて逃げ出します。


これは本能的な反応で、猿にとって蛇が極めて扱いにくい生き物なので

苦手なのです。


子供がニンジンを嫌って食べないのは

味覚的に体が受け付けないので苦手と言えます。


女子が「あの人、生理的に無理」というのも

一種の本能的な働きなので、苦手と言えますよね。


このように異質なものに対する不安、

あるいは命の危険を感じたり、身体的なトラブルが発生する可能性が

あるものに関しては「苦手」と言えます。


ですが、自ら進んで何かをやってみる行為については どうでしょうか?


例えば、赤ちゃん。


赤ちゃんが一人立ちする時期は、それぞれ違っていますが

赤ちゃん自身は・・・

「私は立ち上がるのが苦手で、あの子みたいに

上手に立ち上がれないから、立ち上がるのを止めよう」

・・・とは思わないはずです。


赤ちゃんには誰かと比較する意識が働いていませんし

自分が上手いか下手かも考えていませんので

ひたすら立ち上がろうとしますよね。


ですが、大人になるにつれ、私たちは自分のやってることと

他人のやっていることを比較し、自分が劣ってると思うと

苦手意識が働き、最後には不得意なものだと思い込むようになります。



そんな風に思う必要は全くないのですが

多くの人がこの感覚が当たり前だと思って

苦手ではないものまで苦手だと思うようになっています。



💠4、苦手でも得意になるかもしれない




本能的・生理的に苦手というものを除いて、

なんとなく苦手意識があるものでも得意になるケースがあります。


勉強が特に良い例です。


特進アカデミーの塾生を例に挙げると

中学校時代は数学に苦手意識を持っていて

テストでは平均20〜30点しか取れていなかった生徒が

高校入学後にしっかりと数学に向き合い

高校2年生で90点以上取れるようになりました。



生徒自身は苦手で不得意だと思っていても

時間をかけて努力すれば、得意になることがあるわけです。



学業でも仕事でもそうですが

知識やスキルを習得することに関しては

苦手というものは本来存在しないはずなのです。


つまり、どれだけ向き合えるかで

不得意だと思い込んでいたことも得意になる可能性が大きいのです。


やはり自信が持てないことでも

「点滴石をも穿つ」の精神で

取り組み続けることが大切なのです。


他人と比べて自分は劣っているから、これ以上やらない

・・・という考え方をせずに、

過去の自分と比べて

「今の自分は成長しているかどうか」

ということだけに着目していれば

1ミリでも前進できるはずです。


得意・不得意という物事の捉え方に囚われずに

前に進むことだけを考えたいですね。


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