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水面のBackSpaceキー
水に指をいれてみる。
指の周りに感じる水。
水の指輪。
皮膚がゆっくりと蚕食されていくように。
体温と同じあたたかさの水。
しばらくすると体に溶けていく。
だから目の前にあるその液体が、
だんだんと自分の裸のように思えてきたのだ。
嘘ひとつつけず震えているのが分かる。
映るのは鼓動で、
しばらくしたら落ち着いた。
柔らかく呼吸するように揺蕩う水面を見ていたら、
瞼が重くなってきた
微笑みの声で全て救われる
波打ち際。
水にそっと触れた僕を見て、
微笑んだ声がきこえる。
パフェにのったモンブランを、
満足気な顔で頬張る僕を見て、
微笑んだ声がきこえる。
潮風の涼しい縁側、
空咲く大輪に目を丸くしながら振り返る僕を見て、
微笑んだ声がきこえる。
できあがった指輪のことを、
愛おしそうに見つめる僕を見て、
微笑んだ声がきこえる。
心の全てが救われる優しい声。
見つめた先に温もりをとらえているのがわ