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僕の声を教えてください。

僕は歩く。
ずっと歩く。走ることもない。

足を止めることもない。
同じ歩幅で、同じリズムで。

曲がることも知らない。
一言も発することをせず、
ただ、何もない道に足跡がつく。

この足跡は雨が降ったらどうなる。
いままで僕が歩いてきた道は雨に染まる。

やっと自由だ。


やっとの想い、雨の中で叫ぶ。
雨が降ったら、歌う。歌う。歌う。

歌う目的はひとつだけでいい。
歌う。歌う。

さて、僕の声はどんな声なのか。
雨水にぜんぶ吸ってもらってるから、

聴いたことがない。


それを飲んだ花よ、
君に教えて欲しい、僕はどんな声をしている。


優しい声だったらいいな。
温かい声だったらいいな。

いつかは天水あまみずになる、
清らかに流れる水のようだったらいいな。

陽光とそよ風を愛でるように包み込む、
大樹の葉っぱのようだったらいいな。

心のこもった美しい文章が綴られて、
触れると温もりを感じる和紙のようだったらいいな。

きれいな花を咲かせて答えてくれ。



声と言葉にすべて込めて
この星を讃えるために。


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