![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/109289937/rectangle_large_type_2_8f7835c61b9002f51bb6e137c788cbb0.jpg?width=800)
時にかわる人
寒い日と暑い日と、
代わる代わる。変わる変わる。
おとなしくすわっていようと、
木陰のベンチに想いを馳せる。
ありもしないよ木陰なんて、
あったのは閑寂さだった。
人々の服の摺れる音に耳を澄ませて目を閉じる。
動いている人がいる。
意志を持った人々は、
まじわった川。わかれた川。
長る流る。
しまいには海。
頭の痛み忘れるほど、
きれいな雨が降っていた。
せき止められない、扉こじ開け、
氷った粒になりたくて、
からからになるほどにながした泪。
雨雲に触る触る。
誰かに美しいと言ってほしくて、
震える筆先。先をゆく声。
何一つ書き留められない貴方の音。
やっぱり、
見えるものだけ描けばよかった。
聞こえるものだけ伝えればよかった。
平穏な愛、零る零る───
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?