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フルニトラゼパム

肩を並べるとなみだがでた。
小指が触れるとみがこぼれた。


そのまま僕らは眠りについた。
夢の中に沈んだ——


限られた命の中でできてしまった、
腐ったうたを読み返す。


すすけた一文字、もろい一文字、きたない一文字を、
隣で優しくすくってくれた。


そしてハンカチで優しくでていた。



そうやって目が覚めたとき、
なみだがおさまっていた。

肩が温かい。

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