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病気、障害、困ったことの上手な伝え方 ~サポートされやすい環境作りのコツ~


みんなは困ったとき、素直に「助けて」と言える?




僕は言えない。



自己肯定感が低すぎて、自分のために誰かの時間を奪っていることに罪悪感を覚えるから。



自分のことは自分でやりたい。


誰かといるより、ひとりでいるほうが気持ちは楽なんだよね。疲れない。




あまり他人に自分のことを意識してもらいたくなくて。




モブキャラでいるほうが好きなんだ。




誰にも知られずに、ひとりどこかでのたれ死ぬ人生でいいと思っていた。




だけど。


はじめて働いてみて。就職が失敗して。振り返ってみて。



仕事の能力よりか、自分のコミュニケーションに問題があるのかなと思った部分があったんだ。


嫌がらせに対してムカついても、いつも笑っていたり。

仕事の失敗につけ込まれて文句を言われないように、絶対に失敗しないようにしたり。

嫌がらせ相手に負けたくなくて、休まずに働いて力量の差を突きつけるように成果を出したり。



「強がること」が、身体的にも、精神的にも大きな負担になった。



最初にクローン病が再燃して、体が言うことを聞かなくなり。

次に、がんばり過ぎが祟って、心がポキッと折れちゃったんだよね。


心はガラスのように固くなると割れてしまうというか。



もうぜんぶ、どうにでもなっちゃえばいいやって。



もっと柔らかい気持ちを持てれば避けられたのかもしれないけれど、当時の自分にはそんなことを理解できる余裕なんてなかった。


そのことが助けてくれる人たちにも迷惑をかけることになった。




そこで。


この失敗以来、同じ失敗を繰り返さないため、僕は日常生活でも仕事でもコミュニケーションに心がけていることがあります。



ちょっとだけ便利なことが3つあります。



それをみんなに教えちゃいます。




「助けて」と言えないあなたに贈る。



何も言わなくても助けてもらえるコミュニケーション方法」。



それじゃ、レッツゴー!



1.悩みの共有化をしよう


まず「弱音を吐く」ことは大事だと思います。



他人が見えるのは、人の外見だけ。心の内側までは見えません。



ですから、自分の内面を周りの人に伝えるということが必要。


心の「自己開示」です。



弱音を吐くことで周囲に自分の内面が可視化されます。



素の自分を他人に見せるのはちょっと怖い。

情けない自分は嫌われるんじゃないか?

知られた相手に弱みにつけ込まれるんじゃないか?



僕もはじめはそう思ってました。



でも、違った。



弱音を吐くことで、自分の悩みが周囲と共有化されることになるんです。



人間、外側から見てわかるものを自分で主張すると嫌味になります。



例えば。


「この腕時計は○○で買ったんだ。○○万円したんだ」とか。

「見て見て。この写真。この間、海外旅行に行ったの」とか。


イヤな奴ですよねぇ~。


人間は目に見える視覚情報から自分で物事を判断できますから、その判断に基づいてそれぞれの感情が沸きます。


その沸いた感情と違う感情を相手が先に話すことで。

自分の自然に沸いた感情を相手が上書きしてくるので、嫌な感じがするんですよね。


言うなれば、自分の心の領域(テリトリー)に相手が土足で踏み込んでくるんです。


この相手に反発するキモチを「心理的リアクタンス」と言います。


心は何か押しつけられると、自由でいたい気持ちを守るために、押しつけられたものを押し返すのです。


心の作用としてはごくごく自然なもので、誰にでもあるものです。



しかし。


人間の心の内面は他人から見えません。


心の内面を伝えることは、視覚情報による妨害がないので、心理的リアクタンスが働きづらいのです。



つまり。



自分の内面を告げることは、相手に素直に受け取ってもらいやすい



全然、嫌われません。


このことに気付いてから、友達、主治医、看護師、仕事仲間など、僕は弱音や困ったことをフランク(率直)に話すように心がけていますが、そのことで特に大きな弊害は起こっていません。


それどころか、いくつかのメリットが得られました。


信頼関係が構築できる

自分の弱点を見せることで、相手も心を開きやすくなり、昔に比べ親しくなることができます。笑うことも多くなりました。


サポーター(協力者)が増える

弱音を吐くことで、悩みを理解してもらえ、周囲の協力が得やすくなります。アドバイスをできる人を紹介してもらえたり、人の輪が広がるようになりました。


自己成長のきっかけになる

悩みや弱点を克服するためのフィードバックやサポートを受けられるようになりました。自分だけじゃ得られなかった知識や経験を教わり、自分がすこし成長できたかなと感じます。


心理的安全性が向上する

周りの人からも悩みを打ち明けてもらえるようになって、悩んでいるのが自分だけじゃないとわかったり、相手の人間味も伝わることで、その場にいることへの安心感が増しました。



僕の場合は、クローン病で、普段からあまり栄養も足りてなくて、疲れやすいんですよ。


ですから。

「体力が足りない」ということは周囲によく伝えるようにしています。


加えて、具合が悪くなりやすいタイミングなども知らせるようにしています。


どういう条件で具合が悪くなるのか。

具合が悪くなったらどうすればいいのか。



悩みを打ち明けることで周囲からの理解が得やすくなったと思います。



2.先に「小さな優しさ」を渡しておく


必ず先に親切をしておけ」ということです。



情けは人のためならず。



人に親切にすれば、その親切は相手のためだけでなく、いずれ自分にもどってくる。


諺なんて、ちょっとジジイの説教臭いかな。



論理的に言えば。


以前、ブログ記事にもしたロバート・B・チャルディーニ氏の著書「影響力の武器」。



返報性の法則」です。



受けた恩は必ず返したくなる心理です。


ギブアンドテイク。


他人から優しくしてもらえたとき、人は恩義を感じ、それを返したいという気持ちになります。

頼みごとをする際は、先に相手のために何かをすることで、頼み事を受け入れてもらいやすくなる。



初対面の人の頼み事はキッパリ断れるのに、付き合いが長くなった人の頼み事ほど断れないことありませんか?


付き合いが長くなれば、その人にしてもらったことの恩が積み重なっているから、無意識的に断りにくくなるんですよ。



実はコレ。


相手の自分に対しての好感度が影響しています。



相手が自分に対しての好感度が高ければ、高いほど、相手は断りにくい。


「好かれる」ということがキーポイント。



つまり。


相手に好かれれば、先にすることは「親切」でなくてもいいんです。


先に気持ちよく「挨拶」をする。

先に明るく「話かける」。

先に相手の話を「聴く」。


ほんのちょっとの「優しさ」を先に相手に渡しておくといい



僕の実感だと倍返し以上でメリットが返ってきてるような気がします。


困ったときに助けてもらったり。

失敗したときにフォローしてもらったり。

落ち込んだときには励ましてもらったり。


難病という「生きづらさ」を抱えていても、すこしだけ「生きやすく」なったと思います。


何より、人に優しくある、利他的であることは、誰かに必要としてもらえることにつながります。


それは、自身の自己肯定感を高めてくれるでしょう。



3.必ず感謝を伝える


ワガママであっても、「ありがとう」を忘れるな



僕がいつも肝に銘じている言葉です。



「ありがとう」と言われて悪い気がする人はいない。


日本人が好きな言葉のアンケートの1位は「ありがとう」です。



まあ、多少の粗相があっても、「ありがとう」と言っときゃ許される。(おい)

昔でいう文章の最後に「(笑)」をつければ、きつい言い方にならない、みたいな。



冗談はさておいて。



感情は、人と人をつなぐ架け橋だと思うんです。



「ありがとう」と伝えるだけで、相手も自分も幸福感が高まり、ポジティブな感情が共有できる。



「共感」って、とても大事です。



人と人をつなぐキューピットになる。


わかり合える「鍵」と言ってもいい。



ただ感謝を伝えるだけでなく、その感情も同時に伝えてみましょう


共感となります。




何がどうして嬉しかったのか、感情の理由を「ありがとう」と一緒に伝えてみてください。



あなた自身を知ってもらえるきっかけとなります。


そして、あなたの境遇や心に共感してもらえることは、不運を助けてもらえることになる。



ここで、心理学のテクニックを1つ。




ウィンザー効果」というものがあります。


第三者に伝聞された情報は当事者本人が発信する情報よりも信憑性が高いという心理作用です。



例えば。


自分で相手に「○○してくれて、ありがとう」と伝えるより。


友達を通して「△△さんが○○してくれて、ありがとうと言っていたよ」と感謝を伝えたい相手へ言いたいことが又聞きされると好感度は高まるのです。



僕はこの原理を応用して、誰かになにか感謝することをしてもらったら、とにかくベラベラ喋ることにしています。


「△△さんが、○○してくれて助かったよー」って。


もうほんとにベラベラベラベラベラベラベラベラベラ。(しつこい)


元から噂話が好きで口が軽いってゆーのもあるんだけど。(おい)

守秘義務がなければ、ネットにも書くようにしています。



感謝の気持ちを相乗効果で伝える。



相手に何かをしてもらうってことは思い通りにいかないけれど、自分の行動は思い通りにできます


もし、自分の行動で「生きやすさ」が手に入るなら、それは楽な方法だと僕は思います。



順風満帆の人生とはいかないから


誰であっても、思い通りの人生を送っていける人なんていないと思います。



みんな、生きることはしんどい。



でも、そのしんどさを共有できたら、すこし感じ方はちがってくるのかなと思います。



自分にとってクローン病は。


蜘蛛の糸に絡めとられた蝶のような生活で。


自由のきかないことばかりでした。


好きなものは食べられない。

好きな場所へは行けない。

好きな人たちには会えない。


それがイヤでイヤでイヤでしょーがなかった。



世界は誰かとのつながりで出来ている。

もし自由に空を飛べるなら、誰かの手助けは受けた方がいい。



でも、僕はやっぱり「助けて」とは言えません。



誰かの迷惑になるのは嫌いだから。



それも自分だよね。

ただ、「助けて」と言えない意地っ張りの自分を好きになれるようにはなりたいな。


1.悩みの共有化
2.先に「小さな優しさ」を渡しておく
3.必ず感謝を伝える

助けてと言えない僕のアイデアが、みんなの病気や障害と上手に付き合っていくきっかけになれば嬉しいです。


今回も最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。



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