こんにちは。株式会社シンシア・ハートで代表取締役をしている堀内猛志(takenoko1220)です。
新人の頃は伸びしろに溢れているので何をしても成長はするし、自身の中でも成長実感を得やすいものです。ただし、経験をすればするほど成長曲線はゆるやかになり、成長のための壁は高くなります。当然、成長実感を得ることも少なくなるのですが、これは誰にでも訪れる成長の踊り場です。
しかし、成長実感がないということで、今の業務に向き合うよりも、次の成長実感を得られる場を求めてすぐに転職をしたくなる若者が増えていると感じます。
今回はそんな若者の話です。
25歳女性(アユミ)のキャリア
アユミのキャリアのポイント
若い人が気にしている「成長実感」。これは非常に厄介なシロモノです。成長を求める人は昔も今も多いですが、最近では「成長」よりも「成長実感」を求める人が増えてきて、それが感じられないがゆえにアユミのようにすぱっと転職してしまいます。
「石の上にも3年」を経験し、次のステップでより高い視座とスキルの成長を手に入れた経験のある上司からすると、なぜこんなに簡単に辞めようとするのか理解できないし、アドバイスも「もう少し頑張れ!」くらいになります。
上司も新人の気持ちがわからないかもしれませんが、新人の方が上司の気持ちはわかりません。つまり、上司には、この視座の違いを理解したヒューマンマネジメントの能力が求められるのです。その第一歩が、「成長」と「成長実感」の違いを知ることであり、これは上司だけではなく新人も理解しておいた方がいいでしょう。今後のキャリアにとって大事なことです。
もっと言うと、成長とは何か、という本質にも向き合う必要があります。成長とは、育って成熟することです。言葉の意味はいたってシンプルですが、ここで大事なのはどこに向かって、どう育つのかという成長の方向性と方法が人によって違うことです。
個人は「成長したい!」と言います。そして会社は「うちは成長できる!」とアピールしてきます。しかし、「成長」という抽象的なビッグワードで片付けるために、ふたを開けるとミスマッチが起きるわけです。特にアユミのような体育会系人材は「ガムシャラに汗をかいて頑張っていたら成長しているはず」と盲目的に走ることを選ぶ人が多いです。しかし、盲目的に走った結果、袋小路にハマってしまいキャリア迷子になるのです。
体育会人材に限らず新卒入社で1社経験のまま20代後半、30代前半まで迎えている人は大体同じかもしれません。しかし、30代前半くらいまでなら袋小路から少しバックし、キャリアの全体像を俯瞰することができます。まだ後退することのリスクもとれるし、マーケットもそれを許してくれます。
ということで、次回は「成長と成長実感の違い」「成長の目的と方向性」「盲目的成長でキャリアに悩んだ人材のメタ認知方法」について解説していきます。
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