記事一覧
【お知らせ】noteお休みします
特になんてことはないのですが
エッセイと小説ごちゃまぜのこのアカウントも好きだけど、純粋にエッセイだけ溜めていきたいなぁ、と思いたち、もう1つアカウント作ります
しばらくはエッセイ書き溜めていきたいので、そちらで活動しようかなーと思います
それではまた、noteの海で会いましょう👋
【お知らせ】処女作『結び目』Kindleにて再販売開始
ごきげんよう。内池陽奈です。
サイト上のバグで購入が出来なくなっていた『結び目』が、URLを新しくし購入できるようになりました。
『結び目』は、私が大学の卒業制作を機に執筆した処女作です。
東京・御茶ノ水の地を舞台に、
人生の動機が見つからない浪人生・湊人、夢と現実のギャップにぶち当たる就活生・裕貴、パターン化された日常を消費していく老人・幸子、弟を亡くしたことを忘れられない店長・すず、人を
【試し読み】発売中『結び目』より湊人の一節
朝の授業前。机上に乗った成績表を見て、湊人は一人、絶句していた。
〈志望校判定〉と印刷された紙に書かれた値を見て、頭が痛くなっていくのを感じる。現役時代だった去年と何ら、成長していない。
努力をしなかったわけではない。勉強において、去年より理解が進んだ実感もある。なのにどうして、判定結果が伸びないのか。湊人はため息をつき、予備校の硬い椅子に深く沈み込んだ。
湊人は要領が良い方ではない
【エッセイ】自由を爪に宿して
大学生になった頃だろうか。
自分でお金を稼ぐようになって、ようやく自我が芽生えた気がする。
それまでは、自我が芽生えたふりの優等生だった。
「母や祖母の気に入る言葉」を「自分の意見」として発信して、かわいがられていたように思う。
今でもそれはあまり変わらない。それが私なりの気遣いの仕方だからだ。
でも、自分でお金を稼ぐようになって、メイクや服選び…ことにファッションに関しては自由にお金を使うように
【試し読み第1話】エラー:お探しの条件に合うお相手は見つかりませんでした
♦♦♦
〈“goen”にようこそ!〉
〈“goen”は国内最大級のマッチングアプリ〉
〈パートナー探しから友達作りまで!〉
〈出会いの幅、広げてみませんか?〉
〈“goen”をインストールしますか?〉
▼はい
キャンセル
【エッセイ】そうして出来上がったまずいチーズリゾットを食べながら
えらい早起きをすることがある。
今日もそうだった。日付を跨いだくらいに眠りに落ちて、午前3時にすっきりと目が覚めてしまった。
覚める──そういえば、小学生の時に赤川次郎の『夢から醒めた夢』を愛読してたから同訓異義語のテストで「夢からサメル」の答えを頑なに「醒める」にしてたな。正解は「覚める」なのに。イキってたな。
というか「覚醒剤」って「さめるさめる剤」ってこと?やべえ薬だなやっぱ。
いや、そ
【エッセイ】そうして私は、ホットペッパービューティーを開いた。
美容院で、髪を切ってもらうのが好きだ。
耳元で小気味よいリズムを奏でながら動くハサミ。シャンプーの時にゆっくりとされるマッサージ。徐々に頭が軽くなっていくあの感覚。すべてが、本当に気持ちいい。太陽のような美容師さんに照らされて、暗い私の内情を根掘り葉掘り聞かれるイベントは正直苦手だが、総合して「やっぱりお金を払った甲斐があったな」と思うくらいには髪を切られることが好きだ。
「髪の毛に血が通って