すみれ

SMの女王様。本や映画、植物のことと、日記と考え事置き場。

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記事一覧

映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』『ナイト・オン・ザ・プラネット』『ミステリー・トレイン』3本立て

夜中に『ナイト・オン・ザ・プラネット』観るのいいね〜と思い、ジム・ジャームッシュのオールナイト上映へ。 オールナイト上映は「今日は本気で映画観にきました」という…

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10日前
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映画『大いなる不在』

年初にユーロスペースで観た、塚本晋也監督の『ほかげ』で森山未來の演技が印象に残ったので他作品ではどうなんだろうと『大いなる不在』を観ました。 ⁡ 超ざっくり言うと…

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13日前

映画『ふたりの人魚』

目黒シネマのロウ・イエ特集で、前から気になっていた『ふたりの人魚』を観ました。 朝10時なのに映画館に行くまで暑い!上映中何がなんでも中座しない派なんですが、暑い…

すみれ
2週間前

映画『アメリカン・ユートピア』(強制スタンディング&ライティング上映)

新文芸坐でアメリカン・ユートピアの強制スタンディング&ライティングをやると聞いて超楽しそう!と思い行ってきました。本当だったら1本前のストップ・メイキング・セン…

すみれ
2週間前
2

読書『クソみたいな世界で抗うためのパンク的読書』

だいぶ前に確か新宿のIRREGULAR RHYTHM ASYLUMさんか高円寺のそぞろ書房さんのどちらかで購入した「パンク的な書物を通じてパンクを考える」がテーマのブックガイドZINE。 …

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3週間前

読書『村に火をつけ、白痴になれ』

著者である栗原康さんの本は岩波新書の『アナキズム』を読んだのですが、「岩波の赤版でこの文体の本出すんだ!?」と驚き、そこから伊藤野枝のことが気になって本書を手に…

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3週間前
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SM日記①君の泣き顔が見たい

泣き顔が見たくてたまらない、と思うようになったのはいつからだろう。 ⁡ 小学生のころは好きな男の子に足をひっかけて転ばせたり、服の両袖を結んで手が出ないようにして…

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3週間前

植物日記①

園芸店で植物を3つ購入。 ⁡ ①着生ラン(ディネマ・ポリブルボン) 初心者向け品種で強健なはずなのに以前枯らしたのでリベンジです。着生植物の根っこ見てると飽きなくて…

すみれ
3週間前
2

展覧会『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』

東京国立博物館へ『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』を観にいきました。 ⁡ ささやか、静か、密やか、といった言葉が似合う作品群に、自然光が降りそそぐ部屋がとて…

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3週間前
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映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』

もう上映終わりそうだし行くか、と『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』を観てきました。 ⁡ ドキュメンタリーと銘打ってはいるものの、キーファーの具体的な活動につ…

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4週間前

読書『インディーゲーム中毒者の幸福な孤独』&最近のゲームプレイ記

もともとゲームは見る専でしたが、ここ数年は読書>映画>ゲームという譲れない優先順位なりに時間を見つけてはちょこちょことゲームをプレイしています。音楽や本と同じよ…

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4週間前
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読書『ビボう六』

どうにもこうにも考え事が頭を離れないので、こういう時は考え事を加速させる人文書や仕事で読まなきゃならない本ではなく、違う世界に逃避できる物語を読むに限ると『ビボ…

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1か月前
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人の悪意

先日「おそらくこうだろう」と予想していて、嫌なのであまり考えないようにしていたことが当たったのですが、当たった結果「人に好かれるあの子がそんなこと言うかな、私の受…

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1か月前

東北の山の話

映画の上映まで微妙に時間を持て余し、ベルクでビールを1杯だけ飲んでたら、ますむらひろし先生の絵と文が貼ってありまじまじと眺めました。 ⁡ 特に文章のほうは、「東京に…

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1か月前
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『煙だらけ』

先日久方ぶりに大駱駝艦の舞踏『煙だらけ』を観てきました。創立50周年公演「おわり」「はじまり」以来。 ⁡ もくもくと色々な種類の煙がダイナミックに、静かに現れては消…

すみれ
1か月前
映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』『ナイト・オン・ザ・プラネット』『ミステリー・トレイン』3本立て

映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』『ナイト・オン・ザ・プラネット』『ミステリー・トレイン』3本立て

夜中に『ナイト・オン・ザ・プラネット』観るのいいね〜と思い、ジム・ジャームッシュのオールナイト上映へ。

オールナイト上映は「今日は本気で映画観にきました」という感じのマナー厳守なお客さんが大半なためか静かで、眠気とおしりの痛さを除けば快適です。気が向いたときにフラっと1人で行っています。

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』はいつ観てもイヴのお部屋が素敵ですね。ベッド周りやカーペット、

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映画『大いなる不在』

映画『大いなる不在』

年初にユーロスペースで観た、塚本晋也監督の『ほかげ』で森山未來の演技が印象に残ったので他作品ではどうなんだろうと『大いなる不在』を観ました。

超ざっくり言うと「何十年も顔を合わせていない父が認知症になり、久しぶりに会って徐々に父の人生を辿っていく」というあらすじ。

身近なテーマだからか、少し前に見た『関心領域』よりしんどさを感じ、観賞中ずっと胃が痛かったです。距離のある親子間の絶妙に張り詰

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映画『ふたりの人魚』

映画『ふたりの人魚』

目黒シネマのロウ・イエ特集で、前から気になっていた『ふたりの人魚』を観ました。

朝10時なのに映画館に行くまで暑い!上映中何がなんでも中座しない派なんですが、暑いからとたくさん水分をとると上映中尿意で膀胱がおしまいになるのでこの時期は勘弁してくれという感じです。一時期映画を観る前におもち食べておくと尿意を抑えられて良いと話題になりましたが、あれって本当なんですかね。


『ふたりの人魚』はジャ

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映画『アメリカン・ユートピア』(強制スタンディング&ライティング上映)

映画『アメリカン・ユートピア』(強制スタンディング&ライティング上映)

新文芸坐でアメリカン・ユートピアの強制スタンディング&ライティングをやると聞いて超楽しそう!と思い行ってきました。本当だったら1本前のストップ・メイキング・センスもスタンディング上映だったので2本合わせて行きたかったんだけど、用事があったので今回は見送り。


ロビーがデヴィッド・バーン&トーキング・ヘッズ祭りな状態になっていてテンション上がる!ポスターたくさん出してくれると嬉しいですよね。

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読書『クソみたいな世界で抗うためのパンク的読書』

読書『クソみたいな世界で抗うためのパンク的読書』

だいぶ前に確か新宿のIRREGULAR RHYTHM ASYLUMさんか高円寺のそぞろ書房さんのどちらかで購入した「パンク的な書物を通じてパンクを考える」がテーマのブックガイドZINE。

①「UNITY」…マジョリティに抗うために生み出した、仲間との繋がりや連帯を大事にするパンクスの価値観
②「DIY」…自分の頭で考え、自分でやる
③「ANTI RACISM」…差別反対
④「NO WAR」…戦

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読書『村に火をつけ、白痴になれ』

読書『村に火をつけ、白痴になれ』

著者である栗原康さんの本は岩波新書の『アナキズム』を読んだのですが、「岩波の赤版でこの文体の本出すんだ!?」と驚き、そこから伊藤野枝のことが気になって本書を手に取りました。

伊藤野枝はウーマンリブの元祖で大正時代のアナキスト。関東大震災の際に同じくアナキストである恋人の大杉栄とともに憲兵隊に虐殺された(俗に言う甘粕事件)思想家です。平塚らいてうから『青鞜』を受け継いだ人でもあります。

本が読み

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SM日記①君の泣き顔が見たい

SM日記①君の泣き顔が見たい

泣き顔が見たくてたまらない、と思うようになったのはいつからだろう。

小学生のころは好きな男の子に足をひっかけて転ばせたり、服の両袖を結んで手が出ないようにして頬を抓ったり、羽交い締めにしてくすぐったりと、ひどい悪戯をして遊んでいて(それでなぜか両思いだった)、思い返せばこのときには既にそんな想いを抱いていた気がする。

「男なんだから泣くな」と昨今口に出す人はそんなにいないものの、少なからず

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植物日記①

植物日記①

園芸店で植物を3つ購入。

①着生ラン(ディネマ・ポリブルボン)

初心者向け品種で強健なはずなのに以前枯らしたのでリベンジです。着生植物の根っこ見てると飽きなくて楽しいですね。花咲かせられるといいなと思いつつ、これで蘭にハマったらのめり込みそうで怖い。

②カラジウム(ヒロビューティー)

斑入りの葉に目がないので一目惚れしてしまいました。茎が細長くてひょろ〜んとしている。⁡

③ディフェン

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展覧会『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』

展覧会『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』

東京国立博物館へ『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』を観にいきました。

ささやか、静か、密やか、といった言葉が似合う作品群に、自然光が降りそそぐ部屋がとてもきれい。太陽の動きを感じながら、他の人がいないシンとした環境で1日これを眺めたらきっとすごく良いだろうなと思いました。東博、久しぶりに足を運んだけれど、あんなに美しい建物なのにいままで気付いていなかったよ。

蓮の花が開く時期だったの

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映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』

映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』

もう上映終わりそうだし行くか、と『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』を観てきました。

ドキュメンタリーと銘打ってはいるものの、キーファーの具体的な活動についてや作品解説はなく、多くは詩と哲学で構成されているので展示&アトリエ見学ツアーみたいでした。ヴェンダース好きだからと前知識なしで観るのはかなり厳しいかも!

もう1点、何年か前にゲルハルト・リヒター展が開催されたときに、アートや音楽が

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読書『インディーゲーム中毒者の幸福な孤独』&最近のゲームプレイ記

読書『インディーゲーム中毒者の幸福な孤独』&最近のゲームプレイ記

もともとゲームは見る専でしたが、ここ数年は読書>映画>ゲームという譲れない優先順位なりに時間を見つけてはちょこちょことゲームをプレイしています。音楽や本と同じように、ゲームもメジャーどころだけでなくインディー市場がアツいのを知ってからは、面白いソフトがごろごろ見つかって楽しい。

なにかそういうのまとめたZINEとか本はないのか、と探したときに見つけて読んだのが『インディーゲーム中毒者の幸福な孤

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読書『ビボう六』

読書『ビボう六』

どうにもこうにも考え事が頭を離れないので、こういう時は考え事を加速させる人文書や仕事で読まなきゃならない本ではなく、違う世界に逃避できる物語を読むに限ると『ビボう六』(著・佐藤ゆき乃)を読みました。

そこそこ前に西村ツチカさんのイラストに惹かれて購入したものの、なんとなく今読むタイミングじゃない、と積ん読していた一冊。今日の朝「今かも」と思って手に取り、短かったので3時間ほどで読み終えました。

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人の悪意

先日「おそらくこうだろう」と予想していて、嫌なのであまり考えないようにしていたことが当たったのですが、当たった結果「人に好かれるあの子がそんなこと言うかな、私の受け止め方に問題があるんだろう」と流していた、ちょっと前にある人から言われた発言が「あの時悪意を持って私にあの言葉をぶつけてきたんだな」とはっきりわかってしまい、けっこうつらい気持ちになることがありました。

嫌味を言われるくらいなら直接

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東北の山の話

東北の山の話

映画の上映まで微妙に時間を持て余し、ベルクでビールを1杯だけ飲んでたら、ますむらひろし先生の絵と文が貼ってありまじまじと眺めました。

特に文章のほうは、「東京に出てから東北の山特有の不思議な雰囲気に気付いた」という話をしていて、あ、私も同じだーと。 植物も獣もいて豊かではあるけれど、ほんの少しだけ寂しさを感じるあの空気は何なんでしょうね。

ふと思い出す10代の時。原発事故の影響で土や植物を

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『煙だらけ』

『煙だらけ』

先日久方ぶりに大駱駝艦の舞踏『煙だらけ』を観てきました。創立50周年公演「おわり」「はじまり」以来。

もくもくと色々な種類の煙がダイナミックに、静かに現れては消え、それを身体ひとつでいかに魅せるか。「分からないけれど面白い、惹かれる」と純粋に思えてよかったです。
舞踏をやっている人独特の脇や脛の横の細かな筋肉が発達した身体はいつ見てもうっとりするほどきれいですね。

以前田村一行さんのインタ

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