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読書『クソみたいな世界で抗うためのパンク的読書』

だいぶ前に確か新宿のIRREGULAR RHYTHM ASYLUMさんか高円寺のそぞろ書房さんのどちらかで購入した「パンク的な書物を通じてパンクを考える」がテーマのブックガイドZINE。

①「UNITY」…マジョリティに抗うために生み出した、仲間との繋がりや連帯を大事にするパンクスの価値観
②「DIY」…自分の頭で考え、自分でやる
③「ANTI RACISM」…差別反対
④「NO WAR」…戦争反対
⑤「NO FURURE」…よくわからん未来よりいまこの瞬間を生きる
⑥「REVOLUTION」…世界に合わせて自分を変えるのではなく、自分が変わることで世界を変える

という6つのキーワードで章立てされ、それぞれに合った本が紹介されています。(パンク好きな方はNO FURUREにニヤッとするんじゃないでしょうか)

ピックアップされている本がおそらく普段から人文系の書籍をマメにチェックしている人のそれで、「お!この人読書好きなんだな!」とわかる並び。

本の紹介文は決して気取らず、パンクスの価値観や在り方、バンドや曲にからめて話してくれているのでかなり読みやすいです。ちょっとだけエモやオルタナ、ハードコアパンクの話も出てきます。

紹介されている書籍で私も既読のものの中からおすすめを挙げるとしたら、『聖なるズー』『結婚の奴』『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』の3冊です。特に『聖なるズー』は、ふだん人の欲や性的な部分に触れる“女王様”という存在として生きる人間として忘れられない読書体験だったので興味がある方はぜひ。動物性愛がテーマですが、著者が言うように「変態」の一言で思考を終わらせない、真摯な内容です。

このブックガイド自体昔からのパンクの思想を大切にしつつ、今の時代に真摯に向き合っている印象をだいぶ受けたので、「曲のジャンルとしては好きだけど思想は興味ない」派の人より、「反体制、反権力、不服従。ノンポリのパンクなんてクソ喰らえ!」くらい考えてるの人のほうが楽しめそうな感じでした。(私もノンポリのパンクとかつまんね〜と思ってる派です。思想はだいじ。)

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