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【夢日記】謝恩会と淀んだ海水の臭い
ぼくは卒業制作として、短い動画を十本ほど創作し終えている。われながら、なかなか良い出来だと思う。どちらかと云えばモダンアートみたような仕上がりで、丁度、抽象画の画風はそのままに動画に仕立てたような作風である。兎に角、これまでにない会心の出来栄えであって味わったことのないほどの充実感を覚える。
そのとき、講師が教室に這入って来て、これから謝恩会(?)にみんなで出かけるのだと云う。講師によれば洒落た
【夢日記】仏像と料理コンテストと他人の顔
しんしんと雪が降っている。
周囲は色とりどりの着物姿の若い娘だの洋装した紳士だのでごった返しており、ぼくは雪を踏みしめて歩いている。新年を寿ぐ言葉も聞こえないことはないが、ぐるりの人びとはドウモ何かの催し物に向かっているようである。
群衆が鉄道の駅に向かっているのが段々と了解せられてくる。果たして、いつの間にかぼくの眼前には無闇大きな木造の駅が聳え立っている。ふと辺りを見ると、めかし込んだモダ
【夢日記】濁り水の底に沈むもの
部屋の床はざぶざぶと水に浸つてゐる。何処かで水でも漏れてゐるのかしらん。
僅かに滑る濁つた水にくるぶしの辺りまで浸しながら、僕は部屋のなかを歩きまはる。そもそも如何して自分が此処にゐるものやらとんと見当もつかぬ。
ともかく其処は奇妙な部屋である。
一面水浸しになつてゐて、彼方此方に小さな石像のやうなものが水面から覗いてゐる。
ー 違ふ。あれはただの像ではない。地蔵?確かに地蔵にも似てゐるや
【夢日記】滅びゆく図書館
其処は豪奢なる、天井の高い建物である。一階奥の閲覧室にはシャンデリアなぞが吊つてあつて、ひとが優に十人も十五人も並んで立つてゐることのできさうな眼前の広い階段には、赤い絨毯が敷かれてある。
都に位置する図書館では、既に鬼籍に這入つた沢山の作家だの、詩人だの、思想家だのと云つた連中の思考が、書架に累々とその軀をば陳列せられてゐる。
僕はかういふ思考の墓場を愛してやまぬ者の一人である。静かで、冷た
書けない、書けない、書く時間がない、なんて言ってないで、なにか書かないとな…。
一気に秋の夜風…。読書の夜。