「蟲愛ずる女」には彼女が描いた蚕の美しさを見ることができる。中勘助の「銀の匙」にも大人たちに捨てられた蚕に傘をさして涙する少年の姿があり、長年こんなことを思うのは自分だけなのかと口を閉ざしていた気持ちが救われた気がして、少年と一緒に声を上げて泣いた。人間が語る尊さの奥の狡猾さよ。
ヌクレオチド4原色による コドン64色(可識域)の組合せと 数多の不可識域の波長(時空濃淡)から われら蟲々の魂魄は成る。 マイクロバイオームを介し 相互に感応し合う際限なき作品群 色移りの絶えない立体絵画の博覧会 これでいいのだこれでいいのだ なんとよくできた個展[ars]