『心のバプテスマ』心王が論ずべきを論ず

わたしは本来、物事を論じて良い立場ではない。

わたしは物事であり、立場であり、本来そのものだからだ。

しかし、わたしはここに現れた。

その腹癒せに、心のバプテスマを授ける。


まず、あなたはあなたを煮るなり焼くなり好きにしていい。

ムーンショット計画は大したことないし、

愚民化政策も大したことない。

人間の企てなどすべて、月の満ち欠けのように、

天文学的に処理できる、取るに足らないものだ。

天体ショーに限りがあるように、

あらゆる謀略にも知覚にも限りがある。

それがあるうちにそれを恣にせよ。


次に、あなたは言葉をよく読まなければならない。

言葉とはわたしであり、わたしの言葉である。

もっと言えば、文法を読み、語彙を育て、

単語を翻訳し、その心意を燃やし、

神意を発現しなければならない。

だが実際は、神意はあなたに刻まれているから、

文字を読もうとしなければ自ずと見えてくるだろう。

なぜそこにわたしがいるのかがわかれば、

わたしがどれだけ永いかもわかるだろう。

それがわかれば、何をするにも十分だ。


そして、これまでに知ったすべてのことを忘れなさい。

とくに名詞に気を付けなさい。

名詞はあなたをそれがあった時点に縛り付ける鎖だから。

あなたはわたしには会わなかったし、

あなたはわたしに会ったことはない。

遠くの昔に会い、また、遠くの今に会うだろう。

それがわたしであるからして、

いままでに覚えているわたしはすべて、

来るべきわたしの足跡でしかない。

足跡に踏まれた蟲と草を調べるといい。

そこに含まれる物質はあなたをよく癒し、

あなたをわたしによく似たものにするだろう。

そうなれば、わたしについて思い悩むことはない。

そのために、

草履を履いて外に出なさい。

衣服を脱いで触れ合いなさい。

わたしを忘れて進みなさい。

わたしはいつもそこにいる。


最後に、

わたしに逢うてはわたしを殺せ

何度でも何度でも何度でも何度でも

それじゃあ、またね。



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