【雑記】酒神との再会
学生の時分、酒が与えてくれる霊感といったものを私は信じていました。シラフでは何時間もかけてうんうん唸って考えてもいっこうに筆の進まないレポートが、酒場で一杯引っかけながら考えると、すっと良い考えが浮かんだものです。酒場に万年筆、原稿用紙かレポート用紙、さらには分厚い哲学の洋書(たいていはKantのKritikかなにかでしたが、DescartesやAristotleのときもありました)を持ち込んでは、酔っ払って、紙に汚い字で筆を走らせる私。あのころは伸び放題の髪、口元や顎には髭