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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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2022年9月の記事一覧

かうかう・しんしんって何だろう?

かうかう・しんしんって何だろう?

横浜の濃き街の色思ふときかうかうとして熱きくちびる

これは20代半ば、当時、横浜にいたカミさんと付き合っていた頃の歌がメモに残っていたので引っ張り出してみました。
「熱きくちびる」としか言っていないのですが、ちょっと恋のにおいが感じられたりする?でしょうか。あまり深入りしたくないですが、そんな時代もあったなあ、みたいなことを思ってみたりします。

自分で使っておきながら「かうかう」って何だろう?

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秋ですね

秋ですね

柿の木に柿の実がなり秋来る

ばかみたいに単純な句ですが、先週の台風で延期された試合がこの三日間で行われ、何とか終わりホッとした~という感じで呟いてみました。

夕方、一時間くらい陽があったので、慌てて家の周りの「秋」を集めてみました。noteも自転車操業です。

蕎麦の花 シルバーウィーク終はりけり

栗むいてやっとこさっとこ栗ご飯

猫の見る秋の田んぼの稲孫かな

一瞬何だかわからないけど う

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定時制野球部物語:Re

定時制野球部物語:Re

日本人は野球が好きで、野球には格段の思い入れがあるようである。高校でも、今でこそその勢いはサッカーに押されつつあるが、野球部と言えば、夏の甲子園が全国放送されたり、地区予選には全校生徒を駆り出して応援に出かけたりと、非常に特別で「聖的」な匂いのする部活である。

野球部員と言えば、坊主頭に一年中真っ黒な顔をした、見るからにスポーツマンをイメージするし、その監督と言えば、やはり生徒からも一目置かれる

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つらいとき

つらいとき

僕は教員になってもう40年が過ぎました。初任から16年間は普通高校、いわゆる進学校に勤務していました。ただ自分でもよくわからないのですが、年を追うごとに「これが本当に僕のやりたいことだったのか」という疑問が強くなり、そこから10年間「放浪」してみました。

生活のために教師という身分を保っての異動なので「放浪」などと言うのはおこがましいのですが、それでも違う世界を見てみたいという思いに駆られて、特

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タクシードライバー

タクシードライバー

人の情けが身にしみるということがある。

例えば、こんなことがあった。

清水に住んでいた時分、後に妻となる今のカミさんと東京で会うこともしばしばあったが、それなりに時を過ごすと当然帰りはそれなりに遅くなり、東京駅を11:30頃に出る大垣行きの最終電車をよく利用することとなった。

この電車を利用し、愛着をもって回想する人は多いかもしれない。懐かしいと言えば懐かしいが、常に混んでいて座れたためしは

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第5話:テニス

第5話:テニス

今年は久しぶりに夏合宿を行った。コロナで2年間は合宿も禁止、一昨年はインターハイも出来ず、昨年の夏は大会も練習も制限され、教員としては「楽」だったのですが、生徒は不完全燃焼だった。今年も危険かと思いつつ、でもやる時にやらねばいつできるかわからないと思い決行した。

合宿したところでテニスが格段にうまくなるわけでもない。「関係」が作れればそれでいいと考えている。初日の夜はみんなでカレーを作り、最終日

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乾燥肌

乾燥肌

夏休みが終わり、今、テストの採点をしている。夏休み明けの課題確認テストである。生徒をいかに休みの間に遊ばせないか、あれやこれや算段するのは教員の「哀しい性」であると言えよう。

生徒は大変である。せっかくの夏休みだというのに膨大な課題を出され(過大な課題と言えばおしゃれである)、夏休みが終わったという感傷に浸る間もなくテストが待ち受けている。

ただし大変なのは生徒だけではない。テストするためには

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