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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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2021年2月の記事一覧

卒業生へのメッセージ

卒業生へのメッセージ

卒業おめでとう

副担任がしゃしゃり出る幕でもありませんが、担任が言いそうにないことを、ひと言。
この一年、担任の先生はなかなか大変でした。3年の担任というのは実はとても大変なのです。物理的にも気が狂うほど大量の仕事があるし、君らの一生にかかわる精神的にもきつい仕事です。言うことをきかん奴もいますね。

先生はそんな気配を感じさせなかったかと思いますが、あらゆるデータをかき集めて君たちの可能性を考

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カメはウサギを起こすべきだったか?

カメはウサギを起こすべきだったか?

ノアの箱舟・・国公立入試の二次試験では面接、小論文を課す大学も多いが、医学部や看護学部、教育系の学部ではかなりの大学が面接を課し、それもただ通り一遍の面接ではなく、入試結果からみると、その人となりを相当見ているなあという感がある。学力だけではなく、人間性も求められる職業に直結する学部だからだろう。
個別指導ではそうした面接への対策も求められるが、中にはユニークな内容の面接もあって、例えばこんなプレ

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第31話:被害者が加害者であること

第31話:被害者が加害者であること

■海のトリトン

その昔、「海のトリトン」というテレビアニメがあり、トリトンという少年がイルカのルカと共に平和を脅かすポセイドン族に挑み、これをやっつけるという話だった。
「イルカに乗った少年」という歌もあったが、イルカに乗って海を自在に駆け巡る少年という設定の特異さ、ポセイドンの送り出すヘンな怪物、ほのぼのとした主題歌などに惹かれて、小学生だった僕はこれを楽しみに見ていたものであった。

今思え

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働くということ

働くということ

働くとは「傍」を「楽」にすることだ。
このフレーズをもって「働く」ということがよく説明されます。
これは語源的には全く意味のない単なる語呂合わせなのですが、にもかかわらず、「働く」ということがこんなふうに説明されることは、逆説的に、実際の「労働」が、そこから遠いところにあることの、ひとつの証明なのかもしれません。

僕は間もなく定年を迎えようとしている教員です。
初任から16年間はいわゆる進学校に

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語呂合わせ

語呂合わせ

今に始まったことではないが、記憶が怪しい。古いことは勿論だが、新しいことはほとんど入らない。さらに瞬間的に覚えること自体の力も衰退して来て、何かをしようと思って立ち上がると、もう何をしようとしたかの記憶がない。
Yahooにログインするのに、パスワードから確認コードがSMSに送られてくる形にしたのだが、スマホに送られてくる6桁の数字を確認して、パソコンのログイン画面に目を移すと、もうわからない。

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第6話:あと10円が「ない」

第6話:あと10円が「ない」

学生時代、やけに金のない時があった。と言って、それが金のある時があったということを意味しているわけではなく、だいだいはいつでもピーピーしていた。

ざっと当時の生活を振り返ってみると、下宿代が1万6千円、光熱費と何やかんやで大体2万5千円の支出。食費、雑費が1日1000円として1カ月で3万円。それだけで収まり切れない分を5千円として加えると、全体の合計が6万円ということになる。当時の仕送りが6万円

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ハナゲによる世界の可視化

ハナゲによる世界の可視化

ハナゲという痛さの単位

以前、車に乗りながらラジオを聞いていると、痛さの単位にハナゲを使ってはどうかというリスナーからのメールがあって、何だかそれで盛り上がっていた。
しばらく前のことで具体的には何も覚えていない。いま、全くの想像でその話を補ってみると、ハナゲを一本抜く痛さを「1ハナゲ」とし、例えば、つねられた痛みは3ハナゲ、殴られたのは20ハナゲ、スネを何かの角にぶつけて55ハナゲといった具合

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ウルトラマンとソープ通いのおじいさん

ウルトラマンとソープ通いのおじいさん

3分間という時間は短いようで長く、また長いようでいて短い。

真剣になればかなりのことが出来そうな気もするが、改めて何かしようとするのにはまた、あまりに短い中途半端な時間でしかない。
「地球が滅亡するまであと3分だとしたらあなたは何をして過ごすか」・・小学校の卒業文集なんかにはよくそんな問が全員の答とともに載せられたりしているが、あなたならどうするだろうか。ちなみにカミさんに聞いてみたところ、彼女

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シビビイビイとピーピー豆(方言)

シビビイビイとピーピー豆(方言)

■ そうだら・・東京に出て、初めて自分が方言を喋っていることを知った。

大学に入った4月早々、友達と話をしている時、何の気なしに「そうだら」と言ったら、友達がケラケラと笑い出し、「何だ、お前、その『そうだら』っていうのは」と言い、「『だら』だって」と更に笑いこけ、会う奴、会う奴に、「おい、あのさあ」と言いまわり、人をさんざん侮辱し、僕の尊厳を傷つけた。

この『だら』ということば(助動詞?)は、

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男女平等について思うあれこれ

男女平等について思うあれこれ

最近セブンイレブンのトイレについて考える。

朝は勤務時間に間に合わせなくてはいけないのでそれなりに気ぜわしいものだが、セブンイレブンのトイレに立ち寄ると、大概の店でトイレは二つあるトイレが、「男女兼用」と「女性専用」に分けられていて、「男女兼用」が空いていないと、男である僕は「女性専用」を使うわけにはいかない。

すぐに空けば別に何とも思わないのだが、時間のかかる人もいる。5分待っても出てこない

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