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建築家とは

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2021年4月の記事一覧

【architect】安藤忠雄

【architect】安藤忠雄

今月号の『Casa BRUTUS』は建築家安藤忠雄特集

『安藤忠雄×人生 人生100年時代をどう生きるか。』というテーマで綴られている

79歳の安藤忠雄氏。数年前に癌を患い内臓を5つも摘出している。

しかし、近年もさらにパワーアップしているかの如く作品を発表している。

大学時代建築を学び始めた当時から安藤忠雄さんの著書を読み漁り、建築を見て回ってきた。

いつも悩んだときは安藤忠雄さんのエ

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【architecture】天井高さ

【architecture】天井高さ

某ハウスメーカーのCMで俳優の竹野内豊さんが、天井の高い家を建てたものがあった
実は竹野内さんは天井が低くて狭いところが大好きなのを隠しているのが、面白おかしく描かれている

パロディとして描くのはとても面白いと思うが、このCMを見て
『天井は高い方が良い』
と考えてしまうのは安易である

よく住宅の打ち合わせをしていて天井高を高くしたいと言われることがある
部屋の面積をあまりとれないときなど、せ

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【architect】窓

【architect】窓

建築にとって窓は大事な要素である
今回は窓について思うことをまとめてみたいと思う

といっても、掃き出し窓や滑り出し窓、はめ殺し窓といった窓の種類の使い分けや

窓ガラスの種類や断熱性能について熱く語るつもりはない

多くの日本の住宅において木造住宅の場合、既製品のサッシが使われる
最近は樹脂とアルミのハイブリットの枠のものや樹脂製の高断熱仕様のものもある

今回は鉄骨造やRC造は置いておいて、木

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【architect】建築家とは…沈下橋から学ぶ

【architect】建築家とは…沈下橋から学ぶ

建築においてカタチのもつ周囲への影響は大きい
奇抜とか巨大とかそういうことではない
小さくても明快なカタチが人々に訴えかけるものは大きい

建築は出来上がる前にそのカタチを原寸大で見ることは出来ないので、建築家はスケッチや模型で出来上がるだろうカタチを可能な限りスタディする

ときに力強いメッセージ性を秘めた建築は、カタチだけで全てが語れてしまう
だからカタチを表現するためには模型によるスタディが

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【architect】閉じる建築、開く建築

【architect】閉じる建築、開く建築

建築家安藤忠雄氏の実質的デビュー作は『住吉の長屋』である

安藤氏と同い年の建築家伊東豊雄氏の実質的デビュー作は『中野本町の家』である

どちらもコンクリートの無機質な壁で外部に堅く閉じた牢屋のような建築だ

内部に設けられた余白(中庭)から眺める空は誰にも邪魔をされない自分だけの空と言える

この2つの建築は現在でも語り継がれる傑作である
時代は高度経済成長期にあり、無秩序に自然が壊され均一な建

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【architect】建築家とは…山崎亮に学ぶ

【architect】建築家とは…山崎亮に学ぶ

建築をつくらない建築家がいる

山崎亮氏がテレビの情熱大陸で取り上げられたのが10年前である
コミュニティデザインを通して、まちづくり、地域資源の開拓などを行なっている建築家だ

コミュニティデザインは地域の人々が集まって『ワークショップ』を開くことからはじまる

まずは地域の人々が抱えている課題やその地域にある資源を発見することからはじめる
その結果をまとめて、実際に行動指針やプロジェクトとして

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【architect】建築家とは…ウィトルウィウスに学ぶ

大学に入って初めて教えられたのは古代ローマの建築家ウィトルウィウスの著書『建築について』の中で記されている建築に求められるのは”用・強・美”であるという言葉である

つまり「よい建築は、堅固さ、快適さ、快という3つの条件によって成り立つ」ということを説いており、これを満たす建築をつくる職能が建築家の役割ということになる

大学ではまず建築家とはなんぞや?というところから入る
これは大事なところなの

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【architect】建築家とは…

【architect】建築家とは…

ときに建築家は『先生』と呼ばれることがある

建築設計を始めた頃、当時のボスとクライアントであるお医者さん、弁護士さんが打ち合わせをしているのを聞いていると、みんなお互いを先生と呼び合っていた

なんだか傍から聞いていて気持ち悪いものを感じた

そもそも建築家は先生でもないし偉くもない
同じことは医者や政治家にも言えるのではないだろうか

僕自身は先生とあえて呼ぶのは、どこか内心
『どーせ、あんた

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【architect】建築家とは…写真家鈴木久雄に学ぶ

【architect】建築家とは…写真家鈴木久雄に学ぶ

InstagramやPinterestによって、建築の写真を業界外の一般の方が目にすることも増えた

今までは設計事務所などは作品として建築を写真に収めてきたが、最近ではInstagramにアップするためにプロのカメラマンに写真を撮ってもらう工務店やハウスメーカーも増えている

さてあまり詳しくない業界ではあるが、写真家の世界には医者のように内科や外科、歯科医、整形外科、眼科と分野があるように、得

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【architect】建築家とは…環境設計に学ぶ

【architect】建築家とは…環境設計に学ぶ

建築設計には、一般的に
『意匠設計』
『構造設計』
『設備設計』
という大きく分けて3つの設計者がいる

公共建築物や大規模建築物、高層建築物などは技術の進歩、特に構造解析技術の進歩でかなり奇抜なデザインが可能になった

それゆえ、昔から意匠設計者は初期の段階から構造設計者とタッグを組み、自分の理想とする形を実現するべく共同作業を進めてきた

一方設備設計者はというと意匠設計者と構造設計者が大きな

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