記事一覧

とりとめのないこと

_______僕は猛烈に20歳だった。 楽しかった4月はあっという間に過ぎ去り、気がつけば5月も終わりを迎えようとしている。思い返せば、慌しく、捲し立てるような4月の喧騒は…

風
4週間前
21

わからない

今は暗闇で一寸先の光も見えない。何も見えない。いずれ色が、景色が変わる世界の夜明けは来るのだろうか。苦しみを、痛みを抱え、もがいて、見えない何かと戦って、魂を擦…

風
3か月前
19

世界の秘密

____子供の頃の話をしよう。地球が丸いだなんてのは大人が子供たちを丸め込むために作った虚構に違いない。世界を平面的に捉えていたあの頃の僕は、この青い惑星の果て…

風
4か月前
25

孤独な魂

分かり合えると思ってたアイツも結局、ただの他人でしかなかった。期待して近づいたアイツは、思っていたような人間ではなかった。また、だ。他人に勝手に期待して、勝手に…

風
4か月前
23

旅情に誘われて

ようやく冷たい空気がツンと鼻先を刺す季節になってきた。冬の澄み切った空は故郷に通ずるものがある。 大学2年生ももう時期終わろうとしている。大学生活という人生のモ…

風
5か月前
23

諦め

昔、誰かが言った「諦めることって実は物凄いエネルギーを使うんだ」って言葉が妙に頭に残ってる。惜しいことに誰が言ったかがまるっきり思い出せない。 たしかにそうだな…

風
5か月前
19

小山田壮平の思想を読む

 andymoriの1stアルバムに「モンゴロイドブルース」というタイトルの曲がある。なかなか過激なタイトルの曲だ。(笑)  僕自身この曲はそこまで好きではない、というか…

風
5か月前
51

音楽と空

2014年に解散したロックバンドandymoriのボーカル、小山田壮平はその曲の歌詞の中で空について触れる節がある___ 例えば1stアルバムに収録された「青い空」という曲の中で…

風
5か月前
25

美しいもの

世界はたくさんの美しいもので溢れている。ただ、それらを美しいと思うか、否かの評価基準はそれぞれの自己に内在しているから、僕が美しいと思ったあれこれは、隣にいる友…

風
5か月前
72
とりとめのないこと

とりとめのないこと

_______僕は猛烈に20歳だった。

楽しかった4月はあっという間に過ぎ去り、気がつけば5月も終わりを迎えようとしている。思い返せば、慌しく、捲し立てるような4月の喧騒は、桜のように舞い散って行ってしまった。今となっては、生前に志村正彦が顔を歪ませながら何度も「桜のように舞い散ってしまうのならばやるせない」と唱えていた意味が分からなくもない。あれだけ来ることを拒んだ春を、過ぎ去ってしまえば名残

もっとみる
わからない

わからない

今は暗闇で一寸先の光も見えない。何も見えない。いずれ色が、景色が変わる世界の夜明けは来るのだろうか。苦しみを、痛みを抱え、もがいて、見えない何かと戦って、魂を擦り減らして、この祈りが誰かに届く日はあるのだろうか。いつの日か救いは訪れるのでしょうか。

世界の秘密

世界の秘密

____子供の頃の話をしよう。地球が丸いだなんてのは大人が子供たちを丸め込むために作った虚構に違いない。世界を平面的に捉えていたあの頃の僕は、この青い惑星の果てには、大きな崖と滝があり、その向こうに広大な宇宙が広がっていると考えていた。かつてガリレオを否定した人間達と同じことを考えていたのである。無論、この考えは後にかくもあっさりと否定されてしまうのだが。

博識な祖父が話す、遠く海の向こうの外国

もっとみる
孤独な魂

孤独な魂

分かり合えると思ってたアイツも結局、ただの他人でしかなかった。期待して近づいたアイツは、思っていたような人間ではなかった。また、だ。他人に勝手に期待して、勝手に失望する。これで何度目なのだろう。

似た精神を持つ魂はあるのかもしれないが、同じ魂は一つとしてこの世には存在しない。気の合うように思える仲間も、会うといつも話が弾む彼も、精神的に近しい部分で、偶然許容の範囲内の妥協点を見つけることが出来た

もっとみる
旅情に誘われて

旅情に誘われて

ようやく冷たい空気がツンと鼻先を刺す季節になってきた。冬の澄み切った空は故郷に通ずるものがある。

大学2年生ももう時期終わろうとしている。大学生活という人生のモラトリアム期も既に終焉が迫ってきている。ここからは常識の範疇を出ないレールに載せられるがままに人生が通過していくのだろうか?そんなことを考えるといくばくかの寂寥の感が押し寄せてくる。

最近、とある目標を立てた。今年の春休みか夏休みを使っ

もっとみる

諦め

昔、誰かが言った「諦めることって実は物凄いエネルギーを使うんだ」って言葉が妙に頭に残ってる。惜しいことに誰が言ったかがまるっきり思い出せない。

たしかにそうだな、と思う。これまで続けてきたこと、積み上げてきたものを手話すことは容易ではない。それまで、長い間血の滲むような思いをして積み上げてきたことを手離すことには、実は凄まじいエネルギーを要する。単に言えば、放棄するということだから。知識も恋愛も

もっとみる
小山田壮平の思想を読む

小山田壮平の思想を読む

 andymoriの1stアルバムに「モンゴロイドブルース」というタイトルの曲がある。なかなか過激なタイトルの曲だ。(笑)

 僕自身この曲はそこまで好きではない、というかそこまで思い入れのある曲ではない。が、最近小山田壮平の思想に関して興味があり、比較的本人の思想的な部分が多く盛り込まれた1stアルバムと2ndアルバムの曲を中心に歌詞に注目しながら聴き直すことにした。曲を聴くのに作者の思想まで掘

もっとみる
音楽と空

音楽と空

2014年に解散したロックバンドandymoriのボーカル、小山田壮平はその曲の歌詞の中で空について触れる節がある___

例えば1stアルバムに収録された「青い空」という曲の中では

青い空をいつか僕らは忘れるよ___

と歌ってみたり、

同じく1stアルバムの「Life is party」の中では

あの日の空は言うさ
いつの日か悲しみは消えるよって___

と、歌ってみれば

代表曲「16

もっとみる
美しいもの

美しいもの

世界はたくさんの美しいもので溢れている。ただ、それらを美しいと思うか、否かの評価基準はそれぞれの自己に内在しているから、僕が美しいと思ったあれこれは、隣にいる友人、遠く故郷にいる家族、画面の中にいる名前も知らない人々、引いては遠く海の向こうにいる肌の色が違う人間たちの中の美しいに当たるとは限らない。

例えば、詩人・谷川俊太郎は代表作「生きる」の中で

生きているということ
いま生きているというこ

もっとみる