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午前休をとって、ワクワクさんに会いに
会社には「私用のため午前休を頂きます」と伝えておいた。この場合の私用とは、ワクワクさんに会いにいくことだ。私用とは便利な言葉である。
行く予定もない土地に建つ建物の3Dモデルを立ち上げるのもちょっと飽きてきたので、とてもよい気分展開になりそうだと思った。
壇上にはワクワクさんがいて、その手前には子どもたちがきちんと列をつくって座っている。家では落ち着きのないうちの息子もいて、集団生活をちゃんとや
窓から入り込んだ、まっくろくろすけ
夫に先立たれたある女性は、その家で亡くなった夫に話しかけながら生活を送っていた。その場にいないはずの夫ではあるけれど、彼女のなかに、あるいは、その家のなかに夫はいて、夫に話しかけることが彼女にとって癒しになっていた。
やがて、彼女の元にも病が訪れ、彼女は家から離れた病院に入院することになった。入院してしばらくして、彼女はこう言った。「病院には夫は付いてきてくれなかった」
たしかこんな話しだった。
中谷美紀と、綺麗な言葉で溢れる世界について_2021.12.18
テレビに映る彼女はただの綺麗な女性で、僕にとってはそれだけだ。それにテレビに映る女性は大抵が綺麗だし、美人というのは顔の均整がとれている、つまり特徴が少ないということだから、それもあって彼女はさらに印象を残さず、ただ僕の脳裏を通り過ぎていく。
だけれど、テレビに映る彼女には、テレビが排除したはずの何か翳りみたいなものがほんの少しその表情のなかに沈んでいた気がして、それがぼくにとっては少しばかりの
異様なほど普通にサラリーマンがいるのだ_2021.12.16
家の中はまだ薄暗く、家族の誰もまだ起きていない。
少し前に、iPhoneのアラームが自分のリズムとはまったく無関係に僕を起こして、それによる調子の悪さが身体に広がっている。『自動起床装置』を読んだ時に感じた後味の悪さが蘇る。
まだ眠りが抜けきっていない身体で、よろよろと起き上がると、窓の外が濃い藍色からオレンジ色へのグラデーションになっているのに気付いてしばらく見とれるけれど、美しさよりも、身
服を着替えるように、転職したらいい
瑞々しい気持ちで、
口数もすこし多くなって、
聴き慣れた音楽も、少し違って聴こえたり、
早くこれを着てどこかいきたいな、
とか、そんなことを思ったり、
そんな、新しい服を買った日の帰路が好きだ。
だけれど、その服を着て少しのあいだ過ごしてみると、不思議としっくりこない感じがしてくる。そんなことが儘ある。
鏡の前にもう一度立って、
からだの角度を変えて、
ひと通りクローゼットの服と合わせてみて
ZORNを聴いて思うこと/2020.12
12月は、慌ただしさのなかで日々がいつのまにか過ぎていき、気が付いたらなんとも言えない余韻を残して、無理やり年が終わっていく。毎年そんな感じがする。
発せられることのない声転職して2ヶ月程経った。
この辺になってくると、同僚たちの個性とその裏側のストーリーも少しずつみえてくる。
僕たち設計者の仕事は地味だ。あくまで建物を設計するものとして存在しているので、スター建築家でもなければ、僕らの個性とい