ケン・コダマ(映画監督)

ワイルドサイドを歩く映画監督です。 映画感想や、お仕事奮闘記をゆるゆるでお届けします。…

ケン・コダマ(映画監督)

ワイルドサイドを歩く映画監督です。 映画感想や、お仕事奮闘記をゆるゆるでお届けします。 ′20にドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』が全国主要都市で公開される。映画以外に自治体PR、コピーライティング、イラストなどの分野でも活動中。宮崎県出身。

記事一覧

【映画感想】『マッシブ・タレント』 なんでか愛しちゃう、馬面のヒーロー

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【映画感想】その漢、スティーブン・セガール

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【映画感想・解説】『殺人の追憶』の追憶

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【映画感想/ドラマ感想】『一流シェフのファミリーレストラン』好きなものは最後に食べる派

Hulu/Disney+  ジェレミー・アレン・ホワイト主演 Hulu、Disney+、この並びで期待半分不安半分だったのだが。 僕の人生の中でも間違いなくトップ3に入る、最高のドラマで…

『五芒星の侍』第3話

第3話『真打』1五行町・船着き場へ向かう通り・長屋前(夕)       ブツブツと言いながら伊三が歩いてくる。 伊 三「でもやっぱ気味悪いよなあ。やめよっかな」  …

『五芒星の侍』 第2話

第2話『蠢動』1十蔵の屋敷・漣の部屋(朝) 漣は『初代市川男女蔵奴一平』の浮世絵手札を見つめている。   「あれは一体なんだったんだ?」 漣  「おい、市川男女…

『五芒星の侍』第1話

あらすじ時は幕末。 江戸に暮らす漣は泣き虫のいじめられっ子。双子の妹うたは、漣とは真逆のじゃじゃ馬で、いつも漣を守ってくれる。ある日、漣は不思議な力を持つ浮世絵…

自己紹介|はじめてのnote

■アイム ケン・コダマ 映画監督のケン・コダマ(小玉憲一)です。 2020年に、師匠である東陽一監督のドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』で商…

【映画感想】『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ひたすら楽しむワチャゴナドゥ

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【映画感想】『マッシブ・タレント』 なんでか愛しちゃう、馬面のヒーロー

【映画感想】『マッシブ・タレント』 なんでか愛しちゃう、馬面のヒーロー

『マッシブ・タレント』

ニコラス・ケイジニキの新作。楽しみにしておりました。

落ちぶれたという設定のニコラス・ケイジが役を得るために東奔西走、上を下への大騒ぎなアクションコメディ。ニコラス・ケイジが本人役で落ちぶれたニコラス・ケイジを演じる、なんてもう僕の大好物じゃない、ということなんですね。

結果として、笑えるB級映画に仕上がっていました。特に語るべきことも、考察すべきことも見当たりません

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【映画感想】その漢、スティーブン・セガール

【映画感想】その漢、スティーブン・セガール

よく聞かれるのが「1番好きな映画は何ですか?」という質問ですが、1番好きってのはなかなか困るんです。そのうえ、聞いておきながら、「なんか難しいの好きそうですよね?」なんて言われちゃうわけです。そんなことないんですよ。小難しいのも好きですが、1番好きな映画はゴダールですとか、キューブリックですとか、タルコフスキーですとか、そういう鼻につくことは言いません(好きな人すみません笑)

ということで、もち

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【映画感想・解説】『殺人の追憶』の追憶

【映画感想・解説】『殺人の追憶』の追憶

「映画の価値は開始10分で決まる」という言葉をご存知だろうか? 映画好きなら『アバン』という言い方も聞いたことがあるでしょう。メインタイトル前、その開始10分くらいの間に何を見せることが出来るか、監督も脚本家もそこにかなりの力を使うわけです。使わないなんて監督、脚本家がいたら、そんな人たちの作品は観ないことをオススメします笑。

さて、そんな最高のアバンを持つ映画。例えば『パルプ・フィクション』の

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【映画感想/ドラマ感想】『一流シェフのファミリーレストラン』好きなものは最後に食べる派

【映画感想/ドラマ感想】『一流シェフのファミリーレストラン』好きなものは最後に食べる派

Hulu/Disney+ 
ジェレミー・アレン・ホワイト主演

Hulu、Disney+、この並びで期待半分不安半分だったのだが。
僕の人生の中でも間違いなくトップ3に入る、最高のドラマである。
今後これを超えるものをドラマ、映画で観ることがあるだろうかと、歓喜に震えた。

世界的に有名なレストランの若きシェフであるカーミーが、故郷のシカゴに戻り、自殺した兄マイケルの経営していたサンドイッチ店を継

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『五芒星の侍』第3話

『五芒星の侍』第3話

第3話『真打』1五行町・船着き場へ向かう通り・長屋前(夕)
     
ブツブツと言いながら伊三が歩いてくる。

伊 三「でもやっぱ気味悪いよなあ。やめよっかな」
     
そこへ、ひとりの町人が声をかけてくる。

町 人「お、榊原先生、その節はどうも」
伊 三「おお、お父さんの具合はどうだい?」
町 人「すっかり良くなりやした。先生どちらへ?」
伊 三「なに散歩がてら船着き場の方にね」
町 人

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『五芒星の侍』 第2話

『五芒星の侍』 第2話

第2話『蠢動』1十蔵の屋敷・漣の部屋(朝)

漣は『初代市川男女蔵奴一平』の浮世絵手札を見つめている。  
「あれは一体なんだったんだ?」

漣  「おい、市川男女蔵。なんとか言え」
     
手札の中の男女蔵はピクリとも動かない。
そこへ、十蔵の声がする。

十蔵の声「漣、飯だ!」
     
漣は懐に手札をしまう。
部屋の隅には四浪の位牌と、うたの荷物が置かれている。
漣はそれを見つめる。

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『五芒星の侍』第1話

『五芒星の侍』第1話


あらすじ時は幕末。
江戸に暮らす漣は泣き虫のいじめられっ子。双子の妹うたは、漣とは真逆のじゃじゃ馬で、いつも漣を守ってくれる。ある日、漣は不思議な力を持つ浮世絵手札、写楽の『初代市川男女蔵奴一平』を手に入れる。突如現れた妖魔を、手札から飛び出した初代市川男女蔵奴一平と退治するが、父は妖魔に殺され、うたは妖魔の世界にさらわれてしまう。

妖魔を操るのは開国派の幕臣、勝麟太郎一派。外国から日本を守る

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自己紹介|はじめてのnote

自己紹介|はじめてのnote

■アイム ケン・コダマ
映画監督のケン・コダマ(小玉憲一)です。
2020年に、師匠である東陽一監督のドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』で商業デビューしました。
生業は、映画、CM、テレビ、脚本、コピーライティングなどになります。自治体のPR動画なども多く手がけ、いくつかの賞などもいただいています。企画を1から作る、ゼロイチのスタートアップを得意としています。
要は何でも

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【映画感想】『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ひたすら楽しむワチャゴナドゥ

【映画感想】『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ひたすら楽しむワチャゴナドゥ

誰に何を言われようと、大好きなシリーズ『BAD BOYS』。
ポリスバディものなんて、もうその時点で面白いわけですが、バディの相性ということだけで言えば、もうダントツにこの『BAD BOYS』のマイク・ラーリとマーカス・バーネットなのだ。
会話の軽妙さ、かっこよさ、やはり群を抜いている。
(他にも、『リーサル・ウェポン』『トゥルー・ディテクティブ』『セブン』『殺人の追憶』『あぶない刑事』『刑事貴族

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【映画感想】『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

【映画感想】『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

『アレクサンダー・ペインとポール・ジアマッティのコンビが再び。それは間違いなど起きるはずもないだろう、ということで日比谷シャンテへ。

しかしあの傑作『サイドウェイ』から20年経ってるらしい。そのことに驚きと恐怖を感じつつ座席についた。

公開最初の日曜日ということもあり、ほぼ満席。素晴らしいけど、隣にでっかい人(私もデッカめだけど)が来ちゃってちょっとせまい笑。

ストーリーの舞台は1970年の

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【映画感想】『WALK UP』 メビウスの輪を登る

【映画感想】『WALK UP』 メビウスの輪を登る

韓国映画、ドラマも好きで、名前もずっと知っていたのに何故かご縁がなかったホン・サンス監督作品。今回はタイミングが合い、アップリンクにて。

映画監督のビョンスは、インテリア関係の仕事を目指す娘と、インテリアデザイナーの知り合いが所有するアパートを訪れる。ワインを酌みながら、和やかに語り合う3人。そんな中、ビョンスに仕事の連絡が入る。「すぐに戻る」と、その場を離れるのだか…。

なんとも不思議な映画

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