ケン・コダマ(映画監督)

ワイルドサイドを歩く映画監督です。 映画感想や、お仕事奮闘記をゆるゆるでお届けします。…

ケン・コダマ(映画監督)

ワイルドサイドを歩く映画監督です。 映画感想や、お仕事奮闘記をゆるゆるでお届けします。 ′20にドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』が全国主要都市で公開される。映画以外に自治体PR、コピーライティング、イラストなどの分野でも活動中。宮崎県出身。

最近の記事

『五芒星の侍』第3話

第3話『真打』1五行町・船着き場へ向かう通り・長屋前(夕)       ブツブツと言いながら伊三が歩いてくる。 伊 三「でもやっぱ気味悪いよなあ。やめよっかな」       そこへ、ひとりの町人が声をかけてくる。 町 人「お、榊原先生、その節はどうも」 伊 三「おお、お父さんの具合はどうだい?」 町 人「すっかり良くなりやした。先生どちらへ?」 伊 三「なに散歩がてら船着き場の方にね」 町 人「そりゃやめときなせえ。あの辺は出るんですよ」 伊 三「出る?」 町 人「ええ、

    • 『五芒星の侍』 第2話

      第2話『蠢動』1十蔵の屋敷・漣の部屋(朝) 漣は『初代市川男女蔵奴一平』の浮世絵手札を見つめている。   「あれは一体なんだったんだ?」 漣  「おい、市川男女蔵。なんとか言え」       手札の中の男女蔵はピクリとも動かない。 そこへ、十蔵の声がする。 十蔵の声「漣、飯だ!」       漣は懐に手札をしまう。 部屋の隅には四浪の位牌と、うたの荷物が置かれている。 漣はそれを見つめる。 「うた、おとう……」 2十蔵の屋敷・居間(朝)       漣と十蔵が朝食をと

      • 『五芒星の侍』第1話

        あらすじ時は幕末。 江戸に暮らす漣は泣き虫のいじめられっ子。双子の妹うたは、漣とは真逆のじゃじゃ馬で、いつも漣を守ってくれる。ある日、漣は不思議な力を持つ浮世絵手札、写楽の『初代市川男女蔵奴一平』を手に入れる。突如現れた妖魔を、手札から飛び出した初代市川男女蔵奴一平と退治するが、父は妖魔に殺され、うたは妖魔の世界にさらわれてしまう。 妖魔を操るのは開国派の幕臣、勝麟太郎一派。外国から日本を守る為、異界の扉を開こうと画策している。そこから漏れ出した妖魔は日本人でも見境なく襲

        • 自己紹介|はじめてのnote

          ■アイム ケン・コダマ 映画監督のケン・コダマ(小玉憲一)です。 2020年に、師匠である東陽一監督のドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』で商業デビューしました。 生業は、映画、CM、テレビ、脚本、コピーライティングなどになります。自治体のPR動画なども多く手がけ、いくつかの賞などもいただいています。企画を1から作る、ゼロイチのスタートアップを得意としています。 要は何でも屋です、お気軽にお声がけください。 ■やろうと思ってます プロの監督でもあり、

        『五芒星の侍』第3話

          【映画感想】『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ひたすら楽しむワチャゴナドゥ

          誰に何を言われようと、大好きなシリーズ『BAD BOYS』。 ポリスバディものなんて、もうその時点で面白いわけですが、バディの相性ということだけで言えば、もうダントツにこの『BAD BOYS』のマイク・ラーリとマーカス・バーネットなのだ。 会話の軽妙さ、かっこよさ、やはり群を抜いている。 (他にも、『リーサル・ウェポン』『トゥルー・ディテクティブ』『セブン』『殺人の追憶』『あぶない刑事』『刑事貴族』と枚挙にいとまがない) さて、この第4作目、こういう映画を観るとハリウッドの

          【映画感想】『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ひたすら楽しむワチャゴナドゥ

          【映画感想】『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

          『アレクサンダー・ペインとポール・ジアマッティのコンビが再び。それは間違いなど起きるはずもないだろう、ということで日比谷シャンテへ。 しかしあの傑作『サイドウェイ』から20年経ってるらしい。そのことに驚きと恐怖を感じつつ座席についた。 公開最初の日曜日ということもあり、ほぼ満席。素晴らしいけど、隣にでっかい人(私もデッカめだけど)が来ちゃってちょっとせまい笑。 ストーリーの舞台は1970年の年の瀬。全寮制の男子寄宿学校。年末のホリディシーズンに学校に残ることになった、嫌

          【映画感想】『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

          【映画感想】『WALK UP』 メビウスの輪を登る

          韓国映画、ドラマも好きで、名前もずっと知っていたのに何故かご縁がなかったホン・サンス監督作品。今回はタイミングが合い、アップリンクにて。 映画監督のビョンスは、インテリア関係の仕事を目指す娘と、インテリアデザイナーの知り合いが所有するアパートを訪れる。ワインを酌みながら、和やかに語り合う3人。そんな中、ビョンスに仕事の連絡が入る。「すぐに戻る」と、その場を離れるのだか…。 なんとも不思議な映画である。 普通、これだけ板付きの会話劇を延々と展開されると、眠気と戦うことにな

          【映画感想】『WALK UP』 メビウスの輪を登る