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#神様

楽園へ続く道 《詩》

楽園へ続く道 《詩》

「楽園へ続く道」

終末を生き延びる為に

極端な仮説を立ち上げ

至福の王国への導きを説く教団

神の洗練を受け入れた人々

悪魔の手に堕ちた人々

楽園に続く道は此処にあり

天国と地獄の境目は
薄いベニヤ板で仕切られていた

僕の足音が聞こえますか?

貴方は神様ですか  

それとも悪魔ですか

其の場所には愛や
ロマンチックな幻想はありますか

青い海と白い砂浜 

穏やかな風に揺れる花

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トロイの木馬 《詩》

トロイの木馬 《詩》

「トロイの木馬」

特定の目的を持ち

意図的に作り上げられた

偽装された世界の中で

沈黙を維持し続ける

真夜中の音は鳴り止まず

僕はその音に耳を澄ませている

記憶と意識の形を変えて
其処に留めた

巻き戻せない時を超え 

朱く霞む夕陽の残像が風に逆らう

汚された光に僅かに残る純粋な粒子

永遠に続く掟が
終わりなき夢に堕ちてゆく

トロイの木馬 

血は流されなくてはならない

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コンビナート タウン 《詩》

コンビナート タウン 《詩》

「コンビナート タウン」

あん時 
ぶっ潰しに行ったよな群青の空

通りの先はドンツキの壁  

わかってた事は

ただ 吐く息が白かった

流れ星が落ちた場所 

国道走り追いかけた

王様だとか神様は知らないけど

お前には触れる事が出来る

帰らない夜にサヨナラのキスを

そう言って口付けた 
お前の手のひら 

群青の夜に溶けて行った白

何も無いけど感じてる 

二人きりの世界 

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草原 《詩》

草原 《詩》

「草原」

天国の住所と
神様の電話番号を聞いた

何故って…

街が
淡い藍色の闇に包まれて来たから

タイル張りの歩道を
歩く女のヒールの音

風にスカートが揺れていた

知らない女の脚に見惚れてた

歓楽街の真ん中で
静かに瞳を閉じて

心の中に草原を描いた

色の無い空間に色彩が宿り

優しい風が吹いた

僕は神様に電話をして
一言だけ告げた

本当の友達を探していると

本当の恋人を探し

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Fuck The System 《詩》

Fuck The System 《詩》

「Fuck The System」

行き当たりばったりで
押し殺した感情

殺してぇ奴なんて山ほど居た

どうしても腑に落ちない事柄

奴等の見え透いた嘘と罠 
仕掛け

組織ぐるみで同調圧力

女に持たせたルイビトン

底上げ間仕切り隠したキログラム

今となっては どうでもいい話し

時代は変わり世は変わり時は変わる

雲 走らせるペン

神様の胸に彫り込んだ刺青

Fuck The Sys

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セックス アピール 《詩》

セックス アピール 《詩》

「セックス アピール」

君の心の中にある 
幾つもの引き出し

静かに開けてゆく

其処に君が置き去りにしたもの

涙 寂しさ 

報われない想い

汚れた感情や

神様にも言えない言葉

今 ひとつひとつ取り出して
僕の手のひらに乗せる

指先で優しく愛でる様になどり

僕の言葉を吐息に変えて囁きかける

その ひとつひとつが君であり

その ひとつひとつを愛おしく想う

この夜に始まりの口づ

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白い紙とペン 《詩》

白い紙とペン 《詩》

「白い紙とペン」

理屈ばかり並べた 
無理だ出来ない 

駄目な理由ばかりを探してた

簡単じゃ無い事くらい知ってる

白い目 罵声 
いくら走っても周回遅れ

追いつかない悔しさと諦めの中

だけど 彼奴の声 あの娘の言葉

それでもう一度 立ち上がれたり
負けないって思えたり

腐れの数だけ神様も居る

天使も悪魔も直ぐ傍に居る

見極めたハイエナ共

白い紙とペン 俺に力をくれ

そしてま

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添花 《詩》

添花 《詩》

「添花」

星の向こうに微かに見えた

小さな星

僕は静かに君の名前を囁いた

太陽に届く道なんて知らない

煖炉のある家 
木の実を拾った森

草の匂いと風の音

神様が見てた

二度と会えないと思うと涙が溢れた

流れる水に小さな花が揺れていた

微かに見えた星に花を添え

星に届く道を探した 
君の星へと続く道を

Photo : Seiji Arita

堕月 《詩》

堕月 《詩》

「堕月」

君の素肌の上を彷徨う真夜中

謎は謎のままで構わない

結んだ僕等の大切が
世界の夜空に変わる時

運命とかそう言うの
信じてみようと思った

永遠を夢見た その瞳の中

問いかけた優しさ

君の答えだけが欲しかった

光と闇の向こう側

愛を測ろうと何度も確かめ合った

朝を運ぶ明日の風と時が運ぶ孤独

愛は幻ですか 神様に聞いた

弱さと優しさ 
答えなんて無くていい

止まらない

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見えない明日 《詩》

見えない明日 《詩》

「見えない明日」

つまずく度に本当の自分を探した 

見えない明日 
氾濫してる綺麗事

不安と矛盾と不可能と失望と
ありふれた言葉にうなずいた

また出来ない言い訳

弱さは罪じゃない

人と違う事が怖くて
誰とも話せなくなった

明日が見えなくなって
大好きだった君の声も
聞こえなくなった

汚れた手を伸ばした 

助けて欲しかった
誰かに力強く掴んで欲しかった

あの時 確かに描いた未来

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愛の形 《詩》

愛の形 《詩》

「愛の形」

もう帰れないよ 

帰る場所なんて何処にも無い

見えないスピード 
感じてるだろう

魂までお前に持ってかれたまま

天使 妖精 神様 女神

悪魔だって構わない

お前が振り返る瞬間 
見逃さない

仕留めてやるよ 

刺されたって恨まない

愛の形なんてそんなもの

雨が止んだ時の匂いに似てる

Photo : Seiji Arita

泳ぎ方を知らない 《詩》

泳ぎ方を知らない 《詩》

「泳ぎ方を知らない」

ベッド脇の照明に手を伸ばす

太陽も神様もまだ眠ってる

眠たいよ 
疲れの取れない身体

無理矢理ベッドから抜け出す
珈琲と煙草で目をこじ開ける

いつもと同じ朝

壁際の小さな水槽

一匹の金魚は浮いたり沈んだり 
狭い水槽行ったり来たり
ぎこちなく動いてる

此奴も一緒さ 泳ぎ方を知らない

Photo : Free Pic