Sao | sociologie en 🇫🇷

2022年9月からフランスの大学へ留学中の30代。手続きと現地の様子、学びの記録です|…

Sao | sociologie en 🇫🇷

2022年9月からフランスの大学へ留学中の30代。手続きと現地の様子、学びの記録です|専攻は社会学 ‖ フランス語|12年前からの夢、フランスに住む🇫🇷が現実のものになったので何もかも記録中✏️社会学を学びながらフランス社会を深く知りたい

記事一覧

フランスで大学2年目を終えたときに見えてくる現実と、それでも落ちてくる希望の欠片

渡仏してしばらくは人生がガラッと変わって(当然です。社会人から学生になったわけだから。しかも外国で)、物事がめまぐるしく動いていくから「なんとか生きてく!」って…

【フランス留学】インスタグラムのコミュニケーション

渡仏して2年目の30代の留学生です。友達と連絡を取るために欠かせない、Instagram。初めてのアカウントを作ってからもうすぐ1年が経つので実際に使った感想を書きます。 …

30代の留学で一番腰が引けること

30代の留学で一番腰が引けるのは、年齢を友人たちの前で言う瞬間です。複数人で集まると大抵の場合、そこに一人か二人は初対面の人がいます(友達の友達は友達)。「どこか…

フランス学生生活:新学期の気持ち

 2022年9月にいよいよフランスの大学1年生がスタートしたとき、私はけっこう疲れていたようで次のようなメモが残っていた。「この消耗感は、新しい環境に飛び込むときと同…

フランスの健康保険、セキュリテ・ソシアルに加入する

フランスは外国人学生もセキュリテ・ソシアルという社会保障の対象になり国の医療保険(Assurance maladie)に加入することになります。保険証を病院の受付で出すのは日本…

社会学と労働とアート

2022年9月からフランスの大学で社会学を学士1年生から始めた30代の人が書いています。2023年6月16日、ついに、社会学の中でも何をテーマに選ぶかが決まりました。 --------…

むしろもう、フランス語会話の方が……

ずっとフランス語喋れない自分が許せなかった。7年目にしてようやく、人と楽しい会話の時間が持てるようになって、相手の言うこともほぼわかってきて、自分のことを許せた…

フランス留学:年の差と言葉遣い

 年の離れた日本人と留学先で友達になるとき、いつまでも敬語を外せない問題がつきまとう。水林章氏がフランスの雑誌「Manière de voir」に掲載された「Au Japon, un ins…

フランス生活「ゆっくりでいいんだよ」

2022年9月からフランスの大学で学士1年生をもう1度始めた30代の人が書いています。2023年5月末、無事、2年生に進級できることが決まりました。 フランスに来てから何でも…

留学中に資格を取ること:DALF C2

これしたいな、こうなりたいなと思い浮かんだことは、すぐ実現しなさそうなことでも自分の中から消さない。浮かんだ瞬間にメモしておく(すぐ忘れちゃうからね)。欲しいス…

フランス留学:持ち物リスト【完全版】

 「フランス留学:パッキング」の記事に書いた、日本から持って行ったものは全体の一部だったので、完全なリストを再現します。部屋を見渡して目に入る物の全てからフラン…

フランス留学:ビザ申請

 2022年にフランスの学生ビザ(大学の学士課程)を申請したので2023年に留学予定の方にとっては最新の体験談になると思います。できる限り詳細に書きますが、前年から変更…

フランス留学:パッキング

少なくとも8カ月は滞在するフランスに、日本から夏に出発する場合、何を持っていき置いていけばいいのか私は悩んだ。LLサイズのスーツケース一つと機内持ち込み用のリュッ…

シャルル・ド・ゴール空港に降り立った日に留学生が思うこと

シャルル・ド・ゴール空港に降り立ったとき、やっと2年8カ月前のフランス留学をやり直せることになった実感が湧いた。インフレや戦争、長引くコロナもある中で中止しようか…

フランスの大学に30歳を過ぎて行く理由

学生のときには見出せなかった勉強する意味や必要性が、今ようやくわかった。確固たる理由を持って選んだ社会学を一から学ぶためにフランスへ行きます。 私が学ぶ理由の…

中之島美術館に行ったらアートを観る理由が言語化できた

コロナ禍で美術館巡りを丸2年自粛した私が大阪の中之島美術館の「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」には抗えずついに県外に出た。凄すぎて尊…

フランスで大学2年目を終えたときに見えてくる現実と、それでも落ちてくる希望の欠片

フランスで大学2年目を終えたときに見えてくる現実と、それでも落ちてくる希望の欠片

渡仏してしばらくは人生がガラッと変わって(当然です。社会人から学生になったわけだから。しかも外国で)、物事がめまぐるしく動いていくから「なんとか生きてく!」って感じなんだけど、大学2年生の全てのテストと課題を終えた今は「さて、あと1年で卒業だし現実も見えてきたな…」ってちょっと落ち着く。そして、フランス語の超えられない壁が分かってくる。ネイティブが複数いる会話に本当に入れたって思える日はやって来る

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【フランス留学】インスタグラムのコミュニケーション

【フランス留学】インスタグラムのコミュニケーション

渡仏して2年目の30代の留学生です。友達と連絡を取るために欠かせない、Instagram。初めてのアカウントを作ってからもうすぐ1年が経つので実際に使った感想を書きます。

なぜ、ストーリーズでシェアするのか?
どれも素敵な写真なのになぜ24時間で消える投稿を選択するのか初めはよく理解できず友達に「これはなるべく多くアクセスさせるためのMetaの戦略なのか」と聞いたところ何を言っているんだ、という

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30代の留学で一番腰が引けること

30代の留学で一番腰が引けること

30代の留学で一番腰が引けるのは、年齢を友人たちの前で言う瞬間です。複数人で集まると大抵の場合、そこに一人か二人は初対面の人がいます(友達の友達は友達)。「どこから来たの?」「フランスは何年め?」「なんでフランスを選んだの?」など開始1時間ほどはみんなが気になる基本的な質問とその回答が次々に飛び交います。

場が打ち解けてくると「ところで、みんな何歳?」と誰かが言い出して「19歳」「ハタチ」「25

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フランス学生生活:新学期の気持ち

フランス学生生活:新学期の気持ち

 2022年9月にいよいよフランスの大学1年生がスタートしたとき、私はけっこう疲れていたようで次のようなメモが残っていた。「この消耗感は、新しい環境に飛び込むときと同じ。新卒入社の初めの1カ月も、転職してからの数日間も、同じような疲れを感じてた。責任がかからないことをやっているのに、ただその場にいるだけなのに、なぜかとても疲れる。でも、何回も経験してるから、この疲れがいつか全くなくなることも知って

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フランスの健康保険、セキュリテ・ソシアルに加入する

フランスは外国人学生もセキュリテ・ソシアルという社会保障の対象になり国の医療保険(Assurance maladie)に加入することになります。保険証を病院の受付で出すのは日本と同じですが、医療費は基本的に後日、銀行口座に払い戻されます。この国の保険だけでは全額は戻ってこないので、任意加入の相互保険(ミュチュエル)で残りの医療費を補います。

では、実際に私が加入に当たって参考にしたり、今も使用し

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社会学と労働とアート

社会学と労働とアート

2022年9月からフランスの大学で社会学を学士1年生から始めた30代の人が書いています。2023年6月16日、ついに、社会学の中でも何をテーマに選ぶかが決まりました。
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選んだのは「労働」。修士まではまだ2年あるけど、これからは「労働の社会学」を関心

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むしろもう、フランス語会話の方が……

むしろもう、フランス語会話の方が……

ずっとフランス語喋れない自分が許せなかった。7年目にしてようやく、人と楽しい会話の時間が持てるようになって、相手の言うこともほぼわかってきて、自分のことを許せた。ボケにツッコミで返すの楽しい。私にフランス語でボケる余裕なんてないから冗談言われたら自然とツッコミになるという。これからは語彙を増やして回りくどい言い方をしなくていいようにすることが目標。  

この伸びは今回の留学の終盤以降に起きた。つ

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フランス留学:年の差と言葉遣い

フランス留学:年の差と言葉遣い

 年の離れた日本人と留学先で友達になるとき、いつまでも敬語を外せない問題がつきまとう。水林章氏がフランスの雑誌「Manière de voir」に掲載された「Au Japon, un instrument de soumission」で書いているように、日本の「社会のヒエラルキーの構造はある種、言語の中に入り込んでいる(la structure hiérarchique de la société

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フランス生活「ゆっくりでいいんだよ」

フランス生活「ゆっくりでいいんだよ」

2022年9月からフランスの大学で学士1年生をもう1度始めた30代の人が書いています。2023年5月末、無事、2年生に進級できることが決まりました。

フランスに来てから何でもプラスに考える癖をつけてて、身についたと思ってたのに試験の結果が返ってくる前はネガティヴ思考になってて「どうしよう、2年生になれなかったら」と家族電話でこぼした。そしたら父が「ダメだったら1年生をもう1回やればいいじゃない」

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留学中に資格を取ること:DALF C2

留学中に資格を取ること:DALF C2

これしたいな、こうなりたいなと思い浮かんだことは、すぐ実現しなさそうなことでも自分の中から消さない。浮かんだ瞬間にメモしておく(すぐ忘れちゃうからね)。欲しいスキル、全部手に入れる。フランスでやれるだけのことをやって行けるとこまで行く。何が将来に役立つか分からないから、時間のあるうちにとりあえずやってみる。

思い付いたアイディアを達成するためにゴールから逆算してプランを考える。
私の最近の計画は

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フランス留学:持ち物リスト【完全版】

フランス留学:持ち物リスト【完全版】

 「フランス留学:パッキング」の記事に書いた、日本から持って行ったものは全体の一部だったので、完全なリストを再現します。部屋を見渡して目に入る物の全てからフランス購入品を引けばいいだけの話なので、多分1年前のスーツケースの中身を再現できるはずです。また、これから留学される方にとって大切なのは私が持って行かなくて後悔したもの、やってこなくて後悔したことかもしれませんので最後にそれも念のため書いておき

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フランス留学:ビザ申請

フランス留学:ビザ申請

 2022年にフランスの学生ビザ(大学の学士課程)を申請したので2023年に留学予定の方にとっては最新の体験談になると思います。できる限り詳細に書きますが、前年から変更になった点がいくつかあるかもしれませんし、ビザの種類や申請者の状況によって用意するものは異なります。ビザは最も重要なことなので疑問があれば諸機関に問い合わせることをお勧めします(私は留学エージェントのブログなどは一切参考にしませんで

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フランス留学:パッキング

フランス留学:パッキング

少なくとも8カ月は滞在するフランスに、日本から夏に出発する場合、何を持っていき置いていけばいいのか私は悩んだ。LLサイズのスーツケース一つと機内持ち込み用のリュック一つを可能な限り軽くしたい。足りなければフランスで買えばいいんだし。大切なのは身軽に動けてスリに狙われないようにすること(一度、大型スーツケース持って移動していたときに財布を盗られてクレジットカードを使われたことがある)。

軽いダウン

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シャルル・ド・ゴール空港に降り立った日に留学生が思うこと

シャルル・ド・ゴール空港に降り立った日に留学生が思うこと

シャルル・ド・ゴール空港に降り立ったとき、やっと2年8カ月前のフランス留学をやり直せることになった実感が湧いた。インフレや戦争、長引くコロナもある中で中止しようか迷ったこともあったから、計画が現実のものになって、フランスの入国ゲートを検温すらせず通り過ぎたとき、現実なのに夢の中にいるような気がした。

留学は、必要な手続きをすれば誰でもできる。語学学校なら資格は不要だし、大学入学でもDELF B2

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フランスの大学に30歳を過ぎて行く理由



学生のときには見出せなかった勉強する意味や必要性が、今ようやくわかった。確固たる理由を持って選んだ社会学を一から学ぶためにフランスへ行きます。

私が学ぶ理由のひとつを敢えて言語化するなら、私はもう誰のことも傷つけたくないから学ぶんだと思う。縁あって私と関わってくれる人のことを傷つけることがないように、もっと知りたい。勉強したい。経験したい。

無知から発してしまう言葉のせいで、
相手の状況を

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中之島美術館に行ったらアートを観る理由が言語化できた

コロナ禍で美術館巡りを丸2年自粛した私が大阪の中之島美術館の「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」には抗えずついに県外に出た。凄すぎて尊すぎて、アートを観る理由が言語化できた。書きます。

アートを観るということは、今は亡き人の生に触れ、生きる力をもらうこと。その人の心臓が動いているときに持てる力全てを注いで生みだした作品を前にすると、そうした力

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