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【フランス留学】インスタグラムのコミュニケーション

渡仏して2年目の30代の留学生です。友達と連絡を取るために欠かせない、Instagram。初めてのアカウントを作ってからもうすぐ1年が経つので実際に使った感想を書きます。

なぜ、ストーリーズでシェアするのか?
どれも素敵な写真なのになぜ24時間で消える投稿を選択するのか初めはよく理解できず友達に「これはなるべく多くアクセスさせるためのMetaの戦略なのか」と聞いたところ何を言っているんだ、という顔で「日常の些細なこととか、別にずっと残さなくてもいいことを投稿してるんだ。そんなんじゃない」と返されました。それを聞いてからは「自分で作って友達と食べた日本食」をテーマに1〜2週に1回のペースで投稿するようになりました。

ストーリーズは帰宅後のもう一つのコミュニケーション
ストーリーズでメンションされると他人の投稿を自分の投稿としてシェアできることを学びました。例えば、友達が私をメンションしてくれたらそれに一言足して私のストーリーズに上げる。逆に私が友達をメンションしたら相手に通知が送られて「Merci」とお礼が返ってくる、など。遊んだ後で内輪でメッセージを送り合うのではなく、他の友人も閲覧可能な「小さな公の場」で楽しかった時間を共有するのは、私にとっては全く新しいコミュニケーションでした。

インスタグラムが与える心理的影響
まだ私がインスタのアカウントを開設する数年前、インスタグラムが若者に与える心理的影響について指摘する記事を読んだことがあります。インフルエンサーや友達の「盛れてる」投稿と自分を比べて落ち込み、それが時に摂食障害を引き起こす。モデルのような体型に憧れダイエットをするに止まらず、病を患うまでに影響してしまうのです。この影響力の強さ、当時はいまいち理解できなかったのですが実際に使うことでやっと腑に落ちました。

みんな、モデルなの?という写真が溢れている
友人たちと出かけると「写真を撮ろう」という話になります。セルフィーで集合写真を撮ったあと、今度はその中の一人が自然なポーズや、もしくはモデルみたいに様々なポーズを取って誰かが撮影する、撮影会のようなことが始まる場合があります。私はこれが苦手でですが友人たちは違います。スッと立って目線を外して素敵な写真を手際良く撮っていきます。フランスの景色も相まって広告みたいな作品が素人の手によって作られていくのは、プリクラ全盛期・ガラケー学生時代を送った私にはなかった文化です。

自分が一番楽しむ、それがインスタ
こうした写真を同年代の友達が次々にアップしていくのを毎日見ていたら、とりわけ美容やファッションに興味がある人は刺激を受けて自分磨きのモチベーションがどんどん高まっていくと想像します。インスタにはその人の良い面しか現れない、というのは良く知られたことですが、それ以上に、素人の子がプロのモデルのような写真を上げる世界があったことを2022年に初めて知りました。

ここに書いてきたインスタのあれこれをフランスで出会った20代の友達に話して意見を求めたところ「インスタは周りを気にせず自分が楽しめればそれでいいんですよ!」と頂きました。まさにそうですよね。周りと比べず、周りを気にし過ぎず、自分を写真で伝えていく。みんなの人となりを写真から知る。一瞬を切り取る写真が大量に流れてくるインスタは、瞬間の集まりであり、あまり深く考えずに付き合うのがいいのかもしれません。とはいえ、フランス学生生活には欠かせないコミュニケーションツールなので記事一本書けるほどには考えてしまうのですが。


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