むしろもう、フランス語会話の方が……

ずっとフランス語喋れない自分が許せなかった。7年目にしてようやく、人と楽しい会話の時間が持てるようになって、相手の言うこともほぼわかってきて、自分のことを許せた。ボケにツッコミで返すの楽しい。私にフランス語でボケる余裕なんてないから冗談言われたら自然とツッコミになるという。これからは語彙を増やして回りくどい言い方をしなくていいようにすることが目標。　　

この伸びは今回の留学の終盤以降に起きた。つまり渡仏して半年が過ぎたあたり。最初の3カ月はクラスメイトに囲まれたら混乱するだけだったけど、友達ができて話す機会が増えていくうちにだんだん長く喋れるようになっていった。幸いにもここでは、関連はするけど聞かれてもいないことまで話しても変な顔されないから私の話せる精一杯を出していった。出身地が大陸からして違うと、何を言ったら空気が読めないヤツ扱いされるのか見当もつかないから、私が開示できる最大限の個人情報を出してる。むしろもう、フランス語での会話の方が「私」を出せている今日この頃です。

人と話すことが大好きな私に、フランス語で繰り広げられる会話はぴったりだった。相手が長く話してきても要点を掴んで、その終わりに的外れではない返事が頭に浮かんだら自分に合格をあげてる（話が追えなくなることももちろんある）。相手の意見に合わせてギリギリ許される範囲でやんわりした反対意見を述べる必要はない、自分の意見をそのまま出していい会話はなんて楽しいんだろうと思う。自分が発した言葉に対して「Tout à fait」「Mais」の後にその人ならではの理由が続くのも楽しいよね。

人に会うたびにフランス語「もっといける、もっと磨く」と誓ってる。フランス語に関しては有言実行できるから、人に会って、人とフリートークできるバイトを選んで、時間があるときは机に向かってる。だからきっと私、もっといける。