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フランス生活「ゆっくりでいいんだよ」

2022年9月からフランスの大学で学士1年生をもう1度始めた30代の人が書いています。2023年5月末、無事、2年生に進級できることが決まりました。


フランスに来てから何でもプラスに考える癖をつけてて、身についたと思ってたのに試験の結果が返ってくる前はネガティヴ思考になってて「どうしよう、2年生になれなかったら」と家族電話でこぼした。そしたら父が「ダメだったら1年生をもう1回やればいいじゃない」と言った。1年生を、もう1回!

お父さん、今私が18歳ならいいけど、もう30うん歳だから、それはちょっと……と思ったんだけど、ダメだったら即終了と思わないで、鷹揚に構えないとなと思えた。何に対してもね。数年後にはまた就活をするわけだけど(どの国でやるかはわからない)、その時だってきっと絶望しなければ何とかなるはず。

両親は「これからどうするの」とか「早く●●しなさいよ」と、私が未成年だったときからずっと言ってこない人たちだった。今はもういい大人だけどよく電話する仲で、「フランスであれもしたい、これもしたい、将来こうなりたい、あ~」となるせっかちな私に「まぁ焦らないで」、「元気にやってるならそれでいいんだ」と言う。

50mダッシュしようとクラウチングスタートのポーズ取ったらピストル鳴らす人が手に持ったそれを下ろして「あなたは長距離ランナーでしょう。スタート地点間違ってますよ」と言われてる感じ。異国で生活を一から築こうと思ったらダッシュじゃ息が持たない。ゆっくりでいいんだよね。

幸いにも、一度も病気にならず、事故にも遭わず、無事に大学1年生を終えることができた。父の言う「元気ならそれでいいんだ」を、心においても身体においても達成した。1日が無事に終わって、昨日より1mmでも前に進んでいればそれでいいんだと思う。1mmも進めていなくても、存在しているならそれで十分なんだとも思う。とりわけ外国で暮らす場合には。

これからも体に気をつけて過ごしましょう。私も、家族も、友人も、知り合いのみんなも、みなさんも。


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