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小説『クリキャベ🥬』感想たち

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創作大賞2023 朝日新聞出版賞受賞作、そして2024年4月5日に発売した書籍『クリームイエローの海と春キャベツのある家』にいただいた感想記事たちをまとめました。たくさんの感想あ…
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#エッセイ

2泊3日モイモイ旅行

2泊3日モイモイ旅行

3月まで住んでいたマンションが売れたので、もろもろの手続きのために関東へ。せっかくなのであちらの友達にも会う予定を入れて2泊3日で家族で行くことにした。

1日目

ピーチ航空福岡発成田便。よく胃腸が弱いとnoteに書いている私だが、そういえば三半規管も弱い。乱気流の中ぐわんぐわんと上下左右に揺られ機内で完全に酔ってしまった。

視界がチカチカしてきて、ヤバい…吐き気が…とエチケット袋に手を伸ばし

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【読書感想文】生活はつづく、クリームイエローの海と春キャベツのある家

【読書感想文】生活はつづく、クリームイエローの海と春キャベツのある家

こんにちは。イケダです。noteでは初めて読書感想文を書いています。よければお付き合いください。

noterさんなら一度は目にしたことがあるであろう、この本。いや、御本。言わずと知れた、昨年度の創作大賞受賞作品。

note投稿歴2年目ぺーぺーのわたしは、この作品がきっかけで創作大賞というものを知ったのだけれど、絶対に読もうと購入したものの、実はしばらく積読になっていた。

というのも、web版

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『クリームイエローの海と春キャベツのある家』を読んで

『クリームイエローの海と春キャベツのある家』を読んで

自分で自分のことをうまく認めてあげられないと、なんでこうも苦しいのだろう。誰かに認めてほしい、自分の弱さも含めて受け止めてほしいと思うのに、それを曝け出すことはできなくて、また自分を責めてしまう。完璧に見える誰かのようにできないとダメに思えて、きっとその相手も完璧じゃないのに、比べてしまう。それは家事だけではなく、人生のいろいろな場所で「コンプレックス」として私たちが向き合い続けてきたものなのでは

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最近読んだ本たち(2024年4月分)

最近読んだ本たち(2024年4月分)

4月は出会いの月とよく言われるけれど、ほんとうにそうで。いろいろな方面で新しいつながりができてよかったなー、としみじみしている。

月の前半は娘たちが春休み、または午前中授業ということで、限られた時間内で仕事に追われた。それでも、ちょっとは本を読む時間を確保できた。よし!

残るは「エクササイズをしたあと眠くなってしまう問題」だ。「筋トレしてから本読もうっと」などと思っていると、睡魔に襲われて読め

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せやま南天『クリームイエローの海と春キャベツのある家』《砂に埋めた書架から》70冊目

せやま南天『クリームイエローの海と春キャベツのある家』《砂に埋めた書架から》70冊目

 昨年行われた、note主催による「創作大賞2023」において、お仕事小説部門の朝日新聞出版賞を受賞したのが、せやま南天『クリームイエローの海と春キャベツのある家』だった。「創作大賞2023」は小説のみならず、エッセイ、漫画原作、イラスト、映像作品など多岐のジャンルにわたって広く作品を募る大規模なもので、およそ三ヶ月の募集期間で集まった作品の総数は、最終的に33,981という数だったようだ。この中

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自分勝手な思い込みを、柔らかな風で吹き飛ばしてくれるかのように

自分勝手な思い込みを、柔らかな風で吹き飛ばしてくれるかのように

noteで相互フォローさせてもらっているせやま南天さんが、昨年創作大賞を受賞された。

そして今月、南天さんの小説『クリームイエローの海と春キャベツのある家』が出版された。

昨日、なんとなく訪れた梅田の紀伊國屋書店で「南天さんの本、どんな感じで並べられているのかな~」と気になって、店内を探し回った。

自力で見つけ出したかったけれど、広い店内には膨大な本があり、なかなか探しきれない。観念して検索

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クリームイエローの海と春キャベツのある家を探検する

クリームイエローの海と春キャベツのある家を探検する

 たまたま見たドラマの、たまたま聞いたセリフが、妙に頭に残ることがある。

 そのドラマの主人公である主婦は、目の前にいる夫にこう言った。

「私は毎日、マイナスをゼロに戻してるの」

 足の踏み場が確保されたフローリング。衣装ケースに畳んでしまわれている洋服や下着。温かいご飯。いつの間にか沸いているお風呂。

 快適な生活を送るためにある行動の前後には、必ず家事がついて回る。

 妻の悲痛な叫び

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