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『リファクタリング・ウェットウェア』レビュー(と勝手な解釈、そして達人な学習のススメ)

『リファクタリング・ウェットウェア』レビュー(と勝手な解釈、そして達人な学習のススメ)

『リファクタリング・ウェットウェア』
―達人プログラマーの思考法と学習法Andy Hunt(著) / 武舎広幸・武舎るみ(翻訳)



わたくし、その道のプロの考え方や学習方法ってとっても興味あります。
これは、尊敬するプロのプログラマーさん、いわゆる達人プログラマーさんからおすすめ頂いた本です。

ウェットウェア、すなわち、固いハードウェアでも柔らかいソフトウェアでもない、ウェット(濡れてる?

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『ユニコード戦記』レビュー

『ユニコード戦記』レビュー

『ユニコード戦記』─文字符号の国際標準化バトル小林龍生 (著)



ジャストシステムという会社があります。かつて、一太郎というワープロソフト(まだありますw)でぶいぶい言わせて、一太郎用の日本語フロントエンドプロセッサ(なんて今ではもう言わないとおもうけれど。IMEかな?)のATOKで、あらゆる(日本語での)文章書きのハートをわしづかみにして一世を風靡した、老舗の、特に日本語処理関係に超強い会

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『瑠璃の宝石』レビュー

『瑠璃の宝石』レビュー

『瑠璃の宝石』
渋谷圭一郎(著)
💎

谷川瑠璃(たにがわ・るり)は綺麗なモノに憧れる女子高生。祖父がかつて近くの山で水晶を拾っていたと聞き、自分でも採れるのではないかと山に出かけてしまう行動力の持ち主。
そんな山中で出会ったのは鉱物を研究している大学院生の荒研凪(あらと・なぎ)。骨董市で見つけたという外国製の戦槌(ウォーハンマー)を背負って山歩きするような変わり者ではあるのですが、自然科学に対

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日本で生まれ育った『高性能紙飛行機』レビューほか

日本で生まれ育った『高性能紙飛行機』レビューほか

日本で生まれ育った『高性能紙飛行機』
~その設計・製作・飛行技術のすべて~二宮 康明(著)

🛩

月刊誌『子供の科学』に紙飛行機の型紙が付録についていたのをご存じでしょうか? あれ、切り抜いて張り合わせるとやたらとよく飛ぶ高性能な紙飛行機になるのですよね。

なんとあの連載、49年も続いていたそうで、多くの子どもたちの空への夢をそだててくれたことと思います。

その型紙をあつめた紙飛行機キット

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『感電上等!ガジェット分解のススメHYPER』レビュー

『感電上等!ガジェット分解のススメHYPER』レビュー

『感電上等!ガジェット分解のススメHYPER』ギャル電 、山崎 雅夫、秋田 純一、鈴木 涼太、高須 正和 著



きっと、私が喜ぶとおもってくれたのでしょう、発売前にご献本いただきまして、さっくり読んでみました。(∩´∀`)∩☆

ありがとうございます!!
いやはやもう、めっちゃ喜びましたですよ! ホントに!



まず冒頭。著者のひとり、ギャル電さんの「分解は難しくないし怖くないヨ。まずは

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『ひとの気持ちが聴こえたら』レビュー

『ひとの気持ちが聴こえたら』レビュー

『ひとの気持ちが聴こえたら』
  私のアスペルガー治療記ジョン・エルダー・ロビンソン(著)
高橋知子(訳)

📚

アスペルガー症候群のジョン・ロビンソンさんは他人の表情、感情が読めない人でした。
もちろん、自分自身には感情があるし、他人にもあるのだろう、とは思っていても、はっきりと「言葉」で語られていない他人の感情は読み取ることができず、いつも他人からは人の気持ちがわからないやつ、無神経なやつ

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『クオリアと人工意識』レビュー

『クオリアと人工意識』レビュー

『クオリアと人工意識』
茂木健一郎(著)📚

よくテレビ等でちょっと変わった芸能人あつかい(?)されてしまっている脳科学者の茂木健一郎さんですが、さすが専門分野ではしっかり研究されていて、高度な内容をとてもわかりやすく解説してくれています。

1997年に発売された前著『脳とクオリア』では、ヒトの心や意識がどう脳で処理されているのかといった事柄や、意識の鍵であるクオリアという哲学について書かれて

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『脳は世界をどう見ているのか』レビュー

『脳は世界をどう見ているのか』レビュー

『脳は世界をどう見ているのか』
知能の謎を解く「1000の脳」理論ジェフ・ホーキンス(著) / 大田 直子(翻訳)

📚

2004年に書かれた『考える脳 考えるコンピューター』

あれから17年。
ジェフ・ホーキンスさんが、ご自身のライフワーク『知能』研究の最新成果をひっさげて帰ってきました。以下、レビュー半分、ワタクシのテキトー理解メモ半分でお送りしますw

前作同様、脳の新皮質が知能のカギ

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『150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか』レビュー

『150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか』レビュー

「150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか」
瀧澤 美奈子(著/文)―――

前回紹介したファラデーの『ロウソクの科学』は今から160年前、1860~61年にイギリス王立研究所で行われた講演が元になっていました。

そのファラデーの講演から約10年後、1869年に、同じくイギリスで産声を上げた科学雑誌がご存じ『NATURE』です。

NATUREって150年も続いてる雑誌だったん

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『「ロウソクの科学」が教えてくれること』ほかレビュー

『「ロウソクの科学」が教えてくれること』ほかレビュー

『「ロウソクの科学」が教えてくれること』~炎の輝きから科学の神髄に迫る、名講演と実験を図説で~マイケル・ファラデー(原著), 白川英樹(監修), 尾嶋 好美(編集 翻訳), ウィリアム・クルックス(原著)

🕯 🕯 🕯

科学の本の世界に『ロウソクの科学』という歴史的名著があります。
これは、電磁誘導の法則や電気分解の法則などの発見、モーターやブンゼンバーナーの発明、そのほかさまざまな偉

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『アートで魅せる数学の世界』レビュー

『アートで魅せる数学の世界』レビュー

『アートで魅せる数学の世界』岡本 健太郎 (著)



数学×アート!

数学というやつはどうしても数式が最初にでてきて(それはそれで美しい世界なんですが)なにかと難しいイメージがまとわりついてきちゃいます。
でも、その数式であらわされた幾何学的な模様はとても美しくて見入ってしまいます。タイトルどおり「魅せ」られてしまうんですねー。

この本は、アートと数学の交差点。
数学の美しさをグラフィカル

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『ゼロからつくる科学文明』レビュー

『ゼロからつくる科学文明』レビュー

『ゼロからつくる科学文明』
 タイムトラベラーのためのサバイバルガイドライアン・ノース(著) / 吉田三知世(翻訳)



突然ですが、あなたのお家のタイムマシン、だいじょうぶですか?
アレ、出先で故障しちゃったら大変ですよね><
とはいえ、時間旅行には事故がつきもの。
バックトゥザフューチャーでもドラえもんでも、かの H・G・ウェルズの時代からの伝統なのでしょうか、タイムマシンってやつはけっこ

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ロケット関連本~昨日のつづき~🚀

ロケット関連本~昨日のつづき~🚀

昨日、

で、ロケット本を何冊か紹介しました。そこにも書いた通り、これらの本が起点になってどんどんとロケットな世界が広がっていくのですです。
今日はちょろっとそのあたりも紹介しておきます。前回ともども、作家さんの名前など敬称略(あるいは「さん」つけ)でいきます、ご了承ください。

まだまだいろいろあるよ

上半分の「ロケット団」関係の真ん中においてあるのはコレ。

『トラ技スペシャル:宇宙ロケット

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『進め! なつのロケット団』①~②(他)レビュー

『進め! なつのロケット団』①~②(他)レビュー

『進め! なつのロケット団』①~②
あさりよしとお(著)🚀

②巻まとめてご紹介です。
①巻のころから紹介しよう紹介しようと思っていていたんですけどもー。
これ紹介しはじめるとあれもこれもとやたら広がり続ける話題なものでちょっとばかり手間を惜しんでいたら、なんと昨年末に②巻目がでてしまいました。というわけで、重い腰を上げてひょっこりご紹介なのですw

なぜって、この本を紹介するときは、まず同じ

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