マガジンのカバー画像

柴田葵 Aoi Shibata

19
運営しているクリエイター

記事一覧

2020年まとめ|よむ、眠る|柴田葵

2020年まとめ|よむ、眠る|柴田葵

もうめちゃくちゃな1年でした。
でも、本当に幸いなことに私も家族も元気にしています。生きるのに困る状況にまではなっていません。私はとても恵まれています。

一昨年、笹井宏之賞大賞受賞の連絡を受けました。
去年、歌集を出版していただきました。
今年は、歌集を手渡しできるような機会が複数ある予定でした。
それはすべてなくなりました。

しかし一方で、自分のなかで掲げていた目標は2つ達成しました。

もっとみる
創作関連やりたいこと|列挙|柴田葵

創作関連やりたいこと|列挙|柴田葵

計画的な師ならウォーミングアップを始める11月になりました。皆様、いかがお過ごしですか?

今年はもう、乗り切っただけでも一等賞という気持ちです。みんなそうだと思う。折り紙のメダルの作り方、リンク貼っておきますね。

さて、Qaiの11月のテーマは「創作関連やりたいこと」です。

私個人としては、創作関連のやりたいことはいっぱいあります。列挙しますので、もし何か「お、じゃあ仕事として依頼してみよう

もっとみる
推したり萌えたり|ラーメンズのためにチケットぴあに並んだ話|柴田葵

推したり萌えたり|ラーメンズのためにチケットぴあに並んだ話|柴田葵

何があってもなくても秋になりましたね。10月です。
同人Qai、今月の連載のテーマは「推したり萌えたり」。文化の秋らしいテーマ設定ですね。文化は人間がつくるもの。もっと言えば、人間の感情がつくるものではないでしょうか。

大風呂敷を広げましたが、個人的な、昔話をします。

ラーメンズというコントユニットがあります。小林賢太郎さんと片桐仁さんの2人組です。「知っての通り」とも「知らないと思いますが」

もっとみる
読書感想文|漫画『女の園の星』|柴田葵

読書感想文|漫画『女の園の星』|柴田葵

和山やまさんの漫画『女の園の星』について語らせてください。

1話目は作者の和山やまさんがTweetされています。
女子高に勤務する男性教師・星先生が主人公の物語です。

えーと、どうしよう、語れと言われると溢れるようにいくらでも語れてしまいますね。何から書いたらいいと思います? 「手の描かれ方の美しさ」からにします? ……詩・俳句・短歌の同人Qaiのnoteなので、ここはひとつ、短歌と関連した視

もっとみる
部活と私|演劇部だったよ、今も|柴田葵

部活と私|演劇部だったよ、今も|柴田葵

私は中高一貫校に通っていて、その間ずっと演劇部だった。6年間だ。
身長は164cm。短髪で眼鏡をかけていた。当時はまだハードタイプのコンタクトが主流で、たびたび目は痛くなるし、高価で、煮沸消毒が必要だった。だから眼鏡だ。

自意識が強すぎたんだと思う。簡単にいうと、私はもったりした体型だった。ニキビもひどかった。クレアラシルも効かなかった。男子とは喋れなかった。女子だって仲良くなるまでには時間がか

もっとみる
Tribute to 歌集『母の愛、僕のラブ』

Tribute to 歌集『母の愛、僕のラブ』

from Qai.

歌集『母の愛、僕のラブ』柴田葵(書肆侃侃房)
Now on sale!

本も心もしっかり抱えて逃げぬいて。あなたを燃やせば皆あたたかい
柴田葵

自己紹介と記事3選|柴田葵

自己紹介と記事3選|柴田葵

こんにちは。Qaiのデジタル最弱・柴田葵です。

Qaiは亜久津歩さんが声をかけてくださった同人です。同世代で、各家庭に子供がおり、関東に住んでいる、という共通点があるんですけれど、それぞれに個性が強く、優しくておおらかです。みんなすごいよ。

そんなQaiの今月の連載は「自己紹介と過去記事から3選」です。

まずは自己紹介ですが、私は短歌に取り組んでいます。福岡の出版社・書肆侃侃房が主催する笹井

もっとみる
2020年3月|今日を詠む|柴田葵

2020年3月|今日を詠む|柴田葵

春の咳 濁った海に浮かぶものどれも刺さると痛そうなもの

どうしてもこれしかなくて買ってからまだある変な色のビート板

茹でこぼす牛すじ元気な牛でしたあかるく風の強い日でした

流れていれば止まらなければ清らかでいられる水のような暮らしを

さきっぽだけ咲いた桜がゆれている 手を振るよりも手を繋ぐべき

たかし君をきよし君が追いかけてそのまま二度の改元がある

テレワークテレワークマンテレワープテ

もっとみる
創作とこども|つくれない|柴田葵

創作とこども|つくれない|柴田葵

わが子を短歌にすることについて、ずっと考えている。
考え込んでいる。

結論として「私は」「少なくとも当面は」私の現実の子供たちについて短歌にはしないことに決めた。また、現実に起こった私自身のことをそのままの形で短歌にすることも避けようと思う。私は彼らのことを守らなければならないのと同時に、幸運にも歌集を出版する機会に恵まれ、恵まれた以上はしっかりと売り、多くの人の手にとってほしいと思うし、自分の

もっとみる
2020年の抱負|歌集を売る・人になる|柴田葵

2020年の抱負|歌集を売る・人になる|柴田葵

2020年の抱負は、まず「歌集を売る」です!
どんな美しいヴェールに包もうにもこれを書かねば嘘になります。
昨年末に歌集を刊行しました。全国の書店・オンラインストアで発売中です。よろしくお願いします!

歌集『母の愛、僕のラブ』書肆侃侃房

読もう!!!
以上、というのも勝手すぎるので、もう少し書きたいと思います。

生活をしていて、つくづく不安がつのり、悲しみがつのる昨年でした。もちろん、楽

もっとみる
歌集『母の愛、僕のラブ』3人の3首選&新作3首

歌集『母の愛、僕のラブ』3人の3首選&新作3首

みなさま、こんばんは。
詩人・歌人・俳人による、
作りながら生きていくための同人『Qai〈クヮイ〉』です。

同人の柴田葵の歌集刊行をもりあげるべく、メンバー3人が評つき3首選をしました。※「」内は連作のタイトル。すべて歌集『母の愛、僕のラブ』からの選です。

歌集を手にとっていただく前にも後にも、ぜひ。
柴田の新作3首も併せてご覧ください。

ーーーーーーーーーー
from 箱森裕美

もっとみる
ミュージカルが苦手な人におすすめのミュージカルを考えた/柴田葵

ミュージカルが苦手な人におすすめのミュージカルを考えた/柴田葵

 今回は好きなものを語る回。好きなものを好きなように語るので、乱文です、ご容赦ください。好きに書くぞ。

 私はミュージカルが大好きなんですけれど、苦手な人がいるのは知っているし、その感覚もすごくわかる気がします。反ミュージカル派の筆頭・タモリさんが常々おっしゃる通り「なぜ急に歌いだすのか」という点が大きいのではないでしょうか。
 ただのミュージカル好きで、網羅的に見ているわけでもありませんが、会

もっとみる
【詩】冬支度/柴田葵

【詩】冬支度/柴田葵

壁に塗り込められたものも知らずに
カトレアを滝のように飾る人よ
臭気は生きている証左
彼方からあらわれた老人の髭は
なぜ女の首ばかり絞めるのだろう

噎せるほど土にまみれた記憶が
お前は女だと警鐘を鳴らす
芽吹かずに死んだ種で
ぼこぼこと頬をゆがませたシマリス
走っても走っても冬の入口だった

銀の匙は笑いながら変色し
侍女たちが泣きながら磨く
髭の老人と脚の生えた老婆をご覧よ
かつて老人は老婆を

もっとみる
【創作と道具】万年筆への憧れ/柴田葵

【創作と道具】万年筆への憧れ/柴田葵

みなさん、こんばんは。
作りながら生きていくための同人Qai(クヮイ)です。

noteでは、毎月同じテーマについて同人4人が順番に書いています。しかし、8月はお休みしました。なぜかというと、それぞれの子供たちが夏休みだったからです。私たちQaiは4人。なお、子供は合計7人です。(さあ、これで誰の家に何人いるかわかりません。アブラハムみたいに誰かんちに7人かもしれません)
「作りながら生きていく」

もっとみる