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原発事故、大震災、精神科医として
東日本大震災が起きた時、ぼくは北海道の単科精神科病院(100床)のたった2人の医師の一人だった。
何かできることがあれば、と思っていたが、直後に東北大精神科医局から全国の精神科医に支援要請。当然ながら東北地域の精神科医療は深刻な津波被害を受けて多くが壊滅状態、しかも未だ当時は不明点が多いながらも、福島第一原発の事故は一触即発状態(2011年3月中旬)。
副院長で理事という立場だったが、「皆のた
サイトカインストームとCOVID-19
このnoteをご覧いただいている皆様、いつも本当にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染者数も、北半球では真夏の日本も大都市を中心に愈々激増してきましたね。
前回まで、免疫学とCOVID-19を中心について書かせていただきましたが、今回はそのさらにその集大成クライマックスとも言うべき、COVID-19がもたらすサイトカインストームについて、少々深く、科学的・医学的な視点から説明していき
免疫とCOVID-19 其の四 T細胞免疫のお話 獲得免疫③
こんにちは。今回も拙文をお読み頂き本当に恐縮です。改めて免疫とCOVID-19のお話ですが、今回は特にT細胞による細胞性免疫に焦点を当ててゆきます。
COVID-19に対する全体的な免疫を考える上で、恐らくこの細胞性免疫が前回解説した抗体による液性免疫より、より本質的に最も重要で
「肝の中のキモ」
ではないかと個人的には考えています。
なので今回はより一層気合を入れて専門的にゴリゴリ、でも
緊急提言-速やかに大規模RT(or Real time)-PCR検査拡充を
東京を先頭として、日本の各都市で新型コロナウイルス感染者数の増加が著しく、既に更なる指数関数的増加を示しているのは明らかであると思われる。
曲がりなりにも東京で臨床医として働いているので、報道発表の感染者数が氷山の一角でしかないことは率直に実臨床上との乖離で容易に実感できる。
感染者増加は、徹底したRT-PCR検査、隔離徹底、追跡徹底、治療体制の徹底を行わない限り、歯止めが利かないのは、既に文
免疫とCOVID-19 其の三 抗体のお話ー獲得免疫②
此の度も拙文をお読み下さって本当に有り難うございます。今回は前回に引き続き獲得免疫の中の液性免疫の説明ですが、中でも特に世間でよくいう抗体の具体的な構造や機能について、出来る限り分かりやすく、しかし科学的本質の部分はしっかりと避けずに触れていきたいと思います。
特に最近、SARS-COV-2に対するワクチンの治験が第三相試験まで進んだことが世界的なニュースにもなり、ワクチンによってもたらされる抗
免疫とCOVID-19 其の二 獲得免疫① 抗体産生のメカニズム
前回の自然免疫に引き続き、今回は特異的な外来異物病原体に対する特異的免疫応答である獲得免疫、なかんずく世間でよく言われる抗体とその産生の仕組みについて概説したいと思います。カバー写真なんで魚(然別湖にしか生息しないミヤベイワナ)やねん!、ってツッコミがあるかも知れませんが、進化系統樹的に、脊椎動物の魚類以降にこのメカニズムが生物に備わっています。
今回はかなり専門的になりますが、免疫反応の中核か
免疫とCOVID-19 其の一
先ず始めに、拙文をお読み下さり、深く感謝申し上げます。今回は免疫学のお話ですが、ウイルスの治療を考える上で免疫システムの理解は必要不可欠です。しかし、免疫系の理解はかなり混み入っていて、免疫を担当する生体内の役者(主に細胞や、その分泌蛋白質)も非常に多く多岐に及ぶため、正確な理解がなかなか難儀なのが率直なところです。
今回、然しながら出来るだけわかりやすく概説し、目下の脅威である所謂「新型コロナ
新型コロナ第二波、及び自然災害と複合的な新たなpandemicへの警鐘ーインフルエンザ感染は新型コロナウイルスの感受性を高める
雨期を迎えて、日本でも中国でも大きな水害が再び国中を襲うようになりました。今回の日本の豪雨災害も極めて深刻で、今回、被災された方々の手厚い支援を心から望むと共に、犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。気候変動、地理的要因から、今後、大規模水害に止まらず、地震、火山活動、台風などの被害が日本で多発してゆくことは、しかしながら不可避と考えています。感染拡大が続く中、今後我々はどういった
もっとみる学校再開?
そりゃ、あ緩和。
新型コロナが重症肺炎になる理由
緊急事態が解除されて通常の生活が戻ったと思ったら、東京都では再び感染者数が増加に転じています。今後の第二波への推移が強く懸念されますが、改めて今回は、シンプルな疑問として
「どうして新型コロナウイルスは重症肺炎になるの?」
という部分に焦点を当ててお話したいと思います。この病態メカニズムの機序の理解は、後遺症や感染に対する理解を深める上でとても大切であると思います。このウイルス感染が普通の風邪
アザラシのコロナウイルス、水中感染とかあるんかな、とふと思った。ネコ目やし、、、めっちゃ距離近いからヒゲを介して感染しそう、、、発見したら世界初になるんかな?でも鼻は確か頭の上の方やし、、とか悩んでる仕事終わりの午後。
新型コロナウイルスから防御する方法
SARS-COV-2感染によるCOID-19は、これを書いている現在、有効なワクチンが存在せず、960万人の方が世界中で感染して、死亡者は約49万人で今も感染者と死亡者数は激増して世界中でパンデミックを引き起こしています。ここで改めて、米国CDCのガイドラインを元に、最近の知見に触れながら、このウイルスから自身と他人を守る方法を改めて確認したいと思います。
1・どのようにウイルスが広がるのをかを
閑話休題、写真のお話
素人のぼくにとって、写真は正直、スケッチ、お絵かきと同じ。本当はゆっくり風景画を描きたいのだけれど、時間的制約からそれが出来ない。だから、写真はぼくの心と網膜に刻み込まれた印象的な映像を、カメラで絵筆代わりに再現、と思っている。
最初、シグマの広角単焦点レンズを使って北海道の自然を撮って楽しんでいたのがぼくの写真事始。上はそれで撮った大雪山高原沼の紅葉(此処はヒグマがとてもよく出ちゃう)。
そ
Without Corona
現在、ぼくの住む東京では、いつの間に気づいたら、所謂新型コロナウイルス、SARS-COV-2と共存して生活することが提唱されていて、そう求められている。
ただ、一寸待って欲しいな、と思う。ぼくらが対峙している相手は、通常感冒を引き起こすライノウイルスやRSウイルス、アデノウイルスでなければ、毎年やってくる季節性インフルエンザウイルスでもない。法律で定められた指定感染症の中でも、最強にして最悪クラ
生命を大切にしない社会
北海道から東京に移り、精神科臨床医として働いたこの6年、どうにも腑に落ちないことがある。
それは、社会があまりにも生命を粗雑に扱っているということ。
この6年間の日本社会はそのまま二次自公政権の世界と重なる。
2012年12月、生活保護費削減をスローガンに掲げて、民主党政権から自公連立政権へと政権交代が行われ、公約通り、生活保護費は閣議決定とやらで矢継ぎ早に削られてきた。
2015年に住宅