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緊急提言-速やかに大規模RT(or Real time)-PCR検査拡充を

東京を先頭として、日本の各都市で新型コロナウイルス感染者数の増加が著しく、既に更なる指数関数的増加を示しているのは明らかであると思われる。

曲がりなりにも東京で臨床医として働いているので、報道発表の感染者数が氷山の一角でしかないことは率直に実臨床上との乖離で容易に実感できる。

感染者増加は、徹底したRT-PCR検査、隔離徹底、追跡徹底、治療体制の徹底を行わない限り、歯止めが利かないのは、既に文献からもあまりに自明過ぎる。

このまま秋、冬のインフルエンザシーズンに突入すると最悪のシナリオになりかねず、夥しい数の犠牲者が出て、医療などの社会インフラが崩壊し、人々の生活、経済の更なる崩壊に繋がる。

SARS-COV-2パンデミックによる本当の帰結がどのようなものか、多くの人はメディアのバイアスの影響の所以か、あまりにも不正確かつ無知であり、正常性バイアスは至るところに溢れている。

今後、日本が現状のまま突き進めば、破局的な自然災害、戦争レベルの犠牲者が出ることは明らかである。

現にアメリカでは医療インフラや社会保障上も深刻な事態に直面し深刻な事態を直視して対策をとらないとどういう帰結に至るか、ブラジルの現状を鑑みてもあまりに明らか過ぎる。

繰り返す。

罹患率、死亡率を減少させるためには徹底した検査施行、隔離、追跡が不可欠であり、必須である。

日本は先進国の中でも本来生命科学研究が進んでいた筈の国であり、世界を見習い、この国難的事態に対し、官民力を併せて同様に検査拡充に努める必要がある。

大学、研究所、民間検査業者には検査に必要な人的、物的資源が既に十分ある筈である。今まで横断的にそれらを活用しなかった不作為こそが不思議でならない。

指定感染症による法的な強制入院の縛りが検査数抑制に繋がっていたことも正直な背景であろうが、何より大事なのは人命であり、国民の生活である。

検査抑制は主客転倒、本末転倒も甚だしく、科学的根拠も欠き、人道的・疫学的にも深刻な問題があるため、速やかに改めるべきである。

軽症群は隔離経過観察というも、サイトカインストームによるARDSを来たし、全身に血栓・塞栓を来たす可能性があるのだから、経過観察群も病状の急変に備え、厳格な医学上の管理下に置かれる必要があるのは言うまでもない。

COVID-19対策における生命軽視、社会経済崩壊の無作為など、これ以上の非人道的対応は即刻やめて頂きたい。

上記、科学的・医学的根拠に基づき、提言をまとめる。

1・徹底したRT-PCR検査の連続施行、陽性者の隔離及び慎重な医学管理を。
2・症候性・無症候性を問わず、疑わしきは繰り返しの連続検査を。
3・感染者との接触者の追跡検査の徹底を。
4・上記を可能ならしめるため、十分かつ速やかな経済保障及び予算措置を。
5・過去のパンデミックの経験、及び現在実際に若年層に感染拡大が起っているため、学校等は速やかに休校等の措置を。
6・今後感染拡大に伴い、重症者の増加による医療インフラの圧迫も当然予測出来ることから、速やかな増床、資材確保・公正な配分を。

為政者諸氏は歴史の審判の前に立たされていることを心して欲しい。

止まることの無いパンデミックの蔓延による経済的損失、人的損失による今後のGDPの損失は、上記対策に十分なリソースを注ぎ込むことで回避出来る筈である。

一介の臨床医として、検査の不作為、生命の選別は人道に対する罪に値すると考えていることを申し添えておく。

患者さんのためにも、速やかな検査対応を心から希う。

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