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雑記

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2023年6月の記事一覧

「小林秀雄は永遠に新しい!」

今年は小林秀雄の没後40年だということで、講演会が開かれており足を運んだ。

小林秀雄の全集は一部を除いてほとんど読破したというのは私の数少ない自慢の一つなのだが、それでもこの講演会では多くの発見・学びがあった。

メモ書きにはなるが、その発見・学びを書き留めておこう。

大正期はベートーヴェンが人気だったが、小林秀雄と河上徹太郎によって日本におけるモーツァルトの人気が急上昇した。

小林秀雄の『

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6/25 シューベルト「ザ・グレイト」👏

本日は東京交響楽団×ミケーレ・マリオッティ指揮の演奏会へ。

前半はモーツァルトのピアノ協奏曲21番、後半はシューベルト「ザ・グレイト」。久々にとんでもない演奏会に出会ってしまった。

まずモーツァルトから感想を。
短いフレーズを繰り返したり、引き延ばしたり、それが難しくなると転調して全く異なる展開へと連なっていったりするものの、それが一つの統一感のある音楽になってしまう、このモーツァルトの手腕に

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2回目の蛍鑑賞

先週見た鎌倉の鶴岡八幡宮の蛍火があまりにも綺麗だったため、昨日も足を運び鑑賞してきた。

先週に比べ、かなりの人数が鑑賞に来ていたが、皆口を揃えて蛍を愛でていた。本来の姿はゴキブリにも見紛う少しグロテスクな見た目をしていると思うのだが、そんなのお構いなしに蛍が近づいてきても誰もビビらない。それだけ、自然の光というのは人を惹きつけてやまないのだろう。例えば、人工的に蛍のように不規則に動く光を作ったと

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泥酔の夜

今日は酒を飲みすぎた。1軒目はビール5杯くらいか、2軒目あまり記憶がない、3軒目はダーツに行ってテキーラ3杯は飲んだことをかろうじて覚えている。

いま帰路の中noteを綴っているのだが、ロンドンフィル×テンシュテットのマーラー3番終楽章を聴いても凡庸な演奏だと思ってしまうくらいに酔っている。指揮や楽団はともかく、あのマーラー3番ですら私の酔いを覚ますことはできない。

死の恐怖、退屈の恐怖、孤独

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蛍がいる鎌倉

昨晩は鎌倉の鶴岡八幡宮へ。蛍の放生があったとのことで、珍しく鶴岡八幡宮が一週間限定で夜間解放されており、境内で蛍を見ることができる。

見慣れた八幡宮も闇夜に包まれると妖艶に。

ちょっと階段を上がると、源実朝が公暁に殺されたあの場所も。実朝は夜に斬られたそうなので、彼の心境を慮りながら階段を一段一段歩いた。

階段を登ったらこの景色。当たり前だが、由比ヶ浜は見えない。

そして本命の蛍の池へ。

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初マティーニ

007シリーズに登場するジェームズ・ボンドの、カッコよくマティーニを飲む姿があまりにも魅力的なので、自分も真似をしたくて飲んできた。

パッと調べたらマティーニは「カクテルの王」という異名を持つらしく、その風格は何となく味から感じ取ることはできた(ただ正直、美味しいとは思わなかった😅)。

ビールと日本酒以外に好きなお酒がないので、マティーニを入り口として、カクテルの世界に踏み込んでみたいものだ

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機会損失を防ぐために

「今後、機会損失を絶対にしない」ということをここに誓いたいと思う。ここ数週間で2回も絶好の機会を逃してしまい、反省も込めて書き留めておく。

まずは先日オペラを観に行ったときのことだ。オペラハウスには珍しいことなのだが、隣に20代半ばくらいの人が1人で座っていた。1人でオペラに行くというだけでクラシック音楽好きの可能性がかなり高く、話したくて仕方がなかった。

ただ抵抗感を感じてしまって、ついに声

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チャイコフスキーを聴いてふと

チャイコフスキー交響曲6番を聴いていてふと。

この曲はチャイコフスキーが最後に書いた交響曲だが、同じくマーラーが最後に書いた9番にとても似ているなと。特に3楽章から4楽章への、人生の愉悦を味わい尽くした直後、死へと急降下する展開。徐々に灯火が消えて「無そのもの」へと向かって行くストーリーも酷似している(「無そのもの」へと向かっていく点では同じく死によって作曲が中断したブルックナー9番も同様か)。

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苦手なピアノとご対面

同居人がピアノを習い始めたとのことで、電子ピアノもついでに買ったらしい。

私自身、ピアニストのリサイタルやピアノコンチェルトが曲目にある演奏会に足を運ぶことは少なくないが、全くピンとこないほど、ピアノの音が好きになれないのだ。

そのため、億劫になりながらピアノの組み立てを手伝ったのだが、完成してちょっと弾いてみるとこれが思いの外楽しい。試しにワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前

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2回目の新国「リゴレット」へ

昨日は仕事を休んで、2回目の新国立劇場「リゴレット」(オペラ)へ。先日別の記事で感想は書いたが、今回も文句なしの超絶名演。終始舌をグルグル巻いていた。

やはり指揮のベニーニの指示は非常に明瞭で、オーケストラの東フィルも素直に応えていることもあり、「リゴレット」に欲しい音がそのまま表現されていた。

本作を超簡単にまとめると、

このようにあまりにも惨い悲劇なので、素晴らしい演奏に引き立てられたド

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