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Books

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世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
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#インド

頭でっかちなだけじゃ、生きてる辞書は作れない【映画:舟を編む】

頭でっかちなだけじゃ、生きてる辞書は作れない【映画:舟を編む】

ほとんどの人に知られていない、南インド在住者向けの小さな図書館があって、もし、そこで専属の図書館員とかになれるのであれば、毎日、来る人もいないけれど、一冊ずつ読んで、紹介していきたい。

「昔はもっと、外に開けていた」

この社会に30年、40年以上住む人々から、5年ほどコロナ禍を経て駐在している方々、そして最近インドに赴任となった、あらゆる人々と話す機会はある。そうはいっても、なかなかそこに就け

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インドが抱えている様々な問題は、地球全体が抱えている問題と同質【本:河童が覗いたインド】

インドが抱えている様々な問題は、地球全体が抱えている問題と同質【本:河童が覗いたインド】

インド旅行記の本は、この世の中にごまんとある。
特にバックパッカー的な、旅人情緒あふれる文章好きにとって、インドは「書きごたえがある」国だと感じる。

インドに来るときに、インド関係の本を20冊(と、旅する度に増える建築や南インド書籍たち)ほど持ってきていたのにもかかわらず、実はオフィスにもミニ図書館があり、なんだかんだ2023年は10冊も読めていなかったのけれど、ようやく、この傑作本『河童が覗い

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7000㎞離れたタミル語と日本語の旅路【本:日本語の起源、日本語の源流を求めて】

7000㎞離れたタミル語と日本語の旅路【本:日本語の起源、日本語の源流を求めて】

以前、インドで話される言語のうち、ヒンディー語とタミル語とマラヤラーム語を少しまとめていた。

今回は、タミル語が話される南インド、タミルナドゥ州在住の日本人の方に借りた、大野先生の本2冊『日本語の起源』『日本語の源流を求めて』を読んで、タミル語から見る日本語の起源について、歴史を振り返ってみたいと思う。

「皆が普段使っている言葉がよくわかっているかどうかが、とても大事」

言葉を厳密にとらえよ

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インドからベトナム、そしてタイへ「将来、何をしたら良いかわからない」と悩む人々へ【本:IKIGAI】

インドからベトナム、そしてタイへ「将来、何をしたら良いかわからない」と悩む人々へ【本:IKIGAI】

インドのデリーにある、本屋さんが立ち並ぶ Netaji Subhash Marg 通り。この通りにある、一軒の本屋さんで見つけた IKIGAI という本。この本は、スペイン人のFrancesc Miralles氏とHector Garcia氏が共著し、2016年春に出版された。

思えば、世界に溢れる様々な言葉の中には、その言葉を知る母語話者よりも、言葉の意味を見出して、世界に(再)発信されるもの

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本当の美は内面にある。人格や高い理想や人生の目的に。【本︰インテグラル・ヨーガ】

本当の美は内面にある。人格や高い理想や人生の目的に。【本︰インテグラル・ヨーガ】

心と身体と魂を、結ぶ。ヨーガの語源はユジュ(結ぶ)。何よりも寛容で、「あなたの身体は、誰よりもあなたのことを知っている」と、ヨガのポーズも物事の捉え方も、全てはあなたが心地よいと感じることを。と、常日頃から教えられる。そんな、ヨーガをするすべての人々へ向けた、聖書とも言われる聖者パタンジャリのヨーガ・スートラをまとめた本。

パタンジャリのヨーガ・スートラ

「ヨーガ・スートラ」は、事情に凝縮度が

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自分の地図をつくる洞察力とは【本:建築のエッセンス】

自分の地図をつくる洞察力とは【本:建築のエッセンス】

2000年に、建築家の斎藤裕氏により発行された『建築のエッセンス』という本からは、建築家の情熱と奥深さ、そして日本の空間と色彩美を学んだ。

「日本の建築って、なんで色彩が無くてつまらないんだろう」そんなことを南米や東南アジアで考えていたけれど、まさか日本の茶室や書院造に美しい空間と色彩を学ぶとは。そういえば、今思えば旅籠や書院造も、籠るだけ、書くだけ、という質素でいて壮大な花鳥風月を感じる場所だ

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