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検査異常パターン出現の順序性 と 個別性
順序に何の意味があるのかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ひとは歳を重ねつつ変化してゆき、パターンプロセス上の位置は、自分の過去とのつながりで存在します。
また、将来を予測し個人の生活習慣の改善ポイントや具体的な目標などを指摘するためにも現在に至るまでの経緯の解釈が重要で、今までの検査結果の履歴(データプロフィール)のパターンの推移の中に多くのヒントが含まれています。
健診を受けると各
エビデンス(証拠)はないけど効果がある?
「〇〇飲んだら〜に効きました。」エビデンス(証拠)はないけど効果がある?
巷でよく聞かれる文言です。医学常識から外れた主張もあったりして、なんで効くのだろうか?と疑問を持つこともあります。胡散臭さを感じながらも、長年治療を受けても変わらなかった症状が、ある事象を境に無くなれば、効いたと思うのは人的には自然な解釈です。
近年最も衝撃的だったのは、某クリニックが抗加齢学会で報告した重症糖尿病症例
第97回日本産業衛生学会IN広島 自由集会大盛況!
2024年5月23日から25日に行われた日本産業衛生学会にて、パターンプロセス理論研究会主催の自由集会がおこなわれました。
テーマは「現状と将来の危険度を「具体的に」お話しできる健康診断事後指導 ~肝機能の数値、保健指導に使えてますか?」でした。
平井先生からは、パターンプロセスの研究の変遷から、パターンプロセス理論が、健康診断の結果が、人の健康予後への影響、喫煙、がんに対してどのような意味を持
保健指導で遭遇する数多くの困難の源
健診では検査項目ごとに、基準値以上に区分を設け判定結果とされます。判定が一番重いのは要治療、次に要精密検査。そのあとに再検査、経過観察と続き、ほぼ正常なんて表現もあります。かくして、検査数が多い健診では項目ごとに異なる判定がずらりと並び、一番判定の重いものが総合判定とされる決まり事?が踏襲されてきています。事業所で実施される定期健康診断の後は、数多くの有所見者が見出され、総合判定別に一覧表なども
もっとみる第97回日本産業衛生学会で自由集会を実施します
このチラシを見て私のことって思った方肝機能の指導に迷っている方。健診結果を複合的に見たい方。面談の優先順位をつけたいと思っているかたぜひご参加ください。
日時 5月25日(土)10時から10時50分
テーマ:現状と将来の危険度を「具体的に」お話しできる健康診断 事後指導 ~肝機能の数値、保健指導に使えてますか?
内容:この研究会では、平井医師が研究された「パターンプロセス理論」は、健康診断の結
健康診断の結果からみる淘汰
健康診断を始めて30年近く、今までに数多くの方々が目の前を通り過ぎてゆきました。当初出会った方々の中にも、もう亡くなってしまわれた方もいるかと思われます。健康診断はそういった方々の人生に貢献できていたのか……。高齢化社会と言われて久しく、自分自身もその中の一員になった現在、自問自答してみることが近年増えてきました。
健康管理にたずさわる身ですので、健康診断は健康長寿に貢献していると思いたいところ
高LDLコレステロール血症の男女差の意味するところ
LDLコレステロール(LDL-C)は本来体にとっては必須の成分であるにも関わらず悪玉コレステロールと呼ばれて久しく、現行の健康診断においても数多くの有所見者が存在します。しかしながら、悪玉と呼び、判定および対応する上において疑問に感じることも数多く経験されますので、今回はLDLCの増加と悪化の転機および性差の存在する意義についてパターンプロセス理論の観点から考えてみました。途中、素因型や生活習慣型
もっとみる高尿酸血症の意義について
尿酸と聞くと痛風という足の親指の付け根が腫れて非常に痛い発作を伴う病気が思い浮かぶ方も多いかと思います。
尿酸を体内の細胞に含まれる核酸の成れの果て……いわゆる老廃物と考えれば早く捨て去ってしまいたい。痛い思いするのは嫌だし…。健康診断で高尿酸血症を指摘され、治療と称してお薬を飲んでいる方も多いと思います。痛風の発作を起こした方ならまだしも、発作の経験がない方も発作を恐れてお薬を飲んでいる方も多
飲酒習慣の影響の個別性
前回喫煙習慣についてお話ししましたので、今回は飲酒習慣の注意点についてお話しします。生活習慣において飲酒習慣は大きな影響因子ですし、パターンプロセス理論においても肝機能異常は重要な意味を持つため外すわけにはいけませんが、極めて個人差が大きいのも事実です。
よく言われる「飲み過ぎに注意……。」という表現も飲む方々にとっては主観的にさまざまに解釈されています。一方で適正飲酒量なども定義されていますが、
パターンプロセス理論の基礎
第1回目でお話しした散布図上の法則性から、基本パターン16群に、各々高血圧が加わり、耐糖能異常が加わる過程(プロセス)が存在すると定義して現されたのが図のようなパターンプロセスです。耐糖能異常の生じるプロセスには高血圧を介しないものも存在し2系列存在します。
64パターンとは言っても、個人の中では、16の基本パターン内のいくつかを行き来しながら、加齢とともに高血圧、耐糖能異常を合併してゆきますの