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パターンプロセス理論の基礎


第1回目でお話しした散布図上の法則性から、基本パターン16群に、各々高血圧が加わり、耐糖能異常が加わる過程(プロセス)が存在すると定義して現されたのが図のようなパターンプロセスです。耐糖能異常の生じるプロセスには高血圧を介しないものも存在し2系列存在します。

64パターンとは言っても、個人の中では、16の基本パターン内のいくつかを行き来しながら、加齢とともに高血圧、耐糖能異常を合併してゆきますので、16パターンと時系列上に沿った高血圧、耐糖能異常の組み合わせと見ることができます。

健診を受けると最初に経験する異常パターンが16個あり、その後の道筋が、高血圧が先か耐糖能異常が先かで各16コース存在すると考えれば良く、最終的には高血圧と耐糖能異常を併せ持ったパターン(ターミナルパターン)にたどりつきます。

コースは本人が意識する・しないに関わらず生活習慣の影響によって変化し、途中経過としての高血圧、耐糖能異常の出現は、素因の強弱により出現時期が前後しますので、場合によっては高血圧や耐糖能異常から始まる方もいます。

また、男女のパターンプロセスを比較すると明確な性差が存在します。女性は上記の法則性は維持されつつも50歳頃まで基本パターンの出現が抑制される傾向があり、この抑制が女性ホルモンの抗酸化作用によるものと考えられます。

パターンプロセスの概略について述べました。1回目に投げかけられた健診結果についての素朴な疑問はこの中ですべて説明可能です。

食習慣、飲酒習慣、運動習慣などの生活習慣や現代社会のストレス等によって、個人の加齢の質は影響を受けていると考えられ、その背景には酸化やインスリン抵抗性の亢進状態および交感神経の過緊張状態(ストレス)の存在および関与が示唆されます。それら影響の個別性を汎用検査6項目のパターン変容で解釈するのがパターンプロセス理論です。

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