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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#投資

「新NISA」は「投機」?

「新NISA」は「投機」?

 立場上色々言わなければいけない事情はわかる。だが年初からの「円安」を「投機」というなら、月間2,000億円近くもの「オルカン」(オールカントリ-)やS&Pなどの「新NISA」は「投機」なのか?

 どうも「投資」と「投機」の定義が曖昧だ

 良く出て来る ”ファンダメンタルズ” もそう。優秀な官僚がついているのだから、もっと*データに基づいて定量的分析など具体的な説明をすべき。一般庶民にはわから

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なぜアメリカ人は@7%の住宅ローンを借りるのか?

なぜアメリカ人は@7%の住宅ローンを借りるのか?

 17年振りの「金融引締め」に世間は大騒ぎ。特に住宅ローンの 「固定金利」か「変動金利」か。ー 「銀行」の立場から考えて見る。|損切丸 (note.com) の議論が喧しい

 ここで一つ、 "ある疑問" を提起してみよう

 住宅ローンに関しては2つ論点がある:①「資金繰り」と②「投資」だ

 ①「資金繰り」

 日本における「変動金利か固定金利か」の議論はこの「資金繰り」に終始している。つまり

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「タラントンの例え」と日本人

「タラントンの例え」と日本人

 娘がいわゆるミッション系の学校に通っていた関係でこの話を聞いてきた奥さんがショックを受けていた。曲がりなりにも英銀に22年勤めていた筆者は何となく理解できたが「清貧思想」が染みついている日本人には理解し難い話かもしれない

 この例え話には「お金」以外にも様々な解釈があるのだが、ここでは敢えて日本人と「投資」の話にしてみよう

 真っ先に思い浮かんだのは「地中に埋めた1タラント」≓「銀行預金」。

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「流れ」と「需給」と「偏り」- AIと相場の相性

「流れ」と「需給」と「偏り」- AIと相場の相性

 筆者は理系でもないのでコンピューターや高等数学には疎い。仕事柄「クォンツ」など理論派の掲げる投資システムに触れることもあったが、はっきり言ってチンプンカンプン(苦笑)。Java、C++、Python等プログラミング言語など知る由もないが、基本「0」と「1」の組み合わせでそれをどんどん細分化していくことで複雑な算式が成り立っていると理解している

 相場も基本「買い」と「売り」しかない。だから一見

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悪い ”胸騒ぎ”

悪い ”胸騒ぎ”

 日経平均は連日「バブル後最高値」、S&Pも@5,000ドル台、何もかもが順調に進んでいるように見えるが、筆者には漠然と悪い ”胸騒ぎ” が押し寄せている。今回はこれといって具体的なデータの裏付けはないが、まあ ”天邪鬼” な元・金利トレーダーの習性かもしれない

 やはり主因はモゾモゾと上がっている「金利」。米雇用統計やISM指数など「インフレ」復活を想定させる指標が相次ぎ、一時傾斜のきつい「逆

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 "クレディビィリティ" (信用)の危機 -「お金」はどこへ向かうのか?

"クレディビィリティ" (信用)の危機 -「お金」はどこへ向かうのか?

 大統領返り咲きを狙う "T" 御仁が吠えているが、シェールガスをドンドン掘れ、という事らしい。「インフレ」で生活が苦しいアメリカ人に訴えている訳だが、こういう所は非常に上手い。まさにポピュリズムの権化。鬱憤が溜まりすぎて「脱炭素」などクソ食らえ!という感情も判らなくはない

 一方OPECなど産油国も必死。原油価格が@50~60ドルなんてことになれば今までのように "贅沢" できなくなるし「戦争

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 "BEST" じゃなくて "BETTER" でいい

"BEST" じゃなくて "BETTER" でいい

 英語の文法が少し判る方ならこの "公式" が間違っているとすぐ気付く。 "BEST" (最良)が "BETTER" (より良い)を上回っているのは当たり前。ただ「投資」ではこの "公式" が成り立つ。"BEST" を求めすぎれば "BAD" (悪い)"WORSE" (より悪い)"WORST" (最悪)も有り得る

 「新NISA」で最近話題の*「オルカン」(オールカントリー株式信託)だが年初1日

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日本人にとっての「最適投資」2024 - 優先するのは「円安」それとも「インフレ」?

日本人にとっての「最適投資」2024 - 優先するのは「円安」それとも「インフレ」?

(参照) 日本人にとっての「最適投資」は...。 ー 2022年に儲かったのは誰?|損切丸 (note.com)
 日本人にとっての「最適投資」2023。- 円金利上昇で狭まる選択肢。|損切丸 (note.com)
 続・日本人にとっての「最適投資」2023。- 跳ねるか ”卯(うさぎ)年” 。|損切丸 (note.com)

 「グローバル・ソブリン」(通称「グロソブ」↑ 標題添付グラフ)って覚

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日本の「インフレ」の正体。その後...

日本の「インフレ」の正体。その後...

 日本の「インフレ」の正体。|損切丸 (note.com) を書いたのが約1年半前。それからこの国でどういう変化があったのか、検証してみた

 前稿の中で強調したのが20代 ≓「Z世代」の「値上げ許容度」の低さ。ただこれも「インフレ」を実体験して変化が起きつつある。ようやく 「預貯金」では「インフレ」に追い付けない!|損切丸 (note.com) という "FACT" (事実)に辿りつきつつあるよ

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続・「利下げ」はまだ気が早過ぎる ー 「時間」を買うか「リスク」を買うか

続・「利下げ」はまだ気が早過ぎる ー 「時間」を買うか「リスク」を買うか

 「利下げ」はまだ気が早過ぎる|損切丸 (note.com) の続編

 マーケットは+2%台のCPI → 年明け一気に「利下げ」相場を期待していたようだが、やはり「利下げ」はまだ気が早過ぎる。*ガソリン価格が急落する反面、家賃が上昇。しつこいアメリカの「インフレ」が確認された。

 本日(12/13)FOMCの声明文や記者会見でも早期「利下げ」を示唆するような発言は期待薄。ただ大統領選を来年に控

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日銀・財務省の本音は「円安」維持? ー 「利上げ」≓「預金税減税」

日銀・財務省の本音は「円安」維持? ー 「利上げ」≓「預金税減税」

 日銀の安達委員の発言。タイミング的にはタカ派(≓利上げ推進派)と見られていたFRBのウォラー理事の「利下げ」示唆発言と連動しており、ひょっとすると裏で連携している可能性もある。

 米国の「利下げ」観測はどんどん前倒しになっており、今や2024年央から始まることになっている。

 さてさて昨日(11/29)も良く見ていると 令和でまたまた復活?「意地の悪い相場」ー 今度はドル円|損切丸 (not

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「金利」の上昇が止まらない。ー 世界的に「逆イールド」は解消へ向かう。

「金利」の上昇が止まらない。ー 世界的に「逆イールド」は解消へ向かう。

 米国債の売りが止まらない。特に10~30年ゾーンの長期債の値崩れが激しく、@5%へ向けて ”レベルチェンジ” が起きつつある。「お金」のないロシア、ブラジル、トルコなど ”二桁金利” の国でも「金利」は上がる一方だ。

 前稿.続・タイミングを計る日銀・財務省。ー 忍び寄る "灰色のサイ” の影。|損切丸 (note.com) でも紹介したが、2030年に世界の労働力が▼8,500万人不足すると

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行き場を失った「お金」はどこへ? ー 米国債が売られるとろくな事がない。

行き場を失った「お金」はどこへ? ー 米国債が売られるとろくな事がない。

 米国債市場が「投資」の場としては厳しい状況に陥っている。中堅のシリコンバレー銀行(SVB)を破綻に追い込むぐらいだからその惨状は想像に難くない。日本でも地銀勢が▼数千億円の損失を計上。高い名目金利を追いかけた結果とも言えるし、"偽りの逆イールド" に騙された面もある。

 本格的な「インフレ」→「利上げ」局面を迎える時、中途半端な中長期債投資は御法度。 ”金利が死んだ” 超低金利環境が20年以上

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続・「ドル高」「円安」の終焉(?)。ー 「経常収支」「貿易収支」の黒字転換の意味する事。

続・「ドル高」「円安」の終焉(?)。ー 「経常収支」「貿易収支」の黒字転換の意味する事。

 「ドル高」「円安」の終焉(?)。ー 「GDPギャップ」プラス転換が示唆する事。|損切丸 (note.com) の続編。

 突っ走る「円安」とは対照的に、この国の貿易収支ないし経常収支が黒字転換。後者に至っては単月として過去最大の黒字額だという。本来「円高」要因となるはずがドル円が逆に動いている。どうしてか。

 ここは どうする?「外貨投資」。ー 「イールドカーブ」の形状が変わる米国債。|損切

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