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食べるを愛でる

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食にまつわるあれこれ
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#感覚

食べるを愛でる。

食べるを愛でる。

いつも、タイトルを思いついてはその先を書かず、下書きに残っていることが多い。これもそのひとつだ。
そうしたいと思う時が、きっとベストタイミング。ということで書き進めてみることにした。

わたしは、食べることにまつわる行動や想像が好きで仕方ないところがある。
なにしろ、人間生きていればお腹はすくようにできている。

スーパーで食べたいものを想像しながら食材たちと見つめ合う。あ、今日は白菜が安い。

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塩なしポテトをめぐる考察

塩なしポテトをめぐる考察

たまにフライドポテトを食べたくなることがあって、最近はなんとなくその頻度が上がっているように感じる。
特に塩なしのそれは、温かいうちに食べるとほんのりした甘みを感じられるからとても好きだ。

でも、お店が混んでいる時に塩なしを注文してしまい、受け渡しの時に微妙な空気が流れたことがあった。おそらくアルバイトであろうスタッフさんの顔には、面倒な客だという感想が顔に書いてあるように見えた。

美味しいポ

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器の存在感

器の存在感

先日、久々にプラスチックの器でごはんを食べる機会があった。料理を口にするときの器は、プラスチックよりも陶磁器のほうが手に馴染んでくれる感じがするから好きだ。

プラスチックになっているのは、割れる危険が少ないとか、重くないといった、取り扱い上の理由がなんとなく想像できる。それでも、やっぱり手に持った時の重みや、口をつけた時の感覚が、陶磁器のそれとは全く違う。

全く同じメニューで、器だけが違う状態

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ささやかな場所

ささやかな場所

食べログやSNSにお店の情報はほとんど出てこないけれど、そこの心地よさを知って、近所の人たちに愛されるお店の存在がある。店主の方もそれを大切にしていて、なんだかいいなと思った記憶がある。

またこの場所に来る時は訪ねて挨拶をしたくなる、そういうお店だ。

見境なく拡散されることは一概にはいいと言えないし、本当にいいものは店主さんのできる範囲で、周りの人たちに伝わっていけばそれでいいのかもしれない。

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不完全だっていいじゃないか

不完全だっていいじゃないか

めずらしい形の雪の宿を発見したときのこと。しょっぱいおせんべいに甘い味が付いているお菓子だ。しょっぱさと甘さの絶妙なバランスが気に入っている。

いつも見るそれはまんまるな形をしているけれど、製造過程でふにゃっとした形になったのだろう。今まで見たことのない形だったし、むしろ愛おしさすら感じた。

雪の宿に限らず、これはこうあるべき!というのも苦しいから、いいじゃんこういうのも!と、しれっと受けとめ

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身も心もよろこぶ小さな旅

身も心もよろこぶ小さな旅

ずっと行ってみたかったご飯屋さんに訪れた。
野菜もりもりの栄養たっぷりランチ。
色合い、歯ごたえ、酸味、甘み、塩味や匂いなど、五感で楽しめるのも良い。

たまたま空いていた壁際のすみっこ席へ座り、その美味しさとボリュームに感動して、ひとりにやにやしながら黙々と食べていた。壁際なので誰にも気づかれていないはずだった。

「おいしいですか?」
わたしの少し後に入店して、2つ隣の席に座っていた外国人の方

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人を良くする食

人を良くする食

この前、出来たてのいなり寿司を食べる機会があって感動した。

些細なことで気分が傾いて、イライラしてしまうことがある。
そんな時はひとり時間を確保して、いま1番食べたいものを食べると少し楽になる。

食という字は人を良くすると書くのだと教えてもらって、本当にそうだなと腑に落ちたこともある。

でもどういうわけか、お腹が空いているわけでもないのに、食べ続けてしまう自分に気づいた。感情にまかせて食べて

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