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体育授業

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#スポーツ

鉄棒バトルカード

鉄棒バトルカード

はじめに皆さん、こんばんは。
12月も中旬に差し掛かり、2学期も残すところあと2週間となりました。
そこで、2学期に手応えのあった体育授業の実践を振り返り、noteにまとめました。
ぜひ、お読み頂き、多くの先生方の参考になれば幸いです。

みんな嫌いな鉄棒の授業11月に鉄棒の授業をしました。
鉄棒の授業をすることを伝えると、多くの児童が「えー😱!!」という声をあげました。
子供達に嫌いな理由を聞

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ポスト・スポーツの時代の体育〜思考中心体育〜

オリンピックやワールドカップのようなグローバルなメガスポーツイベント、もはやどの季節でも風物詩となっている学生の日本一決定戦、日常に溶け込んでいるプロリーグの試合。種目さえ選ばなければ、もうスポーツを観ない日はないくらいにあふれている。

今、そんなスポーツに大きなパラダイムシフトが起きている。それをもたらしたのは、紛れもなく「テクノロジー」だ。

スポーツを激変させたテクノロジーこれまでも、テク

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【実践編】マット運動×ゲーム ~カードバトル~

【実践編】マット運動×ゲーム ~カードバトル~

今回は、マット運動の新たな実践スタイルを提案する。これまでのマット運動といえば、「開脚前転」や「後転」などの技がテーマとなり、全員が同じ技を練習することが当たり前となっていた。したがって、個人の能力差が顕在化しやすく、また「できることが正義」のような強いプレッシャーもあり、極めて淘汰的な体育授業になりがちであった。

その解決策として、私は以前「パルクールスタイル」を提案し、多くの方に実践もしてい

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子供も先生も楽しめる体育授業モデル

子供も先生も楽しめる体育授業モデル

1 はじめに子供たちの好きな教科に挙がることが多い体育。その反面で体育嫌いの子供がいるのも事実である。同時に、先生にも体育が苦手な人がいる。そして、私自身も苦手な教科の授業というのは、本当に億劫である。
その原因として考えられるのが、「基本的な授業の型ができていない」ということではないだろうか。逆に、それができれば自分なりにアレンジしたり、具体的な手立てを考えたりすることができる。また、子供にとっ

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「する」「見る」「支える」で作る体育授業

「する」「見る」「支える」で作る体育授業

スポーツには、主に3つの関わり方がある。これらの中の一つでも欠けると、スポーツが成立しなくなる。もしくはスムーズに運営するのが難しくなる。
①「する」
プレーヤー。当然だが、プレーヤーがいなければ成り立たない。そして、スポーツの楽しさを最も味わえる関わり方である。

②「観る」
スポーツを観戦する人。
サポーター等、応援してくれる人達がいるからこそスポーツは成立している。人の心を動かすだけでなく、

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「打つ方も、守る方も考える」ベースボール5の授業

1 はじめに 以下の記事から初めてベースボール5というスポーツの存在を知った。

 まず、驚いたのがルールの工夫である。従来のベースボールでは、攻撃側はボールを遠くに飛ばすことを求められることが多い。しかし、このベースボール5では、遠くに飛ばしすぎてはいけない。また、守備や走塁についてはベースボールの醍醐味をそのまま残している。
 私はベースボール5というスポーツに大きな魅力を感じた。そこで、実際

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技能の伸びをタイムで感じる2人リレー

技能の伸びをタイムで感じる2人リレー

1 リレーの特性 リレーは、走る速さに加えて、スムーズなバトンパスが求められる。走るのがいくら速くてもバトンが次の走者に渡らなければ記録は残らない。陸上競技を見ていても、このバトンパスの場面は、ものすごい緊張感に包まれる。バトンパスこそがリレーの醍醐味といっても過言ではないだろう。また、陸上競技の中では、数少ない団体種目である。陸上競技の中では、友達と協力して記録を向上させる体験を味わわせることが

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これからの体育授業

これからの体育授業

1体育は、人気者?嫌われ者? 筆者の実感として、毎週の体育の授業を楽しみにしている児童はとても多い。その反面で自分の運動能力に劣等感をもっていたり、新しい運動への恐怖心を抱えたりする児童も見掛ける。
 学研総合教育研究所が小学生1200人を対象に調査した好きな教科ランキングでは、3位に体育がランクインしている。しかし、嫌いな教科でも3位にランクインしている。(下図参照)

 体育は、運動が得意な子

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「子どものスポーツ格差」から考える今後の学校体育

「子どものスポーツ格差」から考える今後の学校体育

1はじめに 最近読んだ本の中で、特に考えさせられる1冊があった。それは「子どものスポーツ格差」(清水紀宏著・大修館書店)である。体力の低下や二極化が叫ばれて久しい。そこには、テレビゲームの普及や三間(時間、空間、仲間)の減少等によって、外遊びをはじめとする身体活動の機会が減ったこと等が原因として挙げられることが多い。
 「子どものスポーツ格差」では、また新しい切り口から体力の低下や二極化について論

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「観せずに楽しむ表現運動」

「観せずに楽しむ表現運動」

1はじめに 表現運動の授業に悩まれている方はとても多いのではないだろうか。私もその1人で、表現運動には苦手意識があり自信をもって教えることができずにいた。
 表現運動では、発表会をゴールとして設定したり、友達と演技を見合ったりする活動をよく行う。実際私も同じように行うことが多かった。そのような授業は、一見盛り上がりを見せ、充実した学びがあったように感じる。しかし児童の中には「恥ずかしい」「自信がな

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子供が体育を満喫するために必要な目標設定とは?

子供が体育を満喫するために必要な目標設定とは?

体育では、同じ授業に参加していても子供によって目標が異なる。
例えば、「持久走」の授業において
 ①あの子に勝ちたい(相手中心)
 ②自己ベストを出したい(自分中心)
 ③○○分以内に走りたい(課題中心)
など、個人で様々な目標設定をする。
また、「ベースボール型ゲーム」の授業においても
 ①ゲームに勝利したい(相手中心)
 ②活躍してチームに貢献したい(自分中心)
 ③ヒットを打ちたい(課題中心

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かけひきを楽しむ思考型ランニングゲーム3選

かけひきを楽しむ思考型ランニングゲーム3選

11月になると、毎週のように大学生や実業団の駅伝大会が中継されるようになる。そしてその流れに乗るかのように、学校現場でも「持久走」のシーズンが幕を開ける。しかし、これまで一般的に行われてきた伝統的な「自分との戦い」を強いる持久走は、全く楽しさに触れることができず、マラソン嫌いや運動嫌いを大量生産する装置と化している(これについては別稿で詳細に述べている)。

そこで、今年度体育主任である私は、自校

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体育デザインに必要な3つのポイント

体育デザインに必要な3つのポイント

日頃より私の記事やTwitterでの発信をご覧くださりありがとうございます。最近、DM等で「アカデミック先生は体育でどんなことを意識していますか?」「先生の考え方を授業に反映させるとしたらポイントは何ですか?」などの問い合わせをいただく機会が増えました。数百文字の短いテキストで伝えることは困難だと感じたため、本稿に記すことにしました。尚、すでに過去noteにまとめた内容もあるので、下記リンクよりご

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【実践編】頭フル回転 究極のおに遊び ~四すくみ~

【実践編】頭フル回転 究極のおに遊び ~四すくみ~

おに遊びは、子供たちの中で遊びの定番である。シンプルな「おにごっこ(”かわりおに”ともよばれる)」から「ふやしおに」「こおりおに」「ドロケイ(ケイドロ)」など、様々な種類のおに遊びがつくられ、どんなに疲れていても笑顔で走り回る子供の姿が多くみられる。一方で、圧倒的に逃げる側が有利な構造が発生し、「無理ゲー」と化してしまう場合もある。逃げる側と追う側のパワーバランスが崩れると楽しめなくなるという特性

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