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これからの体育授業

1体育は、人気者?嫌われ者?

 筆者の実感として、毎週の体育の授業を楽しみにしている児童はとても多い。その反面で自分の運動能力に劣等感をもっていたり、新しい運動への恐怖心を抱えたりする児童も見掛ける。
 学研総合教育研究所が小学生1200人を対象に調査した好きな教科ランキングでは、3位に体育がランクインしている。しかし、嫌いな教科でも3にランクインしている。(下図参照)

 体育は、運動が得意な子のみが楽しみ、その裏で苦手な子が辛い思いをしていると考えられる。いわゆる二極化傾向が顕著に表れてしまう教科でもあることが分かる。
 では、なぜそのような状態になってしまうのか。それは現状、ほとんどの体育授業が技能習得に偏ってしまっているからだと考える。それを改善するためには、スポーツの多様な楽しみ方を体験させる必要があると考える。

2技能偏重の体育授業

 学習指導要領などでは、「する、みる、支える」のスポーツとの多様な関わり方の必要性が示されている。

 この「する」の部分で、技能習得にこだわるあまり反復練習やトレーニング的な内容中心の授業を見かける。確かに技能習得だけを考えれば近道になるかもしれない。しかし、そのような技能偏重の体育は、運動嫌いを助長し、二極化傾向を顕著にしてしまう。それは結果として豊かなスポーツライフの実現の妨げとなる。
 では、豊かなスポーツライフの実現を目指したこれからの体育授業とはどうあるべきなのか。

3これからの体育授業

 運動を「する」ということは、体育の最大の楽しみである。同時に、そのアプローチの仕方を間違えると前述のように運動嫌いを助長してしまう。
 私は技能習得を保障すると共に、スポーツの楽しさや特性に触れさせることが重要だと考える。楽しむということは、必要感をもって技能習得に向かうことができる。結果、トレーニング的な内容よりも技能習得率も上がり、児童が思考・判断・表現する場面も増える。
 同時に、「する」に加えて「見る、支える」の視点でスポーツの楽しさを体育授業の中で体験させることも重要だと考える。スポーツとの多様な関わり方を体験することで、自分に適したスポーツの楽しみ方や新たなスポーツとの関わり方の発見にも繋がる。それが結果として豊かなスポーツライフとの実現にもつながると考える。

4授業展開例

 以下の授業実践例では、「する」以外にも「見る」と「支える」の活動も取り入れた単元構成にした。


この記事が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。


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