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あしたの小窓から。

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小窓のむこうに、ちいさな「あした」が見える。 ここでは音楽、教育、投資、霊性などについて、考えたり感じたりしたことをつれづれに綴っています。
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#歌

ラストソング。

ラストソング。

昨日、博多から帰ってきて、奥さんと二人でファミレスで夕飯を食べた。

そこで祖母が火葬場で唄ったこの歌の話をしたら、涙があとからあとから出てきた。

兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川
夢はいまも めぐりて 忘れがたき 故郷

如何にいます 父母 つつがなしや 友がき
雨に風に つけても 思いいずる 故郷

志を 果たして いつの日にか 帰らん
山はあおき 故郷 水は清き 故郷

火葬場の、最後

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味見る力。

味見る力。

冬が近づいている。
昨日は今年はじめて、灯油を売るトラックが家のそばに来た。

ゆーきやこんこ あられやこんこ
ふっても ふっても まだふりやまぬ

と放送をかけながら。

そして、うちでは、スープを毎日つくるようになった。
鶏肉と白菜と塩で味をつける。

このとき、塩加減をみるのが、とても面白い。
ちょっと飲んでみて「もうちょっとかな」と思って、塩を入れると、ぜんぜん違う味になったりする。

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歌うでしかし。

歌うでしかし。

泣きたくなることも あるでしょう
それぐらい 本気で生きてたら
そういうとき ぼくはこうするよ
ララララ ラララララララ

ドーナツ屋の 角をまがって
きみのことを もっと知りたいな
ぼくのことを 愛してるんでしょう?
ナーナナ ラララララララ

唐突だけど むかし話
まあまあ いい感じ
そういう時を 積みかさねて
育まれる愛、かな

うたおう こころに
強靭な野草を
二人きりの ちいさな部屋に

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かけがえのないもの。

かけがえのないもの。

「最初は『はるかぜ』だったんだけど『きり』の音のほうがはじまりっぽいし、精霊が棲んでいそうな感じもして『きりさめ』にしたんだよね。」

と、出来上がった『あなたのうた』の出だしについて、申し込んでくれた人と話した。

そういうとき、僕はその曲を自分がつくったとは思っていない。
不思議な「なにか」のしたことを「すごいよね」と驚きとともに紹介している感覚でいる。

並べるのもおこがましいかもしれないけ

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海の底で私たちは地続きである。

海の底で私たちは地続きである。

内田樹さんは、昔から好きな作家さんだったけれど、最近さらに自分の体験に接近してきた感覚がある。

鷲田清一さんとの共著『大人のいない国』(文春文庫、二〇一三年)

は、もともとこの記事で「大人になること」について考えたことから手に取ったものだった。

けれど、実際に響いたところは、むしろ「きくこと」や「うたうこと」に関わる箇所だった。長くなるが、備忘録として抜き書きしておく。 

 人々がその「か

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歌とともにシーラカンスの棲む場所へ。

歌とともにシーラカンスの棲む場所へ。

今日は「あなたのうた」第一期の、お一人目の歌をお届けに行った。

「あなたのうた」は、十五分お話を聞かせていただいて、そこからあなただけの、世界に二つとない歌をつくる、という仕事だ。

歌の披露は基本的にオンラインで行っているけれど、近くに住んでいたり、旅費を負担いただけたりしたときには、直接ギターを抱えてお伺いしている。

今日は、午前中に一回目のお披露目をした。
小学校の遠足にぶつかって、子ど

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ゴールデンウィークからの予告です。

ゴールデンウィークからの予告です。

ゴールデンウィークからの仕事で、会場としてお世話になる西念寺さんから

「行事のフライヤーがあるとご案内しやすいんですけど」

とリクエストをもらった。

「行事って言い方いいな」と思いつつ、市販のソフトでつくってみたら、あらびっくり、ずいぶんたくさんできてしまった。

お寺の中で配る用だけどもったいないので、それぞれのイベントの予告をしがてら、ここでもご紹介。

まずは、来週4月28日(日曜日)

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知らない人の作った曲に心を鷲掴みにされる経験。

知らない人の作った曲に心を鷲掴みにされる経験。

先週の木曜日に聴いたこの曲に、どハマりしている。

King Gnu の『白日』。今日で五日目になる。

YouTube で何度も聴いて、歌って、それだけでは足りずに、iTunes Store で買って。

自転車に乗っているときにも聴いて、聴きながら歌って、体の赴くままに踊って。

ギターの弾き語り動画を見つけて練習して、歌もギターも難しくて、でも、「もっと歌いたい」「もっと弾きたい」「もっと練

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すきな歌の話ができることって。

すきな歌の話ができることって。

おととい、他のメンバーの到着が遅れていたので、くにちゃんこと橋本久仁彦さんと奥様と僕の三人で食事をした。

くにちゃんは、お気に入りの曲を集めたアイポッドをスピーカーにつないで流した。

井上陽水、世良公則、吉幾三、海援隊、薬師丸ひろ子……。
70~80年代の昭和の歌は、どれもインパクトが強くBGMの「BG(バックグラウンド)」にはならない。でも色鮮やかで、いまの曲よりもずっと楽しい。

中でもか

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"不思議"を経由する仕事。

"不思議"を経由する仕事。

不思議だね 二人が
こうして 会えたこと
そのために 二人こゝへ
生まれて きたのかな
(小田和正『woh woh』より)

15分間うかがったお話から、あなただけの、世界に二つとない歌を立ち上げていく新サービス「あなたのうた」がはじまった。

案内ページをつくりながら、最後の最後まで迷っていたのは、これが「あなた "の" うた」なのか「あなた "との" うた」なのかということだった。

厳密に言

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歌のこと、もっと知りたい。

歌のこと、もっと知りたい。

ことりは とっても うたがすき
かあさん よぶのも うたでよぶ
ぴぴぴぴぴ ちちちちち
ぴちくりぴい
(童謡『ことりのうた』より)

今日は、新月。
なにかをはじめるのにいい日だという。

そう気づいたとき、「なるほどね」と思った。

昨日、僕は『魂うた®︎』ファシリテーターの看板を下ろし、自分なりに「歌」を人と分かち合う場をつくることを決めたところだったからだ。

『魂うた』、正式には『魂と繋が

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協力者求ム。

協力者求ム。

2015年11月にはじまった自営業も三年をすぎ、活動が多岐にわたってきた。

ワークショップの中身も「聞くこと」だったり「支援」だったり「作曲」だったり『魂うた®︎』だったり「ファミコン」だったり(笑)様々。

文章を書いたり歌をつくったりする量も増えた。
それ自体は楽しいことなのだけれど、一方で手がまわらない「こうできたらいいのにな」リストが長くなっている。

そこで「いまやれていないけれど、あ

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叫べという。

叫べという。

「叫べ」という この確かな心を

という曲が Radwimps にあるが、僕は今日ちょっと叫びたい気分だった。

でも、うちはマンションで、しかも壁が薄い。
だから思いっきり叫ぶことなんてできない。
島国日本の住宅事情は、叫ぶことには向いていない。

そうは言っても、日常の中で叫びたいことってある。
暴れたいことも、なんなら殴ってやりたいって思うことも、ありますよね。僕だけですか。

そういうもの

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さすらいもしないで。

さすらいもしないで。

さすらいもしないで
このまま死なねえぞ
(奥田民生『さすらい』より)

前回の「男が『男になる』とき」の最後はこの曲だったな、と思い出しながら、僕は頭を流れる「敗戦の弁」に悩まされていた。

来週 21日(木・祝)の『魂うた®︎』開催に必要な人数を集めなければならない。そのことを意識すると「ダメだったときの言い訳」が脳内で自動再生される。

「まだやるのか」とか「次はどうするのか」とか、誰も聞いて

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