マガジンのカバー画像

あしたの小窓から。

720
小窓のむこうに、ちいさな「あした」が見える。 ここでは音楽、教育、投資、霊性などについて、考えたり感じたりしたことをつれづれに綴っています。
運営しているクリエイター

#歌

ラストソング。

ラストソング。

昨日、博多から帰ってきて、奥さんと二人でファミレスで夕飯を食べた。

そこで祖母が火葬場で唄ったこの歌の話をしたら、涙があとからあとから出てきた。

兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川
夢はいまも めぐりて 忘れがたき 故郷

如何にいます 父母 つつがなしや 友がき
雨に風に つけても 思いいずる 故郷

志を 果たして いつの日にか 帰らん
山はあおき 故郷 水は清き 故郷

火葬場の、最後

もっとみる
味見る力。

味見る力。

冬が近づいている。
昨日は今年はじめて、灯油を売るトラックが家のそばに来た。

ゆーきやこんこ あられやこんこ
ふっても ふっても まだふりやまぬ

と放送をかけながら。

そして、うちでは、スープを毎日つくるようになった。
鶏肉と白菜と塩で味をつける。

このとき、塩加減をみるのが、とても面白い。
ちょっと飲んでみて「もうちょっとかな」と思って、塩を入れると、ぜんぜん違う味になったりする。

もっとみる
歌うでしかし。

歌うでしかし。

泣きたくなることも あるでしょう
それぐらい 本気で生きてたら
そういうとき ぼくはこうするよ
ララララ ラララララララ

ドーナツ屋の 角をまがって
きみのことを もっと知りたいな
ぼくのことを 愛してるんでしょう?
ナーナナ ラララララララ

唐突だけど むかし話
まあまあ いい感じ
そういう時を 積みかさねて
育まれる愛、かな

うたおう こころに
強靭な野草を
二人きりの ちいさな部屋に

もっとみる
かけがえのないもの。

かけがえのないもの。

「最初は『はるかぜ』だったんだけど『きり』の音のほうがはじまりっぽいし、精霊が棲んでいそうな感じもして『きりさめ』にしたんだよね。」

と、出来上がった『あなたのうた』の出だしについて、申し込んでくれた人と話した。

そういうとき、僕はその曲を自分がつくったとは思っていない。
不思議な「なにか」のしたことを「すごいよね」と驚きとともに紹介している感覚でいる。

並べるのもおこがましいかもしれないけ

もっとみる
海の底で私たちは地続きである。

海の底で私たちは地続きである。

内田樹さんは、昔から好きな作家さんだったけれど、最近さらに自分の体験に接近してきた感覚がある。

鷲田清一さんとの共著『大人のいない国』(文春文庫、二〇一三年)

は、もともとこの記事で「大人になること」について考えたことから手に取ったものだった。

けれど、実際に響いたところは、むしろ「きくこと」や「うたうこと」に関わる箇所だった。長くなるが、備忘録として抜き書きしておく。 

 人々がその「か

もっとみる
歌とともにシーラカンスの棲む場所へ。

歌とともにシーラカンスの棲む場所へ。

今日は「あなたのうた」第一期の、お一人目の歌をお届けに行った。

「あなたのうた」は、十五分お話を聞かせていただいて、そこからあなただけの、世界に二つとない歌をつくる、という仕事だ。

歌の披露は基本的にオンラインで行っているけれど、近くに住んでいたり、旅費を負担いただけたりしたときには、直接ギターを抱えてお伺いしている。

今日は、午前中に一回目のお披露目をした。
小学校の遠足にぶつかって、子ど

もっとみる
ゴールデンウィークからの予告です。

ゴールデンウィークからの予告です。

ゴールデンウィークからの仕事で、会場としてお世話になる西念寺さんから

「行事のフライヤーがあるとご案内しやすいんですけど」

とリクエストをもらった。

「行事って言い方いいな」と思いつつ、市販のソフトでつくってみたら、あらびっくり、ずいぶんたくさんできてしまった。

お寺の中で配る用だけどもったいないので、それぞれのイベントの予告をしがてら、ここでもご紹介。

まずは、来週4月28日(日曜日)

もっとみる
知らない人の作った曲に心を鷲掴みにされる経験。

知らない人の作った曲に心を鷲掴みにされる経験。

先週の木曜日に聴いたこの曲に、どハマりしている。

King Gnu の『白日』。今日で五日目になる。

YouTube で何度も聴いて、歌って、それだけでは足りずに、iTunes Store で買って。

自転車に乗っているときにも聴いて、聴きながら歌って、体の赴くままに踊って。

ギターの弾き語り動画を見つけて練習して、歌もギターも難しくて、でも、「もっと歌いたい」「もっと弾きたい」「もっと練

もっとみる
すきな歌の話ができることって。

すきな歌の話ができることって。

おととい、他のメンバーの到着が遅れていたので、くにちゃんこと橋本久仁彦さんと奥様と僕の三人で食事をした。

くにちゃんは、お気に入りの曲を集めたアイポッドをスピーカーにつないで流した。

井上陽水、世良公則、吉幾三、海援隊、薬師丸ひろ子……。
70~80年代の昭和の歌は、どれもインパクトが強くBGMの「BG(バックグラウンド)」にはならない。でも色鮮やかで、いまの曲よりもずっと楽しい。

中でもか

もっとみる
"不思議"を経由する仕事。

"不思議"を経由する仕事。

不思議だね 二人が
こうして 会えたこと
そのために 二人こゝへ
生まれて きたのかな
(小田和正『woh woh』より)

15分間うかがったお話から、あなただけの、世界に二つとない歌を立ち上げていく新サービス「あなたのうた」がはじまった。

案内ページをつくりながら、最後の最後まで迷っていたのは、これが「あなた "の" うた」なのか「あなた "との" うた」なのかということだった。

厳密に言

もっとみる
歌のこと、もっと知りたい。

歌のこと、もっと知りたい。

ことりは とっても うたがすき
かあさん よぶのも うたでよぶ
ぴぴぴぴぴ ちちちちち
ぴちくりぴい
(童謡『ことりのうた』より)

今日は、新月。
なにかをはじめるのにいい日だという。

そう気づいたとき、「なるほどね」と思った。

昨日、僕は『魂うた®︎』ファシリテーターの看板を下ろし、自分なりに「歌」を人と分かち合う場をつくることを決めたところだったからだ。

『魂うた』、正式には『魂と繋が

もっとみる
協力者求ム。

協力者求ム。

2015年11月にはじまった自営業も三年をすぎ、活動が多岐にわたってきた。

ワークショップの中身も「聞くこと」だったり「支援」だったり「作曲」だったり『魂うた®︎』だったり「ファミコン」だったり(笑)様々。

文章を書いたり歌をつくったりする量も増えた。
それ自体は楽しいことなのだけれど、一方で手がまわらない「こうできたらいいのにな」リストが長くなっている。

そこで「いまやれていないけれど、あ

もっとみる
叫べという。

叫べという。

「叫べ」という この確かな心を

という曲が Radwimps にあるが、僕は今日ちょっと叫びたい気分だった。

でも、うちはマンションで、しかも壁が薄い。
だから思いっきり叫ぶことなんてできない。
島国日本の住宅事情は、叫ぶことには向いていない。

そうは言っても、日常の中で叫びたいことってある。
暴れたいことも、なんなら殴ってやりたいって思うことも、ありますよね。僕だけですか。

そういうもの

もっとみる
さすらいもしないで。

さすらいもしないで。

さすらいもしないで
このまま死なねえぞ
(奥田民生『さすらい』より)

前回の「男が『男になる』とき」の最後はこの曲だったな、と思い出しながら、僕は頭を流れる「敗戦の弁」に悩まされていた。

来週 21日(木・祝)の『魂うた®︎』開催に必要な人数を集めなければならない。そのことを意識すると「ダメだったときの言い訳」が脳内で自動再生される。

「まだやるのか」とか「次はどうするのか」とか、誰も聞いて

もっとみる