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2023年3月の記事一覧

あなたの顔の素敵なところ

あなたの顔の素敵なところ

「最も美しい化粧は情熱だが、化粧品のほうが簡単に手に入る」

イヴ・サン=ローランの若干の皮肉の込もった言葉は真実で、その証として、私はある女性の顔と彼女の劇的な変化を思い出します。

それは、メイクアップ・アーティストの友人に誘われ、彼女の主催する講座に参加した時のことです。
私がさほどメイクに興味がないのを知りつつ、友人が私を誘ったのは、講座の内容を受講者としてどう感じるか忌憚ない意見を聞かせ

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新作映画を観るならレイトショーに限る。

新作映画を観るならレイトショーに限る。

新作映画を観るならレイトショーに限る。

僕はこの考えに疑いを持たない。

よほど不人気の作品なら話は別だが、たいていの作品は満席状態となっている。隣の人が身じろぎをする気配、後ろの席に座る人のつま先が自分の椅子を蹴る衝撃、映画の内容を理解できなくなった女が彼氏にひそひそと質問する声、ポップコーンを噛み砕く音———。

これらに邪魔をされ、作品に集中できないのだ。

そもそもなぜポップコーンなどと

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「桜は下を向いて咲く」から一句

「桜は下を向いて咲く」から一句

これは第16代桜守の言葉で、メモ魔の私の青い手帳に長らく眠っていたものです。

第16代桜守とは、京都の造園業「植藤」の16代当主、佐野藤右衛門さんで、今しがた「第16代桜守」で検索して確認しました。

メモの日付はずいぶん以前の4月28日。
日本人が桜を愛する理由として、「桜は下に向いて咲く」――だから、桜の木の下に立つと、包まれたような気持ちになる。
記していたのは、たったそれだけの二行です。

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Day1. はじまりの記憶をめぐる旅│大塚国際美術館 Ⅱ

Day1. はじまりの記憶をめぐる旅│大塚国際美術館 Ⅱ

Feb.2023

イタリアのことを書くだけで、楽しくていくらでも書けてしまう。ルネサンスだけでなく、バロックのこともゴシックのことも、その先のほかの国の芸術のことも書きたいけれど、思い出を綴ろうとすると終わりがない。

現地で観た絵画だけでなく、日本にやってきた世界中の絵画と、ここで再会することができたのも嬉しかった。「あの展覧会で観た」とか「あの子と一緒にみて、二人とも好きな絵だった」とか。そ

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