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より良いキャリアを築く「働く場」の選択(3) ~どのような「場」で仕事をしたいか ②~

前回(No.10)、就活対象とする企業を「働く場」として、事業(ビジネス)主体、事業形態の観点から分類し、定義しました。

今回は、「働く場」としての企業特性をより理解するために、企業特性プロフィールについて以下の観点から分類定義してみたいと思います。



1.事業(ビジネス)対象市場について

企業が、主に主戦場とする「ビジネス対象市場」という観点での分類定義を示します。 

■ 国内市場(外資系も)を軸に展開

・国内(日本)市場をメインに、ビジネスを展開している企業。
(海外売上50%未満)

今や大手企業に限らず、海外市場への展開を図ることが避けられない時代に入っていますが、ここでは主に国内にある企業、顧客(インバウンド顧客を含む)を主ターゲットに展開している企業群を指します。

■ グローバル市場を軸に展開

・海外市場をメインに、ビジネスを展開している企業。
(海外売上50%以上)

商社、自動車、電機業界、素材メーカーなどは、その典型。さらに、7&iやユニクロに代表されるように、小売業においてもグローバルを意識して展開を図る企業が登場しています。

ただ、「グローバル企業」という企業の定義が特にあるわけではありません。(本稿では、50%以上と定義)就活においては、ご自身が活動したい「地域」や「語学力」が活かせるかなどでの選択もありかと思います。


2.事業(ビジネス)チャネルについて

「どのような場でビジネスを行っているか」という観点での分類定義を示します。この区分けも、今では意味が無くなる傾向にあり、両用が当たり前になっています。これまでリアルを主体にしてきた企業にとって、ネットは「サブ的」なチャネルとする捉え方が一般的でしたが、既に「リアルと同等」に考える時代になっています。

 ■ リアル中心

・リアル世界を、「主市場」としてビジネスを展開している企業。

「対面型」でのビジネス形態に重点を置いている企業群。「店舗ビジネス」などはその典型。

■ バーチャル(Web)中心

・主要なビジネスを、Web上で展開している企業。

一般的に「ネット企業」と称される企業群。今やあらゆるジャンル、業界に出現し、その形態も多様化しています。さらに、「リアルビジネス」への展開を図る企業も登場しています。 


3.企業規模について

就活にあたっては、企業規模という観点も大きな要素かと思います。ただ、「終身雇用制」といった日本独特の就職形態が大きく変わろうとしている現在、「規模」という選択肢だけに拘らない視点が、より大切になってきています。

 ■ 大手・大企業の特性

・広範囲、包括的な仕事が可能である。
・仕事の希望(配属・子会社)は、自由度が低い。(大所帯、大人数採用)
・企業としての安定度は高い。
・企業を拡大・成長させるという実感は薄い。
・トップ層との接点作りには時間を要す。(中間管理職が多い)
・決裁階層も深い。(多い、時間要す)

■ 中小企業の特性

・「独自専門分野」を持つ企業を除き、広範、包括的な仕事は少ない。
・仕事の選択希望度は、比較的高い。(小所帯、少人数採用)
・一緒に成長している、成長して行くという実感を得やすい。
・トップとの接点つくりは、比較的容易。
・決裁階層も比較的浅い。(少ない、早い)

(参考)日本の企業規模現況

4.事業(業界)構造について 

ビジネスをする上での、「企業の立場、位置づけ」という観点での分類定義を示します。

■ 元請け企業

・エンドユーザ(最終仕向け先)との契約元であり、契約内容の全てにおいてその責任を負う。 

■ 下請け・系列企業(一次・二次・・・)

・元請けの下で、与えられた範囲の仕事を中心にこなす位置づけ。
・ほぼ、全ての業界に存在。
・自ら顧客、ビジネスを開拓する機会、必要性などは低い。
・その分コスト負担も少なく、ビジネスリスクは小さい。
・不景気期などでは、元請けビジネス状況の影響を受けやすい。
・今後「独自ビジネス」への展開が課題。(企業成長の可否を握っている)

5.ビジネス主対象者(相手)について

ビジネスの「主な対象者(相手)」という観点からの分類定義を示します。

■ BtoB(メーカ系、卸系、実業支援企業系などに多い)

・主に、「法人(企業:B)」を相手としたビジネスを展開する企業。  

■ BtoC(小売業形態、通販(EC)系ビジネスに多い)

・主に、「消費者(C)」を直接相手としてビジネスを展開する企業。 

この形態は、「消費者ビジネス企業」が中心でしたが、昨今、これまで「BtoB」をビジネス主体としてきた企業群が、新たに「消費者(C)」に直接ビジネスする形態として、「D(Direct)toC」が登場しています。 

■ BtoBtoC (消費財メーカ、プラットフォーマ企業形態に多い)

・最終仕向け先としての消費者(C)を意識し、法人(B)とのビジネスを展開する企業。 


以上、企業の位置づけや事業の在り方(ビジネス方式、形態等)における分類について定義しました。

就活を行う上で、その企業がどのような立場でビジネスをしているか、自身がどのような「場」で仕事をしたいのかなどを意識され、企業を選択する際の視野を広げて頂ければと思います。

 次回(③)は、「採用と雇用形態」での分類定義を示したいと思います。

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