マガジンのカバー画像

詩とエッセイ

51
ぽえまーよはんのひとりごと。
運営しているクリエイター

#エッセイ

宇宙の途中。

今は、「X」と呼ぶのか。まだ慣れないな。
私のスマホ画面には、既に「エモい」に殿堂入りした、群れとはぐれた白い鳥が一羽。

ときどき、開いてみる。

電車の中で、おじさんが広げている夕刊紙を見たり、高校生がヒソヒソ話す噂話を聞いたりして。

へえ、誰かが炎上したんだ、とか思って、軽い気持ちで開く。

文字で喧嘩してる人とかもいる。
「正しい答え」を説く人もいる。

へえ、と思って、すごくどうでもよ

もっとみる
birth.

birth.

過去はひとには問われない。
過去を問うのはただひとり。

残してきたものが
栄光だろうと罪だろうと
それらが今を
どう飾っているとしても

踏み出す一歩は
まだ誰も何も知らない
まっさらな世界に着地する。
足跡のない
積もったばかりの雪の上に
足跡をつけていく。
それならば。

過去はついてくる。
ときどき焦げついた何かを
心に運んでくることもある。

未熟さを積み重ねて
不安定で崩れおちて知る

もっとみる
きらきら。

きらきら。

愛はいかに生じるや。

黒板のメニューの字の癖
久しぶりに座った特等席
マスクをつけた銅像たち

運命的な出会いをして
穴が空くまで履きふるして
ボロボロだけど捨てられない靴

愛はいかに生じるや。

他のは煙たくて受け付けないのに
なぜか唯一安心する
名前も知らないあのタバコのにおい

項垂れて肩を震わす後ろ姿
泣いているのか怒っているのか
笑っているのか分からない背中の群れ

愛は
今年はじめ

もっとみる
お浸し。

お浸し。

ハグなんてされたら
泣き崩れてしまいそう

そんな夜にわたしは
ひとりでハンバーガーを頬張る

ひとりでたべるくらいなら
食べても食べなくてもいいやなんて
思いながらもお腹はへるし

寂しい思いに任せると
わたしじゃなくなるから
でも無理に強がったのを
わたしだといっていい?

ちっぽけなこと
なにを勝手に傷ついてるのか
誰かそばにいてほしいと
願うのはにんげんの必然

ひたすらに食べたこの満腹感

もっとみる
ユニコーン。

ユニコーン。

名前を、忘れてしまった人もいるし
ふと見えた誓いが、くすんでみえる時もある
今年の冬は、ヘンな缶飲料が増えたし
去年とは違う雰囲気のコートが流行ってる

どこかで会ったような気がする
夢の中だったのかもしれない
空気を揺らさない限りは
靴を脱いでも、敷居を跨ぐことはできないから

それでも時たま
顳顬あたりがピンと刺激され
繋がるはずもなかった糸を
一瞬で手繰り寄せあうことがある

目覚めて街を歩

もっとみる

伝わらない気持ちは
悲しいけれど
どんなに馬鹿にされても
あなたを、すきでいる。
#poem #essay #詩 #エッセイ

大切な大切な万年筆は
素敵な言葉を綴るためだけに
使いたかったのだけれど

毎日をともにするのだから
酸いも甘いもどうやったって
伝わってしまうものよね
#poem #essay #詩 #エッセイ

決壊。

決壊。

なみだって、
溜まってくものなんだ。

昨日は
逆転した立場を
大人になって
受け入れるしかなくて
ぐっと堪えて

今日は
悔しくても
もう大人なんだからって
胸を叩き叩き
飲み込んで

笑ったら
気分が変わって
どっかへ行くんだと
思ってたけど

笑いながら
扉を閉じたら
なみだがとまらない、
とまらない

もうだめだ、
今日はだめだ、
喉から息を吐きながら
そう思う自分と
そうやって泣け泣け、

もっとみる
星の灯。

星の灯。

あなたがみて
美しいと思ったことを
しんじてね

あこがれた先に
裏切りと出あうかもしれない
でも
全部ほんとだよ
全部ほんとうなんだよ

うそだとしって
信じるとき
それは
期待かもしれないし
保身かもしれないし
ただの意地かもしれない

まとめて全て受け入れたい
そんなのは、
結局やっぱり綺麗事か。

耳をふさいで逃げちゃえ
きらいになるくらいなら

わたしの心は
まっすぐなの、
これまでだっ

もっとみる
尊い日。

尊い日。

長い一日だった。

他人の人生には目もくれず
ただ、人に無関心というわけではなく

そういう人間になれたらと
それが第一線を生きることだと

それでも
好きが交錯して
好きに振り回されて

憧れが本物になりそうで
怖くて
利き難いブレーキを必死にかけたり
閉じて閉じて、何でもないふりをしたり。

そんなことしなくたって
平凡でも
私は誰かの生きがいだし
それが
商売で繋がれた縁だとしても
すべてに

もっとみる

幸せ。

矛盾してるようだけど、
人のために生きたら
それが自分の幸せになるし、
だけど
自分の幸せのために、が最初の動機だと
どっかで空回って、
でも私たちは絶対
幸せにならなきゃいけなくて、

勝利感とか嬉しいって言う感情が
物やお金を得ることよりもずっと
人生を価値づけるって、
伝えるのはとても難しくて、
最終的には自分で納得できなきゃ
何にもならない

それを探して
生きているようなもの
#人生  

もっとみる
ピンクと青と。

ピンクと青と。

この感動だけで生きられたらいいのに。

帰りの電車
半分開いた窓から見える
摩訶不思議なピンクと青と

ガラス越しじゃない
本物の世界が
絵に描いたよう、嘘みたいに映える

感傷に浸る姿は
美しい人がするから美しいんだろ

積み上げたマイナスポイントが
わたしを透明にしたがる

本当は、
君とわたしの関係だけでいい。

生まれた時は知っていた
そんな簡単なことを、
歳をとる度
わすれて、思い出して

もっとみる
手紙。

手紙。

久々のオールフリーデー。
友人に手紙を書こうと思って
3時間経つ。

スマホとの馴れ合い。
動画やSNSを見て3時間も。
時間はこわい。
まぁこんな日もいい。でも目は休めないと。

紙が好きだと言った割に
便箋は全然持ってない。
使い切ってしまったと言う方が、正しいけれど。
縦書きのちょっとフォーマルな便箋を発見。
これはちょっと、気分と違うなあ。

ないものを探すのは諦めて
ルーズリーフを取り出

もっとみる
バカをめざす。

バカをめざす。

アスファルトの焦げた匂い
夏だ
夏が来たんだ

体が思い出す
この息もできないような熱の空気
苦しいのにわくわくする
アドレナリンがでる

何かのためのエネルギーにもならず
ただ放出するだけだから
それが暑さを増強させていたりして

でもそれで
地球は回っているのだし
地球のもう半分はとても寒くて
私たちの人生の半分も
とても寒いのだから

何の気なしに
喜んでいい

誰かが悲しい時に
壁を挟んだ

もっとみる