birth.
過去はひとには問われない。
過去を問うのはただひとり。
残してきたものが
栄光だろうと罪だろうと
それらが今を
どう飾っているとしても
踏み出す一歩は
まだ誰も何も知らない
まっさらな世界に着地する。
足跡のない
積もったばかりの雪の上に
足跡をつけていく。
それならば。
過去はついてくる。
ときどき焦げついた何かを
心に運んでくることもある。
未熟さを積み重ねて
不安定で崩れおちて知る
「何か、まちがっている。」
目を凝らして耳を澄まして
お腹を空かせた小鳥のように。
心のままにどうぞ、
喚いたって怒られないから。
今をどう生きる?
この先にどんな景色を見たい?
ど真ん中から叫ぶ声は、
なんて言ってる?
今はただ聞きたい。
素直な、
臍の緒が切れたあの時の心で。
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