マガジンのカバー画像

詩とエッセイ

51
ぽえまーよはんのひとりごと。
運営しているクリエイター

#スキしてみて

五月夜

五月夜に何かを期待して
酔いつ群れつ明日は明日

太陽が眩しい人間たちは
進化したか祖を忘れたか

無くしものはこちらです
夢でも見せてくれたらな

公私詳らかの文豪たちも
心外だがされるがままに

火のない屑を見つめても
朝のがはやくやってくる

幸福を知ってか知らずか
ここにとどまっていたい

にんげんの屈辱に浸かる
心地のよい寝床で今日も
#poem

紙袋

紙袋

木曜夜の零時少し前
凍てつく夜も温かく
下り電車の賑わいは
健やかなる無法地帯

幽霊の様な境界線を
何でもない風に跨ぐ
通路という概念など
誰も覚えてはいない

ど真ん中に置かれた
高級百貨店の紙袋は
その威厳も虚しく、
なんてことでもなく

夢現の主人よろしく
やけに堂々とした姿
それこそ実に本来の
私だとでも言う様に

昼のいきぐるしさが
存在すら不確かな夜
ただそこに在るのは
星と空と少し

もっとみる
お浸し。

お浸し。

ハグなんてされたら
泣き崩れてしまいそう

そんな夜にわたしは
ひとりでハンバーガーを頬張る

ひとりでたべるくらいなら
食べても食べなくてもいいやなんて
思いながらもお腹はへるし

寂しい思いに任せると
わたしじゃなくなるから
でも無理に強がったのを
わたしだといっていい?

ちっぽけなこと
なにを勝手に傷ついてるのか
誰かそばにいてほしいと
願うのはにんげんの必然

ひたすらに食べたこの満腹感

もっとみる
ユニコーン。

ユニコーン。

名前を、忘れてしまった人もいるし
ふと見えた誓いが、くすんでみえる時もある
今年の冬は、ヘンな缶飲料が増えたし
去年とは違う雰囲気のコートが流行ってる

どこかで会ったような気がする
夢の中だったのかもしれない
空気を揺らさない限りは
靴を脱いでも、敷居を跨ぐことはできないから

それでも時たま
顳顬あたりがピンと刺激され
繋がるはずもなかった糸を
一瞬で手繰り寄せあうことがある

目覚めて街を歩

もっとみる
決壊。

決壊。

なみだって、
溜まってくものなんだ。

昨日は
逆転した立場を
大人になって
受け入れるしかなくて
ぐっと堪えて

今日は
悔しくても
もう大人なんだからって
胸を叩き叩き
飲み込んで

笑ったら
気分が変わって
どっかへ行くんだと
思ってたけど

笑いながら
扉を閉じたら
なみだがとまらない、
とまらない

もうだめだ、
今日はだめだ、
喉から息を吐きながら
そう思う自分と
そうやって泣け泣け、

もっとみる
星の灯。

星の灯。

あなたがみて
美しいと思ったことを
しんじてね

あこがれた先に
裏切りと出あうかもしれない
でも
全部ほんとだよ
全部ほんとうなんだよ

うそだとしって
信じるとき
それは
期待かもしれないし
保身かもしれないし
ただの意地かもしれない

まとめて全て受け入れたい
そんなのは、
結局やっぱり綺麗事か。

耳をふさいで逃げちゃえ
きらいになるくらいなら

わたしの心は
まっすぐなの、
これまでだっ

もっとみる
尊い日。

尊い日。

長い一日だった。

他人の人生には目もくれず
ただ、人に無関心というわけではなく

そういう人間になれたらと
それが第一線を生きることだと

それでも
好きが交錯して
好きに振り回されて

憧れが本物になりそうで
怖くて
利き難いブレーキを必死にかけたり
閉じて閉じて、何でもないふりをしたり。

そんなことしなくたって
平凡でも
私は誰かの生きがいだし
それが
商売で繋がれた縁だとしても
すべてに

もっとみる

幸せ。

矛盾してるようだけど、
人のために生きたら
それが自分の幸せになるし、
だけど
自分の幸せのために、が最初の動機だと
どっかで空回って、
でも私たちは絶対
幸せにならなきゃいけなくて、

勝利感とか嬉しいって言う感情が
物やお金を得ることよりもずっと
人生を価値づけるって、
伝えるのはとても難しくて、
最終的には自分で納得できなきゃ
何にもならない

それを探して
生きているようなもの
#人生  

もっとみる
ピンクと青と。

ピンクと青と。

この感動だけで生きられたらいいのに。

帰りの電車
半分開いた窓から見える
摩訶不思議なピンクと青と

ガラス越しじゃない
本物の世界が
絵に描いたよう、嘘みたいに映える

感傷に浸る姿は
美しい人がするから美しいんだろ

積み上げたマイナスポイントが
わたしを透明にしたがる

本当は、
君とわたしの関係だけでいい。

生まれた時は知っていた
そんな簡単なことを、
歳をとる度
わすれて、思い出して

もっとみる
バカをめざす。

バカをめざす。

アスファルトの焦げた匂い
夏だ
夏が来たんだ

体が思い出す
この息もできないような熱の空気
苦しいのにわくわくする
アドレナリンがでる

何かのためのエネルギーにもならず
ただ放出するだけだから
それが暑さを増強させていたりして

でもそれで
地球は回っているのだし
地球のもう半分はとても寒くて
私たちの人生の半分も
とても寒いのだから

何の気なしに
喜んでいい

誰かが悲しい時に
壁を挟んだ

もっとみる
よふかし。

よふかし。

夜更かししないと
ダメな時って、あるんだよ
赤ちゃんが夜泣きするみたいに
そっかそっか、って
そのままにしておくの

ちょっとつらいし疲れるけれど
時間は過ぎてく、
無駄なんてことないよ

からだが重くて
ベッドよりもっと沈んでいく
罪や科が
地の底と共鳴してひっぱられてく

心を蝕む毒虫の咀嚼も
聞こえるうちは実況して
そこら中のいたみを
飽きるまで紛らわせて

だんだん泣くことが面倒になって

もっとみる

untitled

他人の価値観で生きない
って言うのは

人なんてどうでもいいぜー
好きに生きりゃいいんだぜー

というノリとは
またちょっと違うと
私は思ってる。

あいつのやり方非効率、とか
「誰か」を批判してるくらいでは
まだまだだぜ

見い出せ、
いくら生きても
知らないことが多いまま
この世をたつのだから

見切りをつけるのはあんたじゃない
評価をするのは
いつも自分だ。

過去の自分を
へったくれの自分

もっとみる
ナイフ。

ナイフ。

久しぶりに、泣いた。

もっと悲しみを知れ、 と思った。

でも、悲しみを知った人は
決して言わない、そういうものだ。

人生に優劣はない。

でも、たくさん負う人はいる。

別に、何を言ってもいい。
自由だ。
湧くものはどうしようもない。

だけど、
流されてると馬鹿にしながら
その雰囲気に流されるとか
そんな情けないこと、絶対すんなよ

ここだけの話。
本人には届かないから。

そうだといいね

もっとみる
霜月。

霜月。

クリスマスが近づくと
街やお店は自動的に
「そういう」雰囲気になっていく。

「何の日か」は重要じゃない。
ただ、
そのキラキラや糖度の高い空気に
やられてしまうんだ

それを知ってか知らずか
鐘の音は、そこかしこに。

この時期が嫌いだ、
と言う人がいた。

ほんとに、嫌いみたいだ。
顔を歪めながら

「チキンなんて、いつだって食べるさ。」

一方では
恋人たちの、ともてはやされ
もう一方では

もっとみる