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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを…
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#孤独

モンシロチョウ(詩)

モンシロチョウ(詩)

君とつないだ手の温もりは春の風に消え去り、
輝かしい季節には僕一人しかいない。
孤独は嫌いではないけれど、
君と出会い、君と別れて、
孤独の意味はすっかり変わり果てた。
真夏の太陽の光を集めて生まれた一羽のモンシロチョウが、
波のように揺れながら、
季節外れの僕を置いてきぼりにして、
目の前を通り過ぎた。

孤独な白鳥(詩)

孤独な白鳥(詩)

若き日の思いは今も心の裡にあり
雨が下水道から溢れるように
苦い記憶を僕に思い出させる
人の心の移り変わりは季節のように
激しい風とともに突然訪れる
新しい恋人を見つけた君は
まるで翼を広げて飛び立つ白鳥のように
清らかな落ち着きの中で生きている
忘れたいことを忘れることができない僕は
湖に一人残されて過去を悔やみながら
空を飛ぶことも出来ずに一生を終えるのだろうか
君の幸せを祈りながら生きていく

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目覚めの歌(詩)

目覚めの歌(詩)

夢のない世界に僕は眠っている。
生も死もない世界に僕は寛いでいる。
自意識だけが僕の頭の中で蠢いているけれど、僕はそれに気づかない。
何もない無の世界は安らかで、清らかで、淋しくない孤独に満ち満ちている。
これが永遠というものなのか。そう思ったときに、一気に雑音と汚濁と悲しい孤独が体を襲ってきた。
生と死の世界で僕は目覚めた。
でも、夢のない世界は何も変わらなかった。

傾いた人(詩)

傾いた人(詩)

傾いた時代に
傾いた家に生まれ
傾いた言葉を呟きながら
傾いた道を歩いてゆく

傾いた季節に
傾いた花を眺め
傾いた山の頂上で
傾いた太陽に祈りを捧げる

傾いた世界に
傾いた体を預け
傾いた視線で
傾いた風景を見下ろす

傾いた夜に
傾いた孤独を抱え
傾いた瞳から
傾いた涙を流す

傾いた銃弾に
傾いた胸を撃たれ
傾いた土の上で
傾いた人は命を終える

穴(詩)

穴(詩)

胸の中にポッカリ穴が空いている
胃にはしっかり食べ物を送っているし
肺には継続して酸素を取り入れているのに

みんなが僕を見て笑いながら通り過ぎる
子どもたちは僕の穴を通り抜ける遊びに夢中になっている
僕はそれを見て笑おうと努力する

たまに冬の風が落ち葉を流していく
僕はその枯れ葉を穴に通してみる
そんな虚しい遊びが僕の穴を広げているみたいに思える

この穴を僕は何によって埋められるのだろうか

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独り(詩)

独り(詩)

早くしないと逃げちゃうよ
今ならすぐにつかまるよ
だから今すぐつかまえて
とにかく僕をつかまえて

カラス(詩)

カラス(詩)

一羽のカラスが鳴いていた
でも誰も返事をしてくれない

カラスは何度も鳴いたけど
やっぱり誰も返事をしてくれない

仕方がないから隣の町へ
カラスは空を飛んでった

も一度カラスは鳴いてみた
今度は返事が返ってきた

カラスはやっと仲間を見つけ
眠りの森へ帰っていった

ごみ捨て場(詩)

ごみ捨て場(詩)

何もかもが煩わしくなって
何もかもが疎ましくなって
何もかもが面倒臭くなって
何もかもがつまらなくなって
何もかもが嫌になって
何もかもが苦しくなって
何もかもがわからなくなって
何もかもがいらなくなって

自分さえもが煩わしくなって
自分さえもが疎ましくなって
自分さえもが面倒臭くなって
自分さえもがつまらなくなって
自分さえもが嫌になって
自分さえもが苦しくなって
自分さえもわからなくなって

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孤独だけに愛されて(詩)

孤独だけに愛されて(詩)

愛されるより愛したほうがいいなんて
そんなの愛される人だから言えるのよ
片想いばかりで振られ続けてきた私の気持ちをあなたは理解できないでしょう
愛されない孤独ほど苦しいものはないなんて
あなたは理解できないでしょう

私の愛があなたに届くなんて思っていない
だけど、そんな言葉を私の前で言うなんて
あなたって、私が思っていたほど女心をわかってないのね

君にだってきっと愛してくれる人は見つかるよだな

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孤独者のひとりごと(詩)

孤独者のひとりごと(詩)

僕のことに構わないでくれ
今の僕は誰の言葉にも反発してしまうから

僕を一人にさせてくれ
僕は僕の貝殻の中で眠りたいから

僕の名前を呼ばないでくれ
僕が僕を嫌いになってしまうから

僕の話を聞かないでくれ
それはただの寝言と何も変わらないから

僕の孤独を壊さないでくれ
僕は孤独の世界でしか生きられないから

少年と本(詩)

少年と本(詩)

少年が一人本を読んでいる。
教室の片隅で少年は本を読んでいる。
クラスメイトはグループに分かれ、おしゃべりやゲームをしている。
ときどきグループから離れて、不良っぽい男の子が少年の近くに来て、
「一人だけ頭良くなろうとするんじゃないよ」
と少年の肩を殴る。
それでも少年は一人本を読んでいる。
本の中身はまったくわからない。
クラスメイトがいる意味もわからない。
自分がここにいる意味もわからない。

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一人遊び(詩)

一人遊び(詩)

ざわめきの戻った町で
ざわめきをくぐり抜けながら歩く
目的地はない
ただ前から歩いてくる人々を右へ左へとよけて歩く
まるで通行人に当たったらゲームオーバーになってしまうかのように慎重に、それでも安定したスピードで町を歩く。

第一関門はクリアし、ゲームは第二の段階へ入っていく。
銀座、原宿、浅草、渋谷、新宿
どこにするかは自分で決める
ゴールデンウィークの一人遊びは続く

ピエロ(詩)

ピエロ(詩)

赤い水玉模様の三角帽子と、パジャマのような衣装を身につけ、
手と足にはそれぞれ黄色の手袋と靴を履き、
顔には赤鼻を付け、まゆ毛は山のように丸く、口紅も口の両端をやや持ち上げて、笑顔を作る。

鏡で見ても完璧なピエロ。

ただ、舞台には私だけ。
観客も誰一人いない。
笑ってくれる人は誰もいない。
私は孤独なピエロ。

楽屋に戻り、もう一度鏡を見る。
笑っている自分が見えた。
でも、これは作り笑い。

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孤独という存在(詩)

孤独という存在(詩)

あるべき場所にあるべきものが収まっている世界でジグソーパズルのピースだけが収まるべき場所を探して漂っている

あるべき場所を見つけられずに
あるべきものの場所を邪魔しながら
ジグソーパズルのピースだけが世界の調和を乱している

結び付く相手も見つけられずに
誰から誘われることもなく
ジグソーパズルのピースだけがお互いの距離感をつかめないでいる

昔はみんな繋がっていたのに
大きな力が僕らをバラバラ

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