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マキコさんのミャンマーだより

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2014年よりヤンゴン在住。現地でIT企業をやっている夫、現地のローカル幼稚園に通う3歳の息子と3人で暮らしています。日々移り変わるミャンマーについて、私が感じた事をアレコレ綴り… もっと読む
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#育児

校庭の隅っこにいた自分と、ヤンゴンの遊び場にいる息子へ

校庭の隅っこにいた自分と、ヤンゴンの遊び場にいる息子へ

休み時間が苦手な小学生だった。

授業と授業の間の10分くらいの休み時間は平気なのだ。お手洗いに行ったり、次の授業の準備や移動で終わる。

私が苦手としていたのは、大休憩とたしか言われていた2時間目と3時間目の間にある休み時間と、給食の後の昼休みだ。

私は、外で遊びたくなかったのだ。

大抵のクラスメイトは、意気揚々と校庭に遊びに出ていく。大休憩は、外で元気に遊ぶための時間だった。教室に残ってい

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映画「僕の帰る場所」

映画「僕の帰る場所」

ミャンマーの若手映画人の登竜門であるワッタン映画祭でプレミア上映された、日本ミャンマー共同制作の映画「僕の帰る場所」を観て来ました。

まずは映画の公式サイトを見てね!

「僕の帰る場所」は、私たちの母国、日本をアイデンティティに持つ外国人の物語であり、ひとつの家族の物語でした。

ミャンマー人だけれど、日本で育ち日本語を話す2人の兄弟と、難民として申請中のミャンマー人の両親。

必死で頑張っても

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パートナーと一緒に暮らす男子に捧ぐ

パートナーと一緒に暮らす男子に捧ぐ

結婚。

同棲。

他人として、別々の環境で育った男女が共に暮らすタイミングはいくつかあります。

一緒に暮らして始めて見えてくる相手の事って沢山あると思います。

足りないところや、アレって思うところもあるかもしれないけれど、まあお互い様ですよね。

でもね、ひとつだけ。

ひとつだけ男性にお願いしたいことがあるの。

それは…

それはね…!!!





洋式トイレの便座は下げて!

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言葉から、みんな違ってみんな良い

言葉から、みんな違ってみんな良い

朝、3歳の息子を幼稚園に連れて行くと、先生に呼び止められました。

「彼はとっても静かにレッスンを受けているよ」

「ミャンマー語がとっても上手。アンティやミャンマー語の先生とはミャンマー語で話しているよ」

「ミャンマー語はネイティブと同じね」

「でも、英語を全然話さないの」

2歳3ヶ月から1年と少しミャンマーローカルの幼稚園に通っていたので、息子はミャンマー語はペラペラです。

私達両親や

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私、子供が苦手なんです…とAらは言う

私、子供が苦手なんです…とAらは言う

「私、子供が苦手で…」というAさんがいる。

その一方で「子供が大好き!」というBさんがいる。

普通に考えると、子供の方は、子供が大好きなBさんになつきそうな感じ。

しかし、我が家の3歳男子を見ている限り、すぐに懐くのは、「子供が苦手で…」というAさんの方という事が多いのです。

その一方、子供が大好き〜!と寄ってくる人には、意外と警戒心をあらわにしたり、そもそも興味がなさそうだったりする事が

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ゼイの愉しみ、癒しの時間

ゼイの愉しみ、癒しの時間

我が家の3歳男子が、幼稚園の後に行きたがる場所があります。

それは、近所にある市場です。ミャンマー語ではゼイと言います。

一番近くにある市場は、「ニャーゼイ(夜の市場)」と言って、夕方の4時くらいから開く市場です。

市場と言っても、屋根はなくて、道の一角に夕方になると屋台が出るのです。

鶏肉、豚肉、魚介類、野菜や果物、ちょっとした加工食品、お花、乾物などのお店が並びます。

何が面白いのか

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多様性とは、言語だけではない

多様性とは、言語だけではない

3歳になる息子は、2歳になった時から、近所のローカルの幼稚園に通っています。

一軒家を改造した小さな幼稚園です。

日本人は、息子だけ。

あとはミャンマー人とタイ人のハーフの子が1人いるだけで、他は先生も生徒も全員ミャンマー人。

人に話すと結構驚かれます。ミャンマー人と日本人のご夫婦を親に持つ子ならともかく、両親ともに日本人で、ローカルの幼稚園に行っている子供はなかなか少ないようです。

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ヤンゴン環状線の中で3歳の息子が寝てしまったという絶望

ヤンゴン環状線の中で3歳の息子が寝てしまったという絶望

電車に乗っていたら、3歳の息子が寝てしまった。

まあ、よくある事ですよね。少し面倒だけど、絶望するほどの事でもない。

日本ならね。

ある日、ふと思いついて息子と2人ヤンゴン環状線に乗って帰宅する事にしました。

たまたま外出先の近くに駅があったのと、帰宅までの時間に余裕があったためです。

ご存知ない方も多いかもしれませんが、ヤンゴンには環状線があります。日本から寄贈されたJRの古い車両を使

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ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.5

ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.5

お米を配り終えた後は、バンブービレッジの中にお邪魔させてもらいました。

家はもちろんバンブーハウスで、水道も電気もないのでしょう。衛生面もかなり悪いと思いますが、それでも悲壮な印象を受けなかったのは、周囲に広がる農村の風景があったからでしょうか。

あるいは、訪れたのが乾期で、空が青く晴れ晴れとしたお天気の日だったからかもしれません。

この家や村の作りだと、雨季になったら泥の中で暮らすようなも

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ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.4

ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.4

道中のお米屋さんで米を買って、サイカーはダラのバンブービレッジに到着しました。

ヤンゴンのはずれにもバンブーハウスと言われる竹で出来た家が川辺に密集している地域があり、そこと同じような場所を想像していました。

そこは、薄暗いバンブーハウスの中、ぐったりと座る人々の暗い表情が印象的で、「The・スラム」だったのです。

ダラのバンブービレッジは、孤児や貧しい人が集まって暮らしている場所と聞いてい

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ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.3

ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.3

満員のフェリーが対岸のダラに到着しました。

フェリーターミナルを出てすぐ目に入ってきたのは、客待ちのサイカー集団です。

(サイカーとは、自転車にサイドカーがついた乗り物で、ミャンマーでは庶民の足となっています)

ダラのサイカー集団は、我が家の近所で昼寝しながらのんびり客待ちをしているサイカー運転手とは、明らかに違う人種の人々に見えました。料金交渉するまでもなく、ぼったくる気満々のハンターの様

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ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.2

ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.2

ダラへ向かうフェリーターミナルは、ダウンタウンの河沿いにあります。

このフェリー、日本から寄贈されたものなので、日本人は無料で乗る事が出来ます。

5分ほどの船旅ですが、フェリーの中には物売りがたくさんいて、食べ物や飲み物、そして、川に沢山いるカモメの餌などを売っています。

この物売りの中には、小さな子供もいました。

私が感心したのは、この子らがれっきとした商売人であることでした。

ビニー

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ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.1

ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.1

ミャンマー第一の都市、経済の中心であるヤンゴンのダウンタウンは、ミャンマーの中でも特殊な地域だと言えます。

東京やバンコクのそれとはもちろん比べものにならないものの、オフィスビルやカフェ、新しい商業施設に古くからのマーケットが立ち並ぶ「The・都会」です。

もちろん、他の国の大都市に比べたら何十年か遅れている感は否めませんが、ミャンマーに住んでいる限りは、ヤンゴンのダウンタウンといえば超発展し

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